COLUMNコラム
- 2025.11.30
- 空間デザイン
住まいの照明計画とは?プランの立て方と成功のコツ、事例を解説
「どんな照明を選べば、部屋がもっと素敵に見えるの?」
「おしゃれでセンスのいい照明計画ってどうやって立てればいいの?」
そんな疑問やお悩みをお持ちではありませんか?
照明計画は、住まいの雰囲気や居心地を大きく左右する重要な要素です。
光の選び方や配置の仕方を少し変えるだけで、空間は驚くほど美しく快適に生まれ変わります。
そこで本記事では、照明計画の基礎からおしゃれに仕上げるためのポイント、さらに実際の成功事例をわかりやすく丁寧にご紹介します。
目次
1.照明計画は住みやすさの重要ポイント
照明計画とは、住まいの空間を照らす「光」について、役割・種類・配置・演出方法を総合的にデザインすることを指します。
空間は、単に明るければよいというものではありません。
光の特徴や個性を考慮することで、生活のしやすさや空間の雰囲気が大きく変わるため、居心地の良い住まいや洗練された雰囲気の空間を作るには丁寧な照明計画が不可欠です。
2.照明計画の要素
照明計画を具体的に考える前に、まず照明器具の種類や光の性質についての理解を深めておくことが欠かせません。
照明計画を立てる際に重要となるのが以下の2点です。
| 【照明計画の要素】 ・照明器具の種類 ・光の性質 |
(1)照明器具の種類
住まいの照明は、大きく分けて次の3つの種類に分類できます。
この3つの照明器具をどう組み合わせるかが、照明計画の大きなポイントになります。
| 全体照明 (Ambient Lighting) | 部分照明 (Task Lighting) | 演出照明 (Accent Lighting) | |
| 目的 | 部屋全体を照らす照明 | 特定の行為に必要な明るさを加える照明 | 雰囲気・陰影・立体感を演出する照明 |
| 主な設置場所 | リビング・寝室・廊下・トイレなど | ダイニング・デスク・キッチンなど | 壁面・棚・ソファ周り・天井の凹凸・梁周りなど |
| 照明器具の種類 | シーリングライト・ダウンライト・シャンデリアなど | ペンダントライト・デスクライト・ライティングレール(照明ダクト)・読書灯など | スポットライト・ブラケットライト・テーブルランプ・フロアランプ・ウォールウォッシャーなど |
| メリット | ・家具の配置に左右されない ・部屋全体をまとめて明るくできる | ・必要な場所だけ必要な明るさにできる ・作業効率が上がる | ・高級感が出ておしゃれに ・部屋に立体感や奥行きが生まれる |
| デメリット | ・単体だと平坦な雰囲気に | ・位置が家具配置に影響されやすい | ・配置が難しい |
全体照明をベースに適切な場所に部分照明や演出照明をプラスすることで、明るさだけでなく、生活シーンごとに空間に居心地の良い雰囲気を作り出すことができます。
(2)光の性質
照明計画では照明器具選びだけでなく光の性質の理解も必要です。
光の特徴によって空間の雰囲気や使い勝手は大きく変わります。
ここでは、照明計画で特に押さえておきたい4つの光の性質を説明します。
| 【光の性質】 ・明るさ(照度) ・色温度 ・光の広がり方(配光) ・グレア |
#1:明るさ(照度)
明るさ(照度)は光の強さ・明るさを表す指標であり、ルクス(lx)で表示されます。
照度は生活のしやすさ・快適性や安全性に直結する大切な要素であるため、空間に合わせた照度の確保が欠かせません。
| 【明るさ(照度)の具体例】 ・団らん・読書(リビング):200~500lx ・子供部屋・勉強部屋:100lx ・食卓:300lx ・キッチン:300lx ・階段・廊下:50lx など |
(出典:東芝ライテック:「住まいのあかり計画」)
多目的に使う空間では、必要な場面だけ明るくできる調光機能付き照明を採用すると、暮らしの質が大きく高まります。
#2:色温度
色温度とは光の色味を数値で表したもので、単位はケルビン(K)で表示されます。
数値が低いほど赤みが強くあたたかい光になり、数値が高いほど青みがかったシャープな光になります。
| 種類(K) | 雰囲気・心理効果 | おすすめの部屋 |
| 電球色(2700K前後) | ・柔らかく温かみがある光 ・落ち着いた印象やリラックスできる雰囲気に | ・リビング ・寝室 ・和室 |
| 温白色(3500K前後) | ・落ち着きと明るさのバランスが良い光 ・食事・食べ物が美味しく見える | ・ダイニング ・玄関ホール |
| 昼白色(5000K前後) | ・自然光に近く、色が正確に見える光 ・集中して作業がしやすい | ・キッチン ・子ども部屋 ・作業部屋 ・書斎 |
| 昼光色(6500K前後) | ・青白く、クリアでシャープな光 ・集中力が高まりやすい | ・書斎 ・デスクライト ・細かな作業 |
色温度によって感じる雰囲気や心理的効果、効率が大きく変わるため、目的に合わせて色温度を選ぶと良いでしょう。
多目的で使う空間には、シーンに合わせて光色を変えられる調色機能付き照明をつけるのがおすすめです。
#3:光の広がり方(配光)
光がどの範囲にどのように広がるか(配光)も照明計画を立てる上で重要な要素です。
空間全体を柔らかく照らす広角(60°以上)の光はベースライト向き、一般的な照射範囲となる中角の光(30°〜60°)は部分照明向き、スポットライト的に使える狭角の光(10°〜30°)は演出照明向きです。
#4:グレア
快適で心地よい空間づくりのために、グレア対策は欠かせないポイントです。
グレアとは、光がまぶしすぎることで不快感や視認性の低下を引き起こす現象のことです。
光源が直接目に入ったり、家具などに反射して目に入る場合にグレアが強くなり、目の疲労や頭痛、落ち着かなさを招くため、照明計画を立てる際にはグレア対策を考慮することが重要です。
光の向きや位置を工夫するだけでなく、ノングレア仕様の照明器具やまぶしさを軽減した商品を取り入れることも有効です。
3.照明計画の立て方・考え方
次に、照明計画を立てる際の具体的な流れを解説します。
| 【照明計画の流れ】 ・空間の目的・用途の明確化 ・照明対象の選定 ・照明の演出方法の選定 ・照明器具の配置の決定 |
(1)空間の目的・用途の明確化
照明計画は、まず空間の目的・用途を明確にすることから始まります。
その空間で何を行うのかを具体的に考えることで、その空間に必要な明るさや色温度、配光のイメージをつかみやすくなり、照明の過不足を防ぐことができます。
(2)照明対象の選定
次に、空間内で照明を当てる対象を決めます。
リビングダイニングを例に挙げると、部屋全体を照らす天井照明をベースにしつつ、ダイニングテーブルや観葉植物、読書用の椅子など、個別に光を当てたい対象を選ぶことで、照明の種類や明るさを適切に決めることができます。
(3)照明の演出方法の選定
照明対象が決まったら、次はその対象をどのような照明器具・⼿法によって照らすのかという
演出方法の選定を行います。
たとえば、寝室の場合、全体照明としてシーリングライトをつけ、枕元には読書灯を、足元にはフットライトを、天井や壁には反射光で優しく照らすウォールウォッシャーを付けるなど、具体的に器具や手法を決めます。
直接光を当てるだけでなく、間接光なども組み合わせることで空間に立体感や奥行き、アクセントを加え、洗練された印象・雰囲気を作り出すことができます。
(4)照明器具の配置の決定
最後に、選定した照明器具をどこに配置するかを決めます。
その際に考慮したいのが、次のチェックポイントです。
| 【照明器具配置のチェックポイント】 ・家具や窓で光が遮られないか ・グレアや影のチェック ・目的・用途に応じた照明の強さや色温度になっているか ・全体になじんで調和しているか(スポットや間接照明のメリハリも考慮しているか) ・安全性は十分か(転倒・火災のリスクはないか) ・メンテナンスしやすいか ・アクセントや演出効果を十分に発揮しているか |
上記のチェックポイントを考慮して配置することで、快適で見やすく、かつ美しい照明環境を整えることができます。
4.おしゃれな照明計画を成功させる5つのポイント
デザイン性のあるおしゃれな空間を照明によって演出するなら、次の5つのポイントを抑えるとよいでしょう。
| 【おしゃれに演出する5つのポイント】 ・色温度を統一して空間に一体感を出す ・家具や壁の素材や色と光の相性を考える ・層状の光(レイヤーライト)を意識する ・照明で視線の流れを作る ・光と影のコントラストをデザインに取り入れる |
(1)色温度を統一して空間に一体感を出す
空間の照明の色温度を統一することが、空間全体の一体感を生む基本です。
天井照明や間接照明、タスクライトなど異なる照明器具の光でも、色味を揃えることで、落ち着きと統一感のある空間を作ることができます。
多目的で使う空間には、シーンや行動に合わせて光色を変えられる調色機能付き照明を利用するのがおすすめです。
(2)家具や壁の素材や色と光の相性を考える
洗練された雰囲気の空間の演出には、家具や壁の素材(質感)や色との光の相性へ考慮することも必要です。
たとえば、木製家具の多いリビングには電球色のシーリングライトやペンダントライトで温かみを、寝室のブルーのアクセントクロスには昼光色のスポットライトを用いてクールな印象を演出するなど、素材や色に合わせた光の使い分けが空間をより洗練された印象に導きます。
(3)層状の光(レイヤーライト)を意識する
空間を単一の光源だけで照らすのではなく、複数の種類の光を組み合わせて「層」のように重ねるレイヤーライトで光の立体感や深みを演出するのも効果的です。
たとえば、リビングの場合、以下のような演出がおすすめです。
| 【例:寝室のレイヤーライト】 ・天井(ベースライト):部屋全体を明るくするシーリングライト ・ソファ横(タスクライト):読書やスマホ利用目的のフロアランプ ・壁(アクセントライト):アクセントウォールを照らすウォールウォッシャー ・テレビボード下(間接照明):空間に柔らかい光をプラスするLEDテープ |
(4)照明で視線の流れを作る
照明器具の配置を工夫して、人の視線を自然に誘導することもおしゃれな照明計画のポイントです。
たとえば、廊下や通路の壁沿いに間接照明やラインLEDを設置すると、奥に視線が向かい、狭い空間でも広がりを感じさせることができます。
リビングでは、テレビボードや棚下、天井に間接照明を入れることで、床面や天井が明るくなり、部屋全体の視線の流れがスムーズになります。
照明の配置をアレンジすることで空間に立体感や奥行きを生み出し、空間の快適性を上げることができます。
(5)光と影のコントラストをデザインに取り入れる
部屋全体を隅々まで均一に明るく照らすのではなく、意図的に光の強弱や陰影をつけることで、空間をドラマティックな印象に演出することができます。
たとえば、絵画や写真、観葉植物にスポットライトを当てて周囲より明るく浮かび上がらせたり、天井や家具の背面に間接照明を入れることで柔らかな陰影をつけるなど、光と影の演出によって繊細で洗練された空間を作り出すことができます。
5.おしゃれな照明計画の成功事例3選
最後にFINDで手掛けたおしゃれな照明計画の成功事例を紹介します。
| ・細部までこだわり抜いたリノベーション ・憧れをかたちに—お気に入りのインテリアに囲まれた暮らし ・上質さと機能性を兼ね備えたすまい |
(1)細部までこだわり抜いたリノベーション
間取りを3LDKから1LDKへと大胆に刷新したリノベーションでは、ペンダントライト、スポットライト、間接照明を空間ごとに巧みに使い分けることで、広々とした空間にさらに立体感と奥行きを作り、メリハリのある表情豊かな空間を演出しています。
快適さとスタイリッシュさを兼ね備えた、上質で洗練された住まいが完成しました。
【JACKグループ主催 第10回全国リフォームアイデアコンテスト2024 準グランプリ受賞作品】
(出典:FIND )
(2)憧れをかたちに—お気に入りのインテリアに囲まれた暮らし
「理想のインテリアに囲まれて暮らす」という夢を、精緻な光の設計で実現したケースです。
家具や小物のサイズに合わせて照明配置を緻密に検討し、窓辺にはウッドシャッターを採用することで光の角度まで美しくデザイン。
光の演出がさらに空間に深みと上質さを与え、まさに夢を形にした上質な住まいとなりました。
(出典:FIND )
(3)上質さと機能性を兼ね備えたすまい
圧迫感のないシーリングライトをベースに、グレージュを基調としたホテルライクでゴージャスな室内にマッチする柔らかな光をデザインしたケースです。
ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを、洗面室や廊下にはタイルやディスプレイが美しく映えるスポットライトや間接照明を効果的に配置することで、上質さと機能性を兼ね備えたすまいを実現しています。
(出典:FIND )
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快適で機能的、さらにおしゃれな空間をつくるためには計画的な照明計画が欠かせません。
しかし、実際に自分で照明計画を考えるのは意外と難しいものです。
そんな時はぜひプロにご相談ください。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者
