COLUMNコラム

マンションのメンテナンスの費用や時期は?不動産の寿命も解説

「マンションのメンテナンス、費用はどのくらいかかるの?」
「そもそも、いつメンテナンスを行えばいいのか分からない」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

本記事では、マンションのメンテナンス費用について詳しく紹介していきます。

また、マンションのメンテナンスをするべき時期や、マンション自体の寿命についても解説します。

マンションのメンテナンスに不安を感じている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


目次

1.マンションの寿命はどのくらい?

マンションの寿命は、良好な条件であれば100年以上持つと言われています。

国土交通省によると、鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は70年となっていますが、きちんとメンテナンスを行っていればコンクリート造のマンションは100年以上住み続けることができます。

マンションのメンテナンスは、物件の寿命を延ばし、資産価値を保つために必要です。

そのため、適切に修繕が行われている管理状態のいいマンションを選ぶことで、長く安心して暮らせたり、売却や投資にも有利になることが期待できます。

2.マンションメンテナンスは共有部分と専有部分で分けられる

マンションには、共有部分と専有部分があり、マンションメンテナンスは共有部分と専有部分で考え方に違いがあります。

マンションの共用部分と専有部分は区分所有法により定められています。

共有部分・マンションの住民全員が利用する部分のこと(マンション廊下や階段、エレベーター、パイプスペース、建物の躯体部分など)
・共有部分の修繕は、管理組合がマンション所有者から集めた修繕積立金を利用して行う
専有部分・個人の居住部分のこと(その住戸の所有者または賃借人が私的に使用する権利がある空間)
・専有部分の修繕は、積立金のようなものがないため、各人で必要な時に修繕の必要性・費用が発生する

共有部分の修繕は、修繕積立金を使用して定期的に修繕を行い、専有部分の修繕は、積立金のようなものはないため、必要に応じてその都度自分で修繕する必要があります。

(1)修繕積立金とは

マンションのメンテナンス費用である修繕積立金とは、その名の通り毎月住民が修繕費として支払い、積み立てる費用です。

修繕積立金は、共有部分のメンテンナスのために、毎月積み立てられ管理組合によって管理されています。

国土交通省『マンション総合調査(平成30年度)』によると、修繕積立金の平均額は1戸当たり12,268円となっています。

マンションの修繕積立金は、築年数が古くなればなるほど高くなる傾向にあります。

築古のマンション購入をお考えの場合は、修繕積立金はいくらなのか、今後上がる予定はあるのかを確認しておくようにしましょう。

(2)個人で修繕を行う箇所、専有部分とは

マンションのメンテナンスをする際、個人で修繕する場所は専有部分となる室内です。

専有部分は、以下のものを指します。

・室内にある間仕切り壁
・フローリングや畳
・玄関扉の錠
・内装部分
・室内にあるドア
・キッチン、洗面台、トイレなどの水回り
・レンジフード
・浴室
・クローゼットなど

また、インターホンやバルコニー、玄関ドア、窓ガラス、給水配管などは共用部分にあたりますが、マンションの管理規約によっては自分でメンテナンスを行う場合もあります。

マンションのメンテナンスとして、リフォームやリノベーションなどを考えている際には、どこまで工事を行っていいのか、使用していい木材など縛りはあるのかを事前に管理組合に確認しておくようにしましょう。

3.共有部分のマンションメンテナンスの時期と大規模修繕の費用

共有部分のマンションメンテナンスの時期と費用は、以下の通りです。

マンションのメンテナンスの時期・大規模修繕は12~15年周期で行われることが多い
マンションメンテナンスの費用国土交通省『マンション総合調査(平成30年度)』によると、修繕積立金の平均額は1戸当たり12,268円/月
・国土交通省の『令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査』のデータを見てみると、​​大規模修繕費用の目安は
1回目の工事が4,000~6,000万円ほど
2回目は6,000~8,000万円
3回目は6,000~8,000万円と1億~1億5,000万円の割合が高くなっている

マンションの共用部分や外壁は、マンションの管理組合が管理・修繕するため、毎月の修繕積立金から修繕費用が捻出されます。

マンションを購入する際には、管理組合が長期修繕計画に合わせて、適切な時期に修理を行っているかチェックしておくことで、寿命の長いマンションか判断材料にすることができます。

4.専有部分のマンションメンテナンスの費用

専有部分のマンションメンテナンスの平均費用は、築年数ごとに違いがあります。

住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果』を参考に、表にしてまとめました。

10年以上~15年未満584.4万円
15年以上~20年未満377.0万円
20年以上~25年未満268.9万円
25年以上~30年未満371.1万円
30年以上368.2万円

上記の調査では、10年以上15年未満の築年数でのマンションリフォーム費用が1番高く、20年以上25年未満が1番安い結果になっていました。

また、実際にマンションのリフォームをした人の全体平均費用は、278.6万円です。

リフォームをするマンションの広さや、設備のグレードによって費用は大きく変動します。

マンションメンテナンスをする際には、どの部分を工事するのか、1番お金をかけたい場所はどこなのかを明確に決めておくのがおすすめです。

5.マンションメンテナンスのポイント

マンションのメンテナンスでは、以下のポイントに注意しておきましょう。

・水回りや排気設備、電気設備などは10~20年で取り替えを検討
・将来のために点検の結果や修繕の記録は保存
・「大規模修繕」と「法定点検」が定期的に行われているか確認

順に説明していきます。

(1)水回りや排気設備、電気設備などは10~20年で取り替えを検討

マンションを長持ちさせるためには、水回りや排気設備、電気設備などは10~20年で取り替えを検討しておくことがポイントです。

壊れてから取り替えるのでは、吟味する時間が足りず予想外の出費になってしまうケースもあります。

長く使うものだからこそ、いざという時に焦らなくてもいいように、定期的に点検しておくようにしましょう。

(2)将来のために点検の結果や修繕の記録は保存

マンションのメンテナンスを行った際には、将来のために点検の結果や修繕の記録は保存しておくのがおすすめです。

今は売却することを考えていなくても、この先売却することになった場合、リフォームの履歴などを伝えることで売却価格を上げられる可能性もあります。

マンション自体の大規模修繕などは、管理組合のデータで残っている場合が多くありますが、個人で行った点検や修繕の記録は自分で保管しておくようにしましょう。

(3)『法定点検』が定期的に行われているか確認

マンションには、法律で実施が義務づけられている『法定点検』があります。

法定点検は、それぞれ実施する時期が3年に1回や、1年に1回など定められていて、以下のような点検を行っています。

建築基準法で定められている点検・マンションの敷地・建築および構造の調査
・換気、非常照明、給排水などの設備検査
・昇降機(エレベーター)定期検査
消防法で定められている点検・消防設備の点検
水道法で定められている点検・水質検査
・水槽の清掃

水回りなどをメンテナンスしたいと考えた際には、前回の法定点検はいつだったのか、また問題はなかったのかなどを確認しておくようにしましょう。

また、すぐに次の法定点検がある場合は、まずはその結果をみてメンテナンスの方針を決めるのもおすすめです。

6.築35年以上のマンションのリノベーション事例3選

築35年以上の築年数が経過しているマンションでも、リノベーションをすることでより資産価値を高めたり、長く暮らしやすい住まいにすることが可能です。

ここでは、実際にFINDが手がけた築35年以上のマンションリノベーション事例3選を紹介します。

(1)築36年:風が通り抜ける開放的な住まい

築36年の中古住宅を、1LDKから1LDK+WIC+SICに間取り変更した実例です。

今回のリノベーションでは、家族の気配を感じられるような開放的な空間造りを目標に工事を行いました。

そのため、キッチンやダイニング、寝室とそれぞれのスペースを確保しつつも空間が柔らかくつながるようなデザインを設計しています。

まるで大きなワンルームのような住まいが実現しました。

費用970万円
築年数36年
面積95㎡
区分/間取りSRC造/1LDK

(2)築45年:海外住宅をイメージした、シンプルモダンなマンションリノベ

築36年の中古住宅を、海外住宅をイメージした、シンプルモダンなマンションにリノベーションした実例です。

今回のリノベーションでは、既存の間取りは活かしつつ依頼主様好みの『海外の住宅のようなシンプルモダンスタイル』を目指して工事を行いました。

ポイントは、メーカー商品を採用しつつグレージュの内装に合わせたセミオーダースタイルのキッチンです。

また、床にはオーク材のへリンボーン貼りを採用し、テレビ背面にあたる主寝室との間仕切りには、黒いフレームを入れることでスタイリッシュさを演出しています。

費用1100万円
築年数45年
面積57㎡
区分/間取り2LDK

(3)築50年:Like a Museum

築53年のヴィンテージマンションを、『美術館のようなモノトーンでスッキリとした空間』にリノベーションした実例です。

今回のリノベーションでは、広々としたLDと寝室が隣接するプランで工事を行いました。

また、会社の窓口としても利用しているダイニングには、こだわりのインテリアを配置することで、美術館のようなスッキリとした印象になっています。

物をより吟味して、丁寧に選ぶことでフラットで透明感のある空間が実現しました。

費用850万円
築年数53年
面積85㎡
区分/間取り1LDK+WIC

マンションのメンテナンスならFINDにお任せください

FINDは神奈川県川崎市に本社を構える、リノベーション、リフォーム、不動産売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで行うリノベーション会社です。

上記で紹介した以外の実例も公式サイトに多数掲載していますので、気になった方はこちらから覗いてみてくださいね。

また、FINDのリノベーションでは、プランナー、設計士、不動産のプロ、FPがチームになって理想の住まい造りのお手伝いを行わせていただきます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者