COLUMNコラム
- 2026.02.13
- リノベーションの知恵
増築リノベーションとは?メリット・デメリットと向いている人を解説
「今の家が手狭になってきた」
「建て替えほど大がかりにはしたくないが、住みやすい家にしたい」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
住まいに対する価値観やニーズは、家族構成や働き方、年齢の変化とともに大きく変わっていくものです。
それに合わせて、「単に広くする」だけでなく、費用や工期を抑えつつ、暮らしの質を高めるための選択肢として増築リノベーションを選ぶ方が増えています。
そこで本記事では、増築リノベーションの基本的な考え方から、メリット・デメリット、注意点、そしてどんな人に向いているかまで詳しく解説します。
目次
1.増築リノベーションとは?
「今の家が少し手狭に感じる」「もう一部屋あったら暮らしやすいのに」と感じたとき、選択肢として検討されるのが増築リノベーションです。
ここではまず、増築リノベーションの基本的な考え方と、どのような工事を指すのかを整理したうえで、増築リノベーションを選ぶ理由について解説します。
(1)増築リノベーションとは
増築リノベーションとは、床面積の増加を伴う「増築」と、住まいの性能や価値を高める「リノベーション」を組み合わせた工事のことを指します。
一般的なリノベーションは、間取り変更や設備交換など、既存の建物の範囲内で完結する工事が中心ですが、増築リノベーションでは、部屋や階を新たに加えるなど建物の延床面積そのものを広げる点が大きな特徴です。
| 【増築リノベーションの具体例】 ・平屋に2階を増築する ・庭の一部を居室にする ・バルコニーやサンルームを増設する ・キャティオ(Catio/猫用の屋外スペース)を設置する ・トイレや浴室を増設する など |
「暮らしやすさ」と「広さ」の両方を同時に改善できるのが増築リノベーションの魅力です。
(2)増築リノベーションを行う理由
増築リノベーションは、現在の住まいへの不満を解消するだけでなく、将来の変化にも柔軟に対応できる住まいづくりを可能にする方法です。
実際に、増築リノベーションは以下のような理由から選ばれることが多くあります。
| 【増築リノベーションを行う理由】 ・家族構成の変化(出産・同居・子どもの成長・独立など) ・ペットとの快適な暮らし(Catioなど) ・趣味の空間づくり ・在宅ワーク・SOHO ・介護・バリアフリー ・建て替え回避 など |
2.増築リノベーションの5つのメリット
次に、増築リノベーションのメリットを建て替えと比較しながらみていきましょう。
| 【増築リノベーションのメリット】 ・建て替えより費用・工期を抑えられる ・敷地を有効活用できる ・目的に合った空間づくりができる ・資産価値向上の可能性 ・思い出のある家を残すことができる |
(1)建て替えより費用・工期を抑えられる
増築リノベーションは、必要な部分だけ床面積を増やし、目的に合った空間を作るため、建て替えのように全てを新しくするよりも費用や工期を大幅に抑えられるのが魅力です。
大規模な解体や基礎工事を伴わない分、工事中の生活への負担も少なく、効率的に暮らしの質を向上させることができます。
(2)敷地を有効活用できる
増築リノベーションは、これまで活用できていなかったスペースを有効に使うことで、限られた土地でより快適で効率的な暮らしを実現できるのもメリットです。
たとえば、庭の一部を居室やリビングの延長として取り込むことで、家族団らんのスペースを増やすだけでなく、屋外とのつながりも活かした快適な空間づくりや生活動線の改善、収納スペースの確保が可能です。
他にも、駐車場の一角に小さな書斎や子ども部屋を増築する例もあり、敷地を余すところなく活用できるのが魅力です。
(3)目的に合った空間づくりができる
増築リノベーションでは、家族のライフスタイルや趣味に合わせてオーダーメイドの空間を作ることができるのも大きなメリットです。
| 【増築リノベーションで作る部屋の例】 ・趣味の部屋(読書・工作・音楽・推し活など) ・子供部屋・学習スペース ・防音室 ・在宅ワーク・SOHO ・Catioなどペット用の部屋 ・トレーニングスペース など |
目的・用途にあわせて必要な広さや設備・機能を自由に設計できるため、使いやすさと利便性を両立した住まいに仕上げられます。
(4)資産価値向上の可能性
増築リノベーションによって延床面積や機能性を高めることで、住宅の資産価値が向上する可能性があります。
たとえば、二世帯化やバリアフリー化、趣味の空間追加など使い勝手や機能性に優れた間取りにすることで、将来的に売却や賃貸の際に有利になることもあります。
(5)思い出のある家を残すことができる
増築リノベーションは、思い出や愛着のある住まいを残しながら、暮らしやすさを高められる点も大きな魅力です。
長年住み続けてきた家には、そこから見える景色や立地などの生活スタイルなど、間取りや内装以上の価値があります。
建て替えや引っ越しでは失われてしまう記憶や雰囲気を大切にしつつ、必要なスペースを増やしたり、現代の暮らしに合わせて生活をアップデートすることが可能です。
3.増築リノベーションの3つのデメリット
増築リノベーションには多くのメリットや魅力がありますが、工事を検討する際には注意すべきデメリットもあります。
満足のいく工事のために事前に理解しておくことが大切です。
| 【3つのデメリット】 ・法規制によりできない場合がある ・工事中に生活ストレスを感じることがある ・想定外の追加費用が必要になる場合がある |
(1)法規制によりできない場合がある
増築リノベーションは、建ぺい率・容積率・斜線制限、用途地域などの法規制によって、希望どおりの工事ができない場合があります。
特に都市部では、敷地の広さや隣家との距離によって増築が制限されることも少なくありません。
さらに、隣家の日照や通風に影響を与えないよう、民法上の配慮義務も考慮する必要があります。
増築によって隣家のリビングが日陰になったり、見通しに影響してトラブルに発展するケースも実際に起きています。
(2)工事中に生活ストレスを感じることがある
日常生活のすぐそばで工事が行われるため、工事期間中に生活ストレスを感じることがあります。
工事中は業者の出入りや作業音、埃や振動などを常に感じることになり、特に小さなお子様や高齢者がいる家庭では大きな負担となる場合があります。
他にも、家具の移動や一時的な利用スペースの制限の発生、作業者へのお茶出しや近隣への挨拶などが必要になることもあります。
(3)想定外の追加費用が必要になる場合がある
古い建物を増築する場合、元の建物の構造によっては耐震補強や基礎の補強など追加の工事が必要になる場合があります。
また、増築部分の地盤の補強など設計時には見えなかった部分で追加工事が必要になるケースもあります。
特に築年数の経った木造住宅や鉄骨造では、想定以上に工事の手間や費用がかかることがあり、それに伴って工事期間も延長する可能性があります。
そのため、事前に施工業者に費用や追加費用の可能性などを必ず確認しましょう。
4.増築リノベーションが向いている人・向いていない人の特徴
増築リノベーションは家の広さや間取りを増やしつつ快適性を高められる選択肢ですが、どんな方にも適しているわけではありません。
次に、具体的にどんな人に適しているか、どんな人には向かないかを解説します。
(1)増築リノベーションが向いている人
必要な部分だけを効率よく広げられる増築リノベーションは、以下のような条件や状況、ライフスタイルの人に特におすすめです。
| 【向いている人】 ・敷地に余裕があり、有効活用したい人 ・家族構成やライフスタイル、ライフステージの変化に合わせて暮らしやすさを改善したい人 ・介護中や育児中など生活を大きく変えずに快適性を向上させたい人 ・建て替えのような大掛かりな工事を避けたい人 ・コストをできるだけ抑えながら居住スペースを拡張したい人 ・将来を見据えた住まいづくりをしたい人 ・資産価値を高めたい人 |
上記に当てはまる方は、増築リノベーションによって無駄なく快適な空間を手に入れやすく、長期的な暮らしの満足度も高めやすいと言えます。
(2)増築リノベーションが向いていない人
一方で、以下のような状況の方には増築リノベーションは向かない場合があります。
| 【向いていない人】 ・建ぺい率・容積率に余裕がない人 ・隣家との距離が近く、都市部などで日照や通風の問題が懸念される人 ・工事中の生活ストレスを避けたい人 ・建物の老朽化や地盤に問題があり、安全性に不安がある人 ・大規模な間取り変更や一新を希望する人 |
特に、築年数の古い建物や地盤に不安がある場合は、増築よりも建て替えで安全な住まいを確保したほうが長期的にみて安心です。
5.増築リノベーションで後悔しないための7つの注意点
増築リノベーションは、費用や工期をおさえて住まいの暮らしやすさを向上させる魅力的な選択肢です。
しかし、計画や施工の段階で注意を怠ったことで完成後に後悔するケースも少なくありません。
ここでは、増築リノベーションで特に気をつけたい7つの注意点を解説していきます。
| 【増築リノベーションの注意点】 ・構造・耐震性への影響 ・既存部分とのバランス・統一感 ・将来的なメンテナンス ・建築基準法などの法令による制限 ・固定資産税・相続への影響 ・近隣への配慮 ・施工会社選び |
(1)構造・耐震性への影響
増築リノベーションを行う際は、既存の建物の構造や耐震性への影響も考えることが重要です。
特に築年数の古い住宅の場合、増築によって建物のバランスを崩れることがあり、耐震補強や基礎補強が必要になる場合もあります。
設計段階で建物診断を行い、専門家と相談して安全な増築計画を立てることが重要です。
(2)既存部分とのバランス・統一感
既存部分との調和を考えずに増築部分だけ新しくすると、デザインや性能の差など生活全体に関わる違和感や不便が起こりやすいです。
| 【増築リノベーションの失敗例】 ・外観デザインのちぐはぐ感 ・室内の段差・天井高の違い ・使いづらい生活動線 ・断熱・気密・設備性能の違いによる住み心地の悪化 |
間取りが特殊になることで生まれる動線の問題や、既存部分と増築部分の性能の違いは、住み始めてから気づくケースが多いです。
そのため、間取りや動線、性能の統一感も意識してプランを立てることが大切です。
(3)将来的なメンテナンス
増築リノベーションをすることで、以下の部分にトラブルが起こるケースもあります。
| 【増築リノベーションによるトラブルが起こりやすい場所】 ・屋根・軒・雨樋の取り合い部分 ・基礎・地盤部分 ・既存との接続部(外装・内装) ・配管・給排水・下水・ガス配管 ・断熱・気密の接合部 など |
増築リノベーションでは、構造・設備・仕上げの取り合い部分が特にトラブルになりやすい箇所です。
工事の段階から将来的なメンテナンスも考慮した設計・施工を行うことが、安心して長く住める住まいづくりのポイントです。
(4)建築基準法などの法令による制限
増築リノベーションは、建ぺい率や容積率、斜線制限などによって希望通りの増築ができない場合があります。
また、建築確認申請が必要になるケースだと、書類作成や手続きに時間と費用がかかることもあります。
そのため、事前に施工会社や設計士と相談し、必要な制限や手続きを事前に確認してスムーズに進めていきましょう。
(5)固定資産税・相続への影響
増築リノベーションによって床面積が増えると、建物に対する固定資産税が上がるケースがあります。
さらに、相続の際に親族間でトラブルになるケースもあるため、金銭面や将来の資産計画も考慮しておくことが不可欠です。
(6)近隣への配慮
増築リフォームは近隣への配慮も必要です。
増築リノベーションによる日照の変化、風通し、境界線、工事の騒音などにより、ご近所トラブルに繋がることもあります。
そのため、工事前には近隣への相談や挨拶を行い、増築の影響を最小限にするよう配慮することが重要です。
(7)施工会社選び
増築リノベーションは施工の難易度が高いため、施工会社の力量によって安全性・快適性・仕上がりの満足度が大きく左右されます。
そのため、次のポイントを確認して施工会社を選ぶようにしましょう。
| 【施工会社選びのチェックポイント】 ・増築リノベーションの実績が豊富 ・設計士や担当者とのコミュニケーションがスムーズ ・提案力が高い ・アフターフォローや保証が充実 |
増築リノベーションのご相談もFINDに
暮らしながら家を広げ、快適さや使い勝手をぐっと高められる増築リノベーションは、今の住まいを活かす賢い選択肢です
とはいえ、増築には法規制や構造面での制約もあり、事前の入念な計画が欠かせません。
「増築リノベーションで自宅をおしゃれで住みやすい快適な空間にしたい」と思ったらFINDにご相談ください。
神奈川県川崎市に本社を置くFINDは、リノベーションやリフォーム、空間デザイン、不動産仲介、FPによる資金相談、ホームインスペクションまで幅広くサポートするトータルリノベーション会社です。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者
