COLUMNコラム

PLAN STORY 32『ワンルームで二人暮らし』前半

【JACKグループ主催 第10回全国リフォームアイデアコンテスト2024 準グランプリ受賞作品】

ご夫婦二人暮らしのコンパクトな都会暮らしをテーマに、住まいのお手伝いをさせていただきました。
ワンルーム構成の中に小さな居場所を点在させることで、自分たちらしい暮らしを叶えた住まいになりました。

前半ではそんな空間にするための工夫を紹介します!

既存平面図

マンションでよくみられる中廊下型で、
それぞれのお部屋が独立している間取り。
キッチンも壁に囲まれており、閉塞的な印象がありました。

完成平面図

大胆なワンルームの構成で、壁ではなくカーテンや建具を使って、シーンによって空間を区切ることができるように。
趣味の多いご夫婦のそれぞれの居場所を
ワンルームにちりばめました。

Before

After

LDKを一空間にするとき、設備機器の多いキッチンはアンバランスな印象になりがち。

キッチン周りやカップボードの造作は、そんなお悩みの解決になります。

今回はワンルームということもあり、キッチンまわりを建具の素材を合わせることで、空間に統一感を与えています。

また、間取りを変更したことで生まれたキッチン横の配管スペースは、ベンチのように使える空間に仕上げました。

壁のタイルを柱まで延ばすことや、座りやすい寸法にすること、腰壁と同じ素材・厚みにすることで小さな居場所が生まれています。

デッドスペースという一見マイナスな点を、空間の魅力に変える工夫です。

こちらは浴室の配管経路確保のため、床レベルを上げた水廻り。
廊下側まで段差を伸ばし、床の間のようなステージに。
廊下の幅は変えずに、奥行きを感じられる工夫を施しました。

ミュージシャンの奥様がたくさん持っているCDは、動線の真ん中に配置。
何気ない日々の暮らしに音楽があるようにとCD収納もオープンにしました。

既存のデスクは建具仕舞いのそばに配置。

ワンルームという壁のない空間で建具をパーテーションに見立て、壁向きにすることで、
集中できる空間にまとめました。
お手持ちの家具を活かす空間づくりができることも、リノベーションの利点です。

都心でのコンパクトな暮らしが増えている今、
自分らしい暮らし生活スタイルに寄り添ったリノベーションに仕上がりました。

後編では、細部まで張りめぐらされたこだわりポイントをご紹介します。

施工事例はこちらからご覧いただけます。

細部までこだわり抜いたリノベーション

笠原 圭一郎

ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト