COLUMNコラム
- 2025.06.02
- リノベーションの知恵
新築とリノベーション、費用はどっちが安い?徹底比較で違いを解説

「新築とリノベーション、どちらがお得に建築できるの?」
「新築とリノベーションの違いはなに?向いている人はどんな人?」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
自分らしい住まいや家族が快適に暮らせる住まいを手に入れる方法として、既存の住まいを活かすリノベーション、1から建てる新築のほかに、既存住宅の骨組みを活かすスケルトンリノベーションの3つの選択肢があります。
本記事では、それぞれの違いや向いている人の解説と合わせて、メリット・デメリットを解説していきます。
家作りにはどんな選択肢があり、それぞれどんな特徴があるのかを十分に理解した上で、家族みんなが満足できる家を実現しましょう。
目次
1.リノベーション・新築・スケルトンリノベの費用・工期などの違い

リノベーション・新築・スケルトンリノベにかかる費用・工期には大きな違いは以下です。
費用相場 | 工期 | |
新築 | 高め ■平均相場(土地購入含む) ・注文住宅:5,811万円 ・分譲戸建住宅:4,290万円 ・分譲集合住宅(マンションなど):4,716万円 | 長め(数ヶ月~1年以上) |
リノベーション | 比較的安価(追加費用が必要になることもある) ■平均相場(土地購入含まず) ・戸建て住宅:1500万円〜2500万円 ・マンション:700万円〜1500万円 | 中程度(数ヶ月程度) |
スケルトンリノベ | リノベーションより高く、新築より安い ■平均相場(土地購入含まず) ・戸建て住宅:1,500万円〜2,500万円 ・マンション:700万円〜1,200万円 | 中~長め(数ヶ月程度・リノベーションより長い) |
費用については、立地や建物のサイズやグレード、中古物件の場合はさらに築年数やリノベーションをする場所によって費用は大きく異なり、相場にも幅があります。
新築は、建物を最初から作るため費用が高額になり、工期も長くなる傾向があります。
相場を見ると、土地購入を含みますが、戸建て住宅は(注文住宅・分譲戸建住宅)は約4,000万円~5,000万円、マンションは4,716万円となっており、近年の材料費高騰を受けて今後はさらに費用がかかる可能性があります。
既存の住宅に手を加えるリノベーションは、比較的安価にでき、工期も新築よりも短くなることが多いです。
リノベーションをする場所や規模によって大きく相場は異なりますが、戸建ては1500万円〜2500万円、マンションは700万円〜1500万円となっております。
もし中古戸建て住宅やマンションの購入からの場合は、別途購入費用が発生します。
また、建物の状態によっては基礎や柱・梁の補強などの工事が必要となり、追加費用・工期が必要になり、さらに費用が掛かる可能性もあります。
スケルトンリノベは、リノベーションよりも高額になりますが、建物の主要構造部分をそのまま活かすため新築よりも費用と工期を抑えることが可能です。
スケルトンリノベの相場も、規模や築年数によって変動しますが、戸建て住宅は1,500万円〜2,500万円、マンションは700万円〜1,200万円程度が一般的です。
スケルトンリノベも構造部分に劣化や問題があればさらに追加費用が掛かることもあります。
なお、以下の記事でリノベーションおよびスケルトンリノベについての費用などを詳しく解説しています。
▸フルリノベーションはいくら必要?実例5選やメリット・デメリットを紹介
▸スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットと費用の相場
2.新築のメリット、デメリットとは

新築のメリット・デメリットについて解説します。
新築とは新しく建てられた戸建て・マンションのことです。
新築物件は注文住宅(自由設計)か建売住宅(完成済み)によってもメリット・デメリットは異なってきますが、一般的なメリット・デメリットについて解説します。
(1)新築のメリット
新築には次のメリットがあります。
・新築ならではの清潔感や安心感、快適さがある ・間取りやデザインを自由にカスタマイズできる ・長期保証があり、メンテナンス負担が少ない ・税制上の優遇が手厚く、初期費用を抑えられる |
#1:新築ならではの清潔感や安心感、快適さがある
新築住宅の大きな魅力は、誰も住んでいない清潔な状態で新生活をスタートできる快適さと安心感です。
さらに、最新の建築基準に基づいて設計されているため、耐震性・断熱性・省エネ性・バリアフリー対応など安全性にも優れていることも多いです。
最新の住宅設備が導入されていることも多く、暮らしやすさの面でもメリットが大きいと言えます。
#2:間取りやデザインを自由にカスタマイズできる
新築の中でも特に注文住宅では、間取りや外観、内装、設備にいたるまで自分好みに設計できるのもメリットです。
家族構成やライフスタイルに合わせてオーダーメイドで自由にカスタマイズできるため、長く快適に暮らせる住まいを実現できます。
住宅に強いこだわりがあり、「最初から理想の家をつくりたい」という方にとって、新築の自由設計は大きなメリットとなるでしょう。
#3:長期保証があり、メンテナンス負担が少ない
新築住宅には、法律によって売主に瑕疵担保責任が義務付けられており、「新築住宅の10年保証」と呼ばれる長期保証が付いています。
さらに、新築であるため建築直後は大きな修繕の必要が少なく、しばらくの間はメンテナンス費用を抑えながら安心して暮らすことができます。
このように、住み始めてからのランニングコストを軽減できる点も、新築住宅ならではの大きな経済的メリットといえるでしょう。
#4:税制上の優遇が手厚く、初期費用を抑えられる
他にも、新築には税制上のさまざまな優遇措置が用意されている点も大きなメリットです。
【新築の優遇措置の例】 | 概要 |
住宅ローン控除(住宅ローン減税) | 住宅ローンを利用して新築住宅を取得した場合、年末時点のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除 |
固定資産税の軽減措置 | 建物部分の固定資産税を3年間(長期優良住宅は5年間)1/2に減額 |
印紙税・登録免許税の軽減措置 | 印紙代・登記手続きを行う際にかかる税金を軽減 |
不動産取得税の軽減 | 土地・建物の取得時にかかる税を軽減 |
贈与税の非課税枠(住宅取得資金贈与) | 親や祖父母からの資金援助が最大1,000万円まで非課税(条件あり) |
(出典:国土交通省│住宅)
リノベーションやスケルトンリノベにも税制上の優遇措置が設けられていますが、新築と比べると少なくなっています。
新築であれば購入時や購入後の税負担を軽減できるのも大きなメリットといえるでしょう。
(2)新築のデメリット
新築のデメリットもいくつかあります。
・費用が高くなる傾向がある ・完成までに時間がかかる ・好立地を選びにくく、立地に妥協が必要な場合もある ・建ててみないとわからないことも多い |
#1:費用が高くなる傾向がある
新築住宅は、リノベーションなどと比べて建築費用が高く、特に注文住宅ではこだわりが増えるほどコストが膨らみやすくなります。
特に近年は材料費・人件費の高騰により新築物件の価格がさらに上がっているため、新築を購入する時に予算オーバーしてしまうケースや、予算内に収めるためにプランを見直すケースも少なくありません。
そのため、予算オーバーを防ぐために、プランや仕様の見直しとともに綿密な資金計画と業者とのコミュニケーションが重要となります。
#2:完成までに時間がかかる
新築住宅は設計から完成までに長い期間が必要となることが多いです。
新築住宅では土地探し、設計、各種手続き、建築工事とステップが多く、一般的に半年から1年以上かかることも珍しくなく、その間は仮住まいや家賃の負担が発生する場合もあります。
施工期間中に資材の納品遅延や天候による工期の遅れが起こることもあり、計画通りに進まないリスクも考慮する必要があります。
#3:好立地を選びにくく、立地に妥協が必要な場合もある
新築住宅を建てる場合、土地の確保が必須となりますが、駅近や人気エリアなどの好立地では空き地が少なく、土地の取得自体が難しい傾向にあります。
また、空いている土地があっても狭小地や変形地であるケースも多く、理想の住環境を得るには立地面で妥協が必要になることもあります。
利便性・学区・環境など優先順位を整理して、現実的な土地選びを心がけるようにしましょう。
#4:建ててみないとわからないことも多い
新築住宅は、図面で将来の姿を想像して建設するため、実際に完成して住んでみると、日当たりや風通し、周囲の建物との距離感など、予想外のギャップが生じることがあります。
とくに周囲に新築が多い開発分譲地などでは、将来的にどのような建物が建つのかが見えにくく、長期的な住環境が不確定です。
完成前にすべての生活条件を把握できない点は、新築ならではのリスクといえるでしょう。
3.リノベーションのメリット、デメリットとは

リノベーションのメリット・デメリットについて解説します。
リノベーションとは、中古の物件を改修して価値や機能を向上させることです。
既存の建物を再利用し、家族構成やライフステージに合わせて間取りや設備、内装に手を加え、暮らしやすさ・快適性の向上や耐震性向上など、安全で住みやすい住宅を作る方法です。
リノベーションに向いている家に関してさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
▸リノベーション向き物件とは?リノベできない物件も解説
(1)リノベーションのメリット
リノベーションには様々なメリットがあります。
・コストと工期を抑えやすい ・希少エリアでも物件が手に入りやすい ・自分らしい間取りや内装にできる ・資産価値を高め、環境にもやさしい |
#1:コストと工期を抑えやすい
新築と比べて、リノベーションは建物の構造を活かすため、建築コストや工期を大幅に抑えられるのが大きなメリットです。
また、家全体ではなく気になる部分だけを改修することも可能なため、予算に応じた柔軟な対応ができます。
限られた資金で理想の住まいに近づけたい人にとって、効率的な選択肢となります。
#2:希少エリアでも物件が手に入りやすい
リノベーションは中古物件を活用するため、新築の場合よりも希少エリアでも物件が手に入りやすいことがあります。
都心部や駅近エリアなど人気のエリアは、すでに住宅が密集しているため新たに土地を確保して新築を建てることが難しいケースが多いためです。さらに、価格が非常に高いために新築購入がハードルになります。
そのため、中古物件を活用するリノベーションではすでに建物があることがあり、築年数が古い物件であれば土地価格が高くても建物価格が相対的に抑えられるため、取得しやすくなります。
#3:自分らしい間取りや内装にできる
家族構成やライフステージに応じて、間取りや設備、内装を自由に変更できるのがリノベーションの醍醐味です。
既存の住まいをベースに、耐震性や断熱性といった基本性能の向上もでき、機能性とデザイン性を両立させた、自分らしい空間づくりをすることができます。
#4:資産価値を高め、環境にもやさしい
リノベーションによって中古物件の資産価値を高めることができるため、将来的に売却や賃貸に出す時にも有利になる点もリノベーションならではの大きなメリットといえるでしょう。
そのため、将来的な売却や賃貸に出す際にも有利に働くことがあります。
また、既存建物を活かすことで建築時の廃材を減らし、環境負荷を抑えることにもつながります。
(2)リノベーションのデメリット
メリットの多いリノベーションですが、デメリットもいくつかあります。
・手間・時間・コストがかかる可能性がある ・間取りや設備の変更に制限がある ・ローンの種類や手続が煩雑になるケースがある |
#1:手間・時間・コストがかかる場合がある
リノベーションの場合、物件探しから施工完了まで手間と期間がかかってしまうことがあります。
リノベ向きの中古物件は条件が限られるため、理想に合う物件を見つけるまでに時間がかかることがあり、購入後も設計や施工の打ち合わせをすることがあります。
さらに、解体後に建物内部の老朽化や、耐震性・断熱性の問題など想定外の問題が見つかることもあり、その場合には追加費用の発生・工期の延長となるため、事前に十分なチェックや施工店との確認を行っておきましょう。
#2:間取り変更に制限がある場合がある
中古物件は既存の構造を活かして改修するため、間取り変更には限界があるケースも少なくありません。
特にマンションでは、柱や配管スペースなど共用部分の制約により、大幅なレイアウト変更が難しいことがあり、一戸建てでも、構造上重要な壁や柱を取り除けないことがあります。
そのため、理想の間取りに近づけるには物件探しの段階から専門家に相談しながら進めることが重要です。
#3:ローンの種類や手続が煩雑になるケースがある
リノベーションでは、物件購入費と工事費を別々に借り入れるケースも多く、ローンの手続きが複雑になることがあります。
利用するローンによって条件が異なるため、金融機関との調整に時間がかかることもあります。
また、リノベーションによって建物の評価額が上がると固定資産税が増える可能性もあるため、税制面での影響も事前に確認しておくことが重要です。
4.スケルトンリノベのメリット、デメリットとは

スケルトンリノベのメリット・デメリットを解説します。
スケルトンリノベは、中古の建物(戸建て・マンション)を構造体(柱・梁・床・外壁など)だけの骨組み(スケルトン)状態まで解体して、内装や設備を一から作り直すリノベーションです。
中古物件でもほぼ新築に近い家にすることができるため、リノベーションと新築のハイブリッドといえ。
スケルトンリノベ・リフォームについてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
▸スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットと費用の相場
(1)スケルトンリノベのメリット
スケルトンリノベのメリットをみてみましょう。
・新築より短期間で費用を抑えることができる ・自由度の高い間取りとデザインを叶えられる ・好立地の物件を選びやすく資産価値を高められる |
#1:新築より短期間で費用を抑えることができる
スケルトンリノベは既存住宅の骨組みだけを残して大規模に改修するため、新築より工期が短く費用も抑えやすいのが特徴です。
さらに、新築のように最新の設備・デザイン・性能を持つ住まいに新しく生まれ変わらせることができます。
新築と比べて費用面の負担が軽減されることが多く、予算を抑えつつ理想の住まいを手に入れたい人におすすめです。
#2:自由度の高い間取りとデザインを叶えられる
間取りの自由度が高いことも、スケルトンリノベの大きなメリットです。
内装や設備も自分の好みに合わせて選べるため、デザインや雰囲気を一新し、理想の住まいづくりが可能です。
新築同様に最新の耐震性や断熱性能、防音性などの性能アップも図れるため、快適さと安心感を両立させられます。
#3:好立地の物件を選びやすく資産価値を高められる
スケルトンリノベは、リノベーションと同様に新築物件を立てられないような、人気の立地でも中古物件を活用しやすい点が魅力です。
好条件の場所に住まいを構えやすく、資産価値を高める効果も期待できます。
さらに、既存の建物を活用するため、環境負荷が少なくエコな住まいづくりができるのもメリットです。
(2)スケルトンリノベのデメリット
スケルトンリノベには、リノベーションと同様のデメリットがあります。
・コストと工期がかかる可能性がある ・構造の制約で間取りやデザインに限界がある ・ローン手続きが複雑になることもある |
#1:コストと工期がかかる可能性がある
スケルトンリノベは大規模な改修を伴うため、一般的なリノベーションよりも工期が長く、費用が高くなる傾向があります。
特に既存の構造部分に問題が見つかると追加工事が発生し、予算や工期が予定より延びるリスクもあります。
解体後に建物内部の劣化状況が判明するため、事前に調査と施工店との打ち合わせをすることをおすすめします。
#2:構造の制約で間取りやデザインに限界がある
スケルトンリノベは既存の柱や梁、基礎などの構造部分を活かすため、新築ほど自由な間取りやデザインを実現しにくい場合があります。
特に耐震や安全面を考慮した制約があるため、希望通りの設計に調整が必要になることも少なくありません。
このため、設計段階での専門家との相談が重要になります。
#3:ローン手続きが複雑になることもある
リノベーションと同様にスケルトンリノベでは、工事規模が大きくなるため、住宅ローンの種類や申請手続きが複雑になる場合があります。
場合によってはリフォームローンやリノベーション専用ローンなど複数の金融商品を組み合わせる必要があります。
事前に金融機関としっかり相談し、資金計画を立てることが大切です。
5.新築・リノベーション・スケルトンリノベに向いている人
最後に、新築・リノベーション・スケルトンリノベーションそれぞれに向いている人の特徴をご紹介します。
「コスト面や工期、立地を重視する人」、「環境意識の高い人」には、既存物件を活かすリノベーションやスケルトンリノベがおすすめです。
「最新の設備・機能を備えた自分好みのデザイン・間取りの新しい家がご希望の人」は、新築やスケルトンリノベが向いているといえます。
向いている人 | |
新築 | ・予算・時間にある程度余裕がある人 ・既に土地を保有している人 ・家全体を最新の設備・機能で揃えたい人 ・自由度の高いデザインの家を建てたい人 ・家全体の最新の耐震・断熱・省エネ性能を重視する人 |
リノベーション | ・限られた予算で必要な部分だけ改善したい人 ・できるだけ短期間で完成させたい人 ・好立地に自分好みの住まいを建てたい人(駅近・人気学区・通勤便利など) ・中古物件の魅力を活かしたい人 ・環境意識が高い人 |
スケルトンリノベ | ・新築よりも費用を抑えたい人 ・中古でも可能な限り自分らしい住まいを手に入れたい人 ・好立地に自分好みの住まいを建てたい人(駅近・人気学区・通勤便利など) ・家全体の最新の耐震・断熱・省エネ性能を重視する人 ・環境意識が高い人 |
リノベーションのことならFIND
リノベーション・新築・スケルトンリノベにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
満足のいく家作りを実現するためにはそれぞれの方法の特徴や違いを理解し、ご自身の予算や希望、条件にあわせてベストな方法を選びましょう。
FINDは神奈川県川崎市に本社を構える、リノベーション、リフォーム、不動産売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで行うリノベーション会社です。
FINDではその家に暮らす人が快適に過ごせるように生活スタイルや動線も踏まえて使いやすくて便利なリノベーション・スケルトンリノベを提案しています。
さらに、住まいの安全性についても十分に考慮し、ご家族が安心して暮らせる住まいづくりを徹底してサポートいたします。
経験豊富なプランナーがチームとなって人が満足できる家作りを行っていくため、安心してお任せください。

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者