COLUMNコラム
- 2026.07.12
- リノベーションの知恵
リフォームと建て替えはどっちがいい?費用やメリット・デメリットを比較
「自宅をリフォームするか建て替えるか悩んでいる」
「そもそも、リフォームと建て替えの違いが分からない」
このような疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、リフォームと建て替えの違いと、それぞれのメリット・デメリットまで詳しく解説していきます。
また、それぞれのおすすめなケースもご紹介!
ご自宅や購入予定の戸建て住宅を、リフォームするか建て替えるかで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.リフォームと建て替えの違いを比較
リフォームと建て替えには工事内容から金額、間取りの制約にいたるまで様々な違いがあります。
それぞれの違いは以下のようになっています。
| リフォーム | 建て替え | |
| 工事内容 | 住宅の既存部分で、使用できるものを活かしながらより住みやすい住宅へ修理・工事を行う | 既存の住宅を取り壊し、新たに骨組みから建築していく |
| 改修費用 | 約800万円〜2500万円 | 約1800〜4500万円 |
| その他の費用 | 基本的に無し | ・住宅の解体費 ・木材の破棄費 ・仮住まいが必要な場合は2回分の引っ越し費用がかかる場合もある |
| 間取りの制約 | 柱や基礎の状態によって間取りに制限がある場合も | 基本的に無し |
| メリット | ・建て替えより費用を抑えられることが多い ・必要な箇所のみ工事ができるので予算内に収まりやすい ・法律による制限を受けない ・工事中でも住める場合がある ・既存部分を生かしたリフォームも可能 | ・築年数がリセットされる ・リフォームに比べ自由度が高い設計が可能 ・耐震や断熱工事が可能 ・地盤を補強、改良し地震対策が可能 ・リフォームより比較的簡単に、金利の低い住宅ローンを組める ・水回り設備を最新のもので一新できる |
| デメリット | ・思い通りの間取り変更にならない場合がある ・大掛かりな修繕工事で建て替えより高くなることも | ・リフォームに比べ費用が高額になりやすい ・印紙税、登録免許税、不動産取得税の税金がかかる ・建て替えができない住宅もある ・仮住まいが必要になる |
各住宅の状態によって、どちらがいいのかは異なりますので、下記で詳しくリフォームと建て替えについてを紹介していきます。
2.リフォーム・建て替えの費用相場
リフォームか建て替えかを選ぶ際に、最も大きな判断材料となるのが費用です。
ただし、同じ住宅工事であっても、部分的なリフォームなのか、全面的な改修なのか、あるいは建て替えなのかによって必要となる建築費用は大きく異なります。
そのため、工事費だけを基準に比較してしまうと、実際の総額と差が生じ、正確な判断ができないことも少なくありません。
そこで本章では、工事内容ごとの費用相場を整理しながら、リフォームと建て替えそれぞれの全体的なコスト感を分かりやすく解説します。
| (1)部分リフォームの費用相場 (2)フルリフォーム(全面改修)の費用相場 (3)建て替えの費用相場 |
(1)部分リフォームの費用相場
部分リフォームは、工事する場所や設備によって大きく変動するため、あらかじめ工事ごとの目安を把握しておくことが重要です。
代表的な部分リフォームの費用相場は以下の通りです。
| 水回り | ・キッチン:100〜150万円 ・トイレ:15〜40万円 ・バスルーム:80〜150万円 ・洗面所:20〜80万円 |
| 内装 | ・フローリングの張り替え:100〜150万円(6畳程度) ・壁紙の張り替え:5〜20万円(1部屋あたり) ・天井の張り替え・補修:5〜20万円(1部屋あたり) ・室内ドア交換:3〜10万円(1箇所) ・和室から洋室への変更:20〜100万円 ・電気工事(コンセント増設・照明変更):5〜10万円(1箇所/1回あたり) |
| 間取り変更 | ・小規模:50〜200万円 ・中規模:200〜800万円 ・大規模:800〜1500万円 |
| 外装 | ・外壁塗装:80〜150万円 ・屋根:80〜200万円 |
上記はあくまで一般的な費用相場の目安であり、使用する設備のグレードや建材の種類、施工範囲、建物の状態によって実際の金額は変動します。
以下の記事で部分リフォームの相場について詳しく解説しています。
▸ マンションのリフォーム相場はいくら?リアルな実例と費用内訳で徹底解説
(2)フルリフォーム(全面改修)の費用相場
フルリフォーム(全面改修)やスケルトンリフォームの費用相場は、約15〜30万円/㎡、総額で800万〜2,500万円程度と言われています。
フルリフォームやスケルトンリフォームは、既存の柱や基礎をそのまま活かしながら住まい全体を刷新する工事です。
ゼロから住宅を建てる建て替えと比べると建築費用を抑えられるケースが多いのが特徴です。
一方で、建物の劣化状況によっては構造部分の補強や配管の全面交換などが必要になります。その場合は想定より費用がかかるケースもあるため、どこまで既存住宅を活かせるかが、フルリフォームにするか建て替えにするかの重要な判断ポイントになります。
以下の記事でフルリフォーム(フルリノベーション)相場について詳しく解説しています。
▸ フルリノベーションとは?費用相場やメリット・デメリットを実例で解説
(3)建て替えの費用相場
建て替えの費用相場は、約2,000〜4,500万円程度と言われています。
建て替えでは、建築費用に加えて、既存住宅の解体費用や仮住まい費用のほか、インフラ工事費、外構工事費、登記費用などの諸費用も発生します。
特に地盤については、新しく建てる住宅の重量や構造に対する安全性を確保するために地盤調査が行われ、その結果によっては地盤改良工事が必要となります。
地盤の強度が不足している場合には、表層改良・柱状改良・杭工法などの補強工事が必要となり、50〜200万円以上の費用がかかるケースもあります。
そのため、建て替えの費用を検討する際は、建物本体の建築費に加えて、引越し・仮住まいなどの諸費用や、地盤条件によって変動する費用も含めた総額で判断することが重要です。
仮住まいについてが以下の記事で詳しく解説しています。
▸ リフォーム中の仮住まいの賢い探し方は?適した物件と費用まで詳しく解説
3.リフォームと建て替えを判断する6つのポイント
リフォームと建て替えのどちらにするかは、単純な費用比較だけではなく、複数の要素から検討することが重要です。
また、同じ築年数や同程度の劣化状況であっても、リフォームで十分対応できるケースもあれば、結果的に建て替えの方が長期的なコストを抑えられるケースもあります。
そのため、判断にあたっては現在の住宅状況に加え、ライフプランも踏まえた中長期的な視点も必要になります。
ここでは、リフォームと建て替えのどちらを選ぶべきかを判断するための6つのポイントについて、順番に解説していきます。
| (1)築年数で判断する (2)建物の劣化状況で判断する (3)耐震性能で判断する (4)予算で判断する (5)今後何年住む予定かで判断する (6)固定資産税への影響で比較する |
(1)築年数で判断する
リフォームと建て替えを判断するうえで、まず基本となるのが築年数です。
築10〜20年の住宅は、構造部分に大きな問題が生じているケースが比較的少なく、主に設備の交換や内装のリフォームが中心となる時期です。
一方で、設備機器の寿命はおおよそ15年前後とされているため、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備を中心に、部分的な修繕が必要になり始めるタイミングでもあります。
築20年以上になると、外からは分かりにくい部分で劣化が進行している可能性があり、基礎や柱といった構造部分にも影響が及んでいるケースが見られます。
そのため、見た目だけで判断せず、住宅全体の状態を確認し、リフォームか建て替えを検討することが重要になります。
さらに築40年以上の住宅では、旧耐震基準で建てられている可能性や、経年劣化による構造全体への影響が懸念されます。
この段階になると、部分的な補修では対応しきれず、全面改修や大規模な耐震補強が必要になるケースや、建て替えを選択した方が長期的に見て合理的となるケースも少なくありません。
以下の記事で築年数ごとのリフォームについて詳しく解説しています。
▸ 中古マンションは築年数何年くらいがおすすめ?寿命や耐震性も解説
(2)建物の劣化状況で判断する
築年数が同じ住宅であっても、実際の劣化状況は建物ごとに大きく異なります。
例えば、通気性や水はけが悪い立地条件や、結露が発生しやすい環境の住宅では、カビや腐食、給排水管の劣化が進みやすい傾向があります。
外観がきれいに見えていても、内部の構造部分や配管などが劣化しているケースもあるため、見た目だけで判断することはおすすめできません。
建物の劣化状況を正確に把握するためには、専門家による住宅診断(ホームインスペクション)を活用することが重要です。
診断の結果、設備や内装の改修で対応できる場合はリフォームを、基礎や構造部分の大規模な補修が必要な場合は、建て替えも含めて検討するとよいでしょう。
(3)耐震性能で判断する
耐震性能は、リフォームと建て替えのどちらを選ぶかを判断するうえで、特に重要な基準の1つです。
特に1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた住宅は、旧耐震基準で建てられている可能性があります。
旧耐震基準は「震度5強程度の地震で建物が倒壊しないこと」を基準としているため、現在の基準と比べると耐震性能に不安が残るケースがあります。
一方で、旧耐震基準の住宅であっても、耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を実施することで安全性を向上させることは可能です。
そのため、耐震補強のみで対応できるのか、それとも建て替えによって耐震性能を根本的に改善した方がよいのかを専門家に相談しながら判断することが重要です。
(4)予算で判断する
予算も、リフォームと建て替えのどちらを選ぶかを判断する重要なポイントです。
一般的に、部分リフォームや設備交換であれば比較的費用を抑えられますが、間取り変更や耐震補強を伴う大規模なリフォームになると、費用が大きく膨らむことがあります。
場合によっては、建て替えとの差額がそれほど大きくならないケースもあります。
一方で、建て替えは初期費用が高額になる傾向がありますが、住宅性能を一新できるため、将来的な修繕費やメンテナンス費用を抑えやすいというメリットがあります。
そのため、工事費用だけで判断するのではなく、今後発生する修繕費や維持管理費も含めたライフサイクルコストの視点で比較することが重要です。
(5)今後何年住む予定かで判断する
将来的な住み替え・売却・相続の予定も踏まえながら、リフォームと建て替えのどちらが適しているかを検討する視点も重要です。
例えば、今後も20〜30年以上住み続ける予定の場合、断熱性や耐震性などの住宅性能を根本的に改善できるスケルトンリフォームや建て替えが適しているケースがあります。
一方で、将来的に住み替えや売却を予定している場合は、必要な箇所だけを改修する部分リフォームの方が費用対効果が高いこともあります。
また、相続では、住宅の築年数や資産価値も判断材料になります。
築年数の古い住宅を大規模リフォームするのか、建て替えて住宅性能を向上させるのかによって、将来的な維持管理の負担や住み継ぎやすさも変わってきます。
そのため、現在の住まいの状態だけでなく、今後のライフプランも踏まえながら、リフォームと建て替えのどちらが適しているかを検討するようにしましょう。
(6)固定資産税への影響で比較する
リフォームと建て替えでは、工事後の固定資産税にも違いが生じる可能性があります。
一般的に、既存の建物を活かして改修を行うリフォームは、固定資産税への影響は比較的小さい傾向があります。
一方で、建て替えの場合は建物が新築住宅として再評価されるため、建物の性能や規模によっては固定資産税額が上がる可能性があります。
ただし、リフォームであっても、増築によって床面積が増えた場合や、大規模な改修によって建物の価値が向上したと判断された場合は、固定資産税の評価額が見直されるケースもあります。
工事費用だけでなく、工事後の固定資産税も含めた総コストで比較することで、より自分に合った選択がしやすくなるでしょう。
固定資産税についてさらに詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
▸リノベーションで固定資産税は上がる?変わらない場合と下がる場合も紹介
4.リフォームのメリット・デメリット
リフォームか建て替えでお悩みの方は住宅の状況とそれぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
それぞれのメリット・デメリットを予め知っておくことで、将来のライフプランや返済計画を立てやすくなります。
(1)リフォームのメリット
まるごと設備を交換する建て替えに比べ、リフォームの方が費用は安く抑えられるケースが多く、必要部分だけの工事が可能なことから予算内に収まりやすい傾向にあります。
また、実家の思い出として残しておきたい部分をそのままにしながら、劣化した部分のみの工事も可能。
一部分だけのリフォームであれば、工事中も仮住まいを探す必要なく生活できるのもメリットの1つです。
建て替えの場合は、建築基準法によって『幅員4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ、原則として建て替えができない』と決まっています。
リフォームの場合、建て替えのような法律による制限はありませんので、自由に室内を理想の住まいに近づけることができます。
(2)リフォームのデメリット
リフォームで間取り変更をお考えの場合は、不要な柱などが取り除けるものなのか事前にリノベーション会社に確認しておく必要があります。
実際に「間取り変更を希望していたけど、住宅の構造上壁を撤去できなくて理想の間取りにならなかった」というケースも。
また、修繕が必要な箇所や基礎部分の劣化が激しいと費用も高額になることがあり、住宅の状態によっては建て替えの方が安く済む場合もあります。
5.リフォームがおすすめのケース
建て替えかリフォームで悩んでしまった場合は、以下のケースに当てはまっていないか確認してみるのもおすすめです。
建て替えよりリフォームがおすすめなケースは以下の4つです。
| (1)予算を抑えたいケース (2)間取り変更が限定的なケース (3)建物の構造に大きな問題がないケース (4)思い入れのある家を残したいケース |
順に説明していきます。
(1)予算を抑えたいケース
少ない予算で家の工事をお考えの方は建て替えよりリフォームがおすすめです。
リフォームなら回数を分けて低価格で少しずつリフォームをしたり、必要最低限の箇所だけを絞って費用を抑えたりすることもできます。
その場合、なるべく低価格でリフォームしたい旨を、事前にリノベーション会社と相談してみましょう。
また、リフォーム前に工事したい箇所をピックアップしてから、それぞれ優先順位をつけておくことで価格を抑えながらメリハリのあるリフォームを行うこともできます。
FINDでは、住宅の現状を実際に確認しながら、予算内で最適なプランの提案を行っています。
予算面に不安がある方も 、ぜひ1度FINDにご相談ください。
(2)間取り変更が限定的なケース
大幅な間取り変更を予定しておらず、現在の住まいの使い勝手に大きな不満がない場合は、建て替えよりもリフォームがおすすめです。
例えば、水回り設備の交換や内装の刷新、収納の追加などであれば、建物の構造を大きく変更する必要がないため、費用を抑えることができます。
一方で、建て替えでは住宅を一度解体するため工期が長くなり、仮住まいが必要になってしまいます。
現在の間取りや建物の基本性能に大きな問題がなく、設備の老朽化や内装の劣化を改善したい場合は、リフォームの方がコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。
(3)建物の構造に大きな問題がないケース
基礎や柱、梁(はり) などの主要な構造部分に大きな問題がない場合は、建て替えではなくリフォームがおすすめです。
住宅の老朽化が気になっていても、劣化しているのが設備や内装のみであれば、必要な箇所を改修することで快適な住環境を取り戻せます。
また、建て替えに比べて工事費用や工期を抑えられるため、コストパフォーマンスにも優れています。
特に、耐震性能や建物の強度に問題がなく、間取りにも大きな不満がない場合は、リフォームだけで十分対応可能です 。
ただし、構造部分の状態は専門家でなければ判断が難しいため、リフォームか建て替えか迷った際は、ホームインスペクション(建物診断) を受けることをおすすめします。
(4)思い入れのある家を残したいケース
長年住み続けた自宅や、親から受け継いだ住宅など、思い入れのある家を残したい場合はリフォームがおすすめです。
建て替えを行うと既存の住宅は解体されてしまいますが、リフォームであれば現在の住まいを活かしながら、住みやすさや快適性を向上できます。
また、思い出の詰まった柱や梁(はり)、建具などを残せることもリフォームならではの魅力です。
住まいに対する愛着を大切にしたい方や、家族の思い出を残しながら暮らし続けたい方にとって、リフォームは有力な選択肢といえるでしょう。
6.建て替えのメリット・デメリット
リフォームをお考えの方も、建て替えのメリット・デメリットを知っておくことで、どちらが本当に適しているかを冷静に比較できるようになります。
建て替えのメリット・デメリットをあらかじめ把握し、将来のライフプランや予算に合わせた最適な選択をしましょう。
(1)建て替えのメリット
建て替えの最大のメリットは、既存の建物を一度解体してゼロから家を建てるため、リフォームに比べて設計や間取りの自由度が圧倒的に高い点です。
水回り設備の配置を大幅に変えたり、ライフスタイルに合わせて部屋の数を変更したりと、理想の住まいを形にしやすくなります。
また、最新の建築技術を用いて耐震性能や断熱性能を根本から向上させられるため、災害に強く、一年中快適に過ごせるマイホームを手に入れられます。
特に、地盤調査の結果を踏まえて必要に応じた地盤改良工事を行えるため、目に見えない足元からしっかりと地震対策を施せる点は、長期的な安心へと繋がります 。
そのほか、リフォームローンに比べて融資額が大きく金利も低い「住宅ローン」を比較的スムーズに組みやすい点や、築年数がリセットされるため将来的な資産価値を維持しやすいというメリットもあります。
(2)建て替えのデメリット
建て替えはリフォームに比べて『印紙税、登録免許税、不動産取得税』などの税金がかかり、総額費用も高くなってしまうデメリットがあります。
住宅の取り壊しから仮住まいの確保などの様々な費用負担も発生することから、金銭面での負担が大きいです。
また、住宅の中には『再建築不可物件』というものもあり、解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地が存在します。
建築基準法ができた1950年以前に建てられた住宅などでは、上記の再建築不可物件に当たる場合も多くありますので建て替えをしたい時には事前に確認しておきましょう。
7.建て替えがおすすめのケース
リフォームよりも建て替えを選んだ方が、長期的なコストパフォーマンスや住み心地の面で有利になるケースがあります。 。
建て替えがおすすめなケースは以下の4つです。
| (1)築40年以上で建物全体の老朽化が進んでいるケース (2)耐震性能や断熱性能を根本から向上させたいケース (3)ライフスタイルの変化に合わせて間取りを大幅に変更したいケース (4)今後も長く住み続ける予定があるケース |
順に説明していきます。
(1)築40年以上で建物全体の老朽化が進んでいるケース
築30年〜50年以上の住宅で、基礎や柱、土台といった構造部分の劣化が激しい場合は、リフォームよりも建て替えがおすすめです。
建物の骨組み自体が傷んでいると、リフォームで部分的に修繕を行っても、シロアリ被害や雨漏りなどのトラブルが再発するリスクが高まります。
また、構造の補強工事を繰り返すことで、結果的に建て替えと同等か、それ以上の費用がかかってしまうことも少なくありません。
一度解体して更地に戻し、ゼロから頑強な家を建てることで、将来的な修繕リスクを最小限に抑えられます。
(2)耐震性能や断熱性能を根本から向上させたいケース
耐震性能に大きな不安があるケースでは、建て替えがおすすめです。
建て替えをするということは、当たり前ですが家を1度取り壊すので地盤調査で耐震に優れた住宅を建築することが可能になります。
古い建物では地盤調査が行われていないこともあり「相続した家で暮らしていきたい」「築古の中古住宅を購入してリフォームしたい」と考えている方も取り壊してから地盤調査を行う建て替えの方がおすすめなケースも。
地盤調査は安全な住まい作りにかかせない工程ともいわれ、近年の地震頻度からみてもとても重要です。
現在、建て替え工事では必ず地盤調査が実施されていますので、地盤や耐震に不安がある方はリフォームより建て替えを選択して安心安全な暮らしを手に入れましょう。
(3)ライフスタイルの変化に合わせて間取りを大幅に変更したいケース
「二世帯住宅にしたい」「子供が独立したため、部屋数を減らして広いLDKにしたい」など、現在の住まいから間取りをガラリと変えたい場合は建て替えが最適です。
既存の柱や耐力壁(建物を支える重要な壁)の位置に縛られるリフォームでは、どれほど大規模な工事を行っても、構造上の理由から希望通りの間取りに変更できない制限が生じます。
建て替えであれば構造的な制約から解放されるため、家族のライフスタイルに合わせた自由な空間設計が可能になります。
(4)今後も長く住み続ける予定があるケース
今後20年、30年と今の土地に長く住み続ける予定がある場合は、リフォームよりも建て替えがおすすめです。
リフォームでも一時的に住まいをきれいにすることはできますが、構造や配管などの根本的な老朽化が進んでいる場合、数年ごとに小規模な修繕やメンテナンスを繰り返すことになり、結果として維持費がかさんでしまいます。
一方で、建て替えを行えば住宅の寿命そのものがリセットされるため、将来的な修繕リスクやメンテナンスコストを大幅に抑えることができます。
さらに、耐震・断熱工事や地盤の補強・改良によって長く安心して暮らせる状態にしておけば、相続の観点から見ても、良好なまま家を次の世代へ住み継げるため、残された家族の負担を軽減できます 。
8.築年数別!リフォームと建て替えの目安
住宅の改修計画を立てる際、築年数はリフォームか建て替えかを判断する大きな目安となります 。
築年数ごとの一般的な目安は、以下の通りです 。
| (1)築20年未満:部分リフォーム (2)築20年〜40年:フルリフォーム(全面改修)または建て替え (3)築40年以上:建て替えの検討を推奨 |
それぞれの詳細について解説します。
(1)築20年未満:部分リフォーム
築20年未満の住宅は、基礎や柱といった構造部分の劣化が少ないケースが多いため、建て替えではなく部分リフォームがおすすめです。
一般的に設備の寿命は15〜20年程度と言われており、築20年の住宅では設備や内装に不具合が現れ始めるタイミングでもあります。
例えば、キッチンや浴室などの設備の老朽化などが気になる場合は、必要な箇所に限定して改修することで、費用を抑えながら快適さや住み心地を向上させることができます。
ただし、家族構成の変化により間取りの大きな見直しが必要な場合などには、大規模リフォームを検討した方がよいケースもあります。
まずは建物の状態を確認し、必要な工事範囲を把握することが大切です。
(2)築20~40年:フルリフォーム(全面改修)または建て替え
築20年〜30年が経過すると、ライフスタイルの変化(子供の独立や二世帯同居など)に伴い、住まいのあり方を見直す時期を迎えます。
この段階では、部分的な修繕にとどめるか、あるいは住まい全体を刷新するかの選択を迫られます。
間取りを大きく変えたい、あるいは断熱性や耐震性を向上させて新築同様の快適さを手に入れたい場合は、既存の骨組みを活かす「フルリフォーム(スケルトンリフォーム)」が有力な選択肢となります 。
しかし、もし基礎や土台の腐食が激しい場合や、今後も30年以上長く住み続ける予定がある場合は、リフォームではなく「建て替え」を選んだ方が、長期的なメンテナンスコストを抑えられるため結果的に賢い選択となるケースもあります 。
(3)築40年以上:建て替えの検討を推奨
築40年以上の住宅になると、建物全体の老朽化が広範囲に及んでいる可能性が高いため、建て替えを視野に入れた検討をおすすめします 。
この年代の住宅では、内装や設備の老朽化が進んでいるだけでなく、基礎や柱といった構造部分にまで劣化が及んでいる可能性が高くなります。
見た目には大きな問題がなくても、建物全体としての性能が低下しているケースも少なくありません。
さらに、配管や電気配線の全面引き直し、家全体の断熱材の入れ替えなどを行うと、リフォーム費用は非常に高額になります。
建物の劣化状況によっては、リフォームの総額が建て替え費用とほとんど変わらない、あるいは上回ってしまう「費用の逆転現象」が起きることもあるため、専門家による建物診断(ホームインスペクション)を受けた上で、慎重に判断することが極めて重要です 。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者
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