COLUMNコラム
- 2026.03.01
- デザイン
インダストリアルな部屋とは?実例や作り方のポイントを解説
「武骨でクールなインダストリアル風に家をデザインしたい」
「インダストリアル風ってよく聞くけど、どんなデザイン?」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
インダストリアルは工場・倉庫に由来するデザインで、素材や構造そのものをデザインに組み込み、飾らないクールさを演出するスタイルです。
近年では、中古戸建や中古マンションを購入し、インダストリアル風にリノベーションを行うケースも増えています。
そこで本記事では、インダストリアルについて、そのデザイン様式の特徴や魅力、さらにインダストリアル風にリノベーションするポイントや実例まで詳しく解説します。
なお、インダストリアルと同様に人気の高い「ミッドセンチュリーデザイン」については、特徴や実例を別記事で詳しく解説しています。
▸ミッドセンチュリーとは?特徴やデザイン事例、取り入れ方を解説
目次
1.インダストリアルデザインとは
金属やコンクリートなど素材そのものの質感を活かしたインダストリアルな空間は、シンプルでありながらも強い存在感を放つスタイルとして、住宅や店舗デザインにおいて高い人気を誇っています。
まずはその概要と人気の理由をみていきましょう。
(1) インダストリアル・インダストリアルデザインとは
「インダストリアル(Industrial)」は英語で「工業の、産業の」という意味を持つ言葉です。
工場や倉庫のような無骨さや機能美をあえて楽しむデザインスタイルで、そのルーツは19世紀の産業革命以降に広がった工業建築や生産施設の空間にあります。
柱や梁、配管、コンクリート壁などの構造体がそのまま露出した古い工場や倉庫のように、装飾や塗装で隠すことなくあえて見せることでラフでクールな感じを演出します。
インダストリアルデザインの代表例として、アメリカ・ニューヨークの倉庫や工場を住居へと改装したロフトスタイルが有名です。
広々とした間取りと無機質な素材感など未完成で少し荒さの残る表情を味として楽しめるのがインダストリアルの大きな特長です。
(2)インダストリアルな部屋・デザインが人気の理由
インダストリアルデザインが誕生から長い年月を経た今もなお人気を集めている理由は、次の通りです。
| 【インダストリアルが人気の理由】 ・クールでスタイリッシュ ・家具や照明で個性を出しやすい ・経年変化を楽しめる ・現代的な間取りや設備とも合わせやすい |
甘さを抑えたラフでクールなデザインは流行に左右されにくく、性別や年齢を問わず取り入れやすく、長く暮らしても飽きにくいのが魅力です。
また、シンプルな空間だからこそ家具や照明で個性を出しやすく、自分らしい空間づくりが楽しめます。
さらに、日焼け、傷や色ムラといった経年変化も味として楽しめるため、”暮らしとともに空間が育っていく過程”を楽しめるのも人気の理由の1つです。
むき出しのコンクリートや配管など素材の未完成な表情を活かすインダストリアルは、装飾よりも機能や素材感を重視する暮らしに自然と馴染むデザインです。
(3)インダストリアルな家とは
インダストリアルな家とは、家具や小物だけで雰囲気をつくるのではなく、構造や仕上げなど空間そのものにインダストリアルの考え方を落とし込んだ住まいのことを指します。
| 【インダストリアルな家の例】 ・コンクリートを打ちっぱなしの壁 ・モルタル仕上げの床 ・あえて露出させた配管やダクト ・アイアンフレームの建具や階段 |
インダストリアルはカフェやアパレルショップなど、おしゃれな店舗デザインで多く採用されていますが、住宅との相性も非常に良いスタイルです。
特に、中古住宅や中古マンションのリノベーションでは、既存のコンクリート躯体や構造を活かしながらデザインに転換できるため、コストを抑えつつ高いデザイン性を実現しやすいというメリットがあります。
さらに、現代的な間取りや最新設備と組み合わせることで、素材が生み出す無骨さと現代の技術がもたらす快適性を両立した住まいづくりが可能です。
2.インダストリアルの特徴
インダストリアルは、不要な装飾や過剰なデザインを削ぎ落とした、シンプルで無骨、そしてクールな印象を持つデザインスタイルです。
見た目の華やかさや柔らかさよりも、素材や構造そのものが持つ力強さや機能美を重視する点が大きな特徴です。
| 【インダストリアルの特徴】 ・クールで無骨な素材感が主役 ・控えめでモノトーンな色使い ・異なる素材との組み合わせの妙 |
(1)クールで無骨な素材感や構造が主役
インダストリアルは、素材が持つリアルな表情や未完成さを楽しむデザイン様式です。
装飾で華やかに整えるのではなく、素材そのものがつくり出す空気感や存在感を大切にします。
| 【インダストリアルで用いられる素材】 ・むき出しのコンクリート(壁・天井) ・むき出しの配管・配線 ・鉄・スチール ・古材レンガ(ブリック) |
上記のような素材が持つ無機質さや重厚感、そして経年によるサビや色ムラといったラフな質感が、インダストリアルならではのクールで力強い空間を生み出します。
(2)控えめでモノトーンな色使い
インダストリアルは、ポップな色やビビッドな色を使わず、グレーや黒など全体的に落ち着いたダークなトーンや錆び感、使い込んだ風合いを活かす色味で構成するのが基本です。
空間を整える落ち着いたモノトーンの色使いが無骨な素材感や質感をより際立たせ、統一感や上質感を生み出し、洗練された雰囲気をつくり出します。
また、全体に色の主張があまりないため、家具や照明、アートなどの存在感が自然に引き立ち、自分らしさや個性をさりげなく演出することができるのも特徴です。
(3)異なる素材との組み合わせの妙
インダストリアルは、異素材の組み合わせによって奥行きや立体感のある空間をつくりだすデザインスタイルです。
工場の倉庫のような無骨な構造体をベースにしつつ、クールな金属素材や味わいのあるレンガなど異なる素材を組み合わせることで、硬さと温もり、冷たさと柔らかさが共存する居心地のよい雰囲気に仕上げます。
このような異素材の対照的なコントラストにより、単調になりがちなモノトーン空間にも表情が生まれ、深みや奥行きのある雰囲気を実現できます。
3.インダストリアルな部屋を作る5つのポイント
インダストリアルデザインは、構造や素材の個性などを隠さずそのまま取り入れることで粗さ自体をデザインとして楽しむスタイルです。
リノベーションやインテリアの工夫で取り入れる場合は、次のポイントを意識すると統一感のあるおしゃれな空間に仕上げやすくなります。
| ・無機質な素材とモノトーンの色味をベースにする ・レザー・木材や観葉植物など温かみのあるインテリアをプラスする ・空間の余白をあえて作る ・生活感のあるアイテムは隠す ・本格的に取り入れるなら、リノベーションという方法も |
(1)無機質な素材とモノトーンの色味をベースにする
素材選びと配色は、インダストリアルな部屋の印象を作る大事な要素です。
| ・壁・床・天井:むき出しのコンクリートやモルタルなど無機質素材を使用 ・配色:グレー・ブラック・ダークブラウンなどモノトーンが基本 ・家具・インテリア:業務用の機能性に由来するアイテムやヴィンテージ感のあるアイテムを主役に |
室内のベースはシンプルに保ち、無駄な装飾を避けることが大前提です。
素材感のある古材やアイアンをアクセントとして加えると空間に奥行きや立体感が生まれます。
また、プラスチックや合板などのチープな素材は避け、ポップな色も控えることも重要です。
日用品などでどうしても異なる色味が入る場合は、古材やアイアン製のボックスなどインダストリアル風の収納を活用して視界から隠すことで、統一感のある洗練された空間に仕上がります。
(2)レザーや観葉植物など温かみのあるインテリアをプラスする
無機質な素材やクールな色味だけでは冷たい印象になってしまうため、温度感を与える温かみのあるインテリアをプラスすることが、視覚的にも体感的にも心地よい空間をつくるポイントになります。
| 【インダストリアルと相性の良い素材】 ・レザーのソファー ・大きな鉢植えや小物のグリーンなどの観葉植物 ・自然素材(コットンやリネン)のラグ、クッション、ブランケット ・陶器・セラミックの小物や雑貨 ・ラタンやウッドのバスケット・収納小物 |
温かみのある素材を分散させて配置するとバランスがよくなります。
また、高さや大きさを変えることで奥行きが出て立体感のある空間に仕上げられます。
(3)空間の余白をあえて作る
インダストリアルな部屋は、「何を置くか」以上に「何を置かないか」が重要です。
物や壁を詰め込みすぎず、インダストリアルクロスやむき出しの壁をアクセントに活かすことで視線が抜ける開放的な空間をつくれます。
このように、余白を残すことで素材感や光・風の動きが際立ち、心地よく過ごせる居住空間になります。
(4)生活感のあるアイテムは隠す
インダストリアルな空間では、無骨でクールな雰囲気を保つために、生活感のあるアイテムはできるだけ見えないように収納することも重要です。
| 【インダストリアルで隠すべきアイテム】 ・文房具や小物:ウッドトレーやウッドボックスに ・収納キッチン用品:引き出しやキャビネットに ・収納掃除道具:キャビネットや収納ボックスにまとめて収納 |
ゴミ箱はアイアン製などインダストリアル感のある素材を選ぶと、空間になじませながら自然に配置が可能です。
(5)本格的に取り入れるなら、リノベーションという方法も
インテリアだけでも雰囲気は演出できますが、天井の高さや間取り、壁・床の素材感まで理想に近づけるならリノベーションによる空間設計が最も効果的です。
躯体現し(くたいあらわし)やモルタル仕上げ、造作のアイアン棚など空間の構造そのものからデザインすることで、家具や小物だけでは出せない本格的なインダストリアル空間を実現できます。
インテリアや家具を変えるより費用はかかりますが、その分、完成度の高い個性的な住まいを手に入れることが可能です。
4.インダストリアルを取り入れたFINDのリノベーション事例
最後にFINDで手掛けたおしゃれなインダストリー風リノベーションの成功事例を紹介します。
| ・“スッキリ”と“メリハリ”を両立させた住まい ・ラフでモダンな空間 ・キッチンに暮らす、好きなことを楽しむ住まい |
(1)“スッキリ”と“メリハリ”を両立させた住まい
築38年の中古マンション(2LDK/約54㎡)を全面リノベーションした事例です。
「すっきりした空間にインダストリアルの要素を取り入れたい」という要望に応え、素材の質感や素材感のコントラストにこだわったデザインに仕上げました。
空間の明るさを引き立てるLDKの白い壁を基調にし、床材やむき出しにした躯体梁、モールテックス仕上げのキッチンカウンターをアクセントとして効果的に配置。
また、間仕切り壁を減らしてリビング・ダイニングとキッチンを緩やかにつなげることで、視線が抜ける開放感と心地よい一体感を演出しています。
全体としてすっきりとした視界の中にモルタル調や床材、異素材のアクセントを効かせた、メリハリのあるインダストリアルな住まいが完成しました。
(出典:FIND )
(2)ラフでモダンな空間
築19年・約74㎡の中古マンションを、ラフで無骨な質感をベースにしつつ、モダンな心地よさも感じられる空間へとリノベーションした事例です。
LDKは広々とした対面キッチンを中心に据え、オーク材のフローリングとペイント仕上げの天井が空間に温かみと落ち着きをもたらしています。
モルタルやタイル、ガラス、金属といった異素材のパーツや照明などのアイテムで部屋全体の雰囲気をインダストリアル風に演出。
ラフな素材感とモダンな設えをバランスよく組み合わせることで、どこか無骨でありながらもモダンなインダストリアルテイストの住まいが完成しました。
(出典:FIND )
(3)心地よい風が通り抜けるLDK
2LDK+ロフトの中古マンション(築21年・約57㎡)を、風が通り抜けるインダストリアルな1LDK+ロフトへと大胆に設計変更した事例です。
むき出しのモルタルの壁や梁、配管に加え、ダイニングの撤去できないパイプスペースに特殊なサビ加工を施してあえて見せる柱をことで、機能的な構造体や素材をそのまま意匠として生かしています。
また、家具やインテリアに経年変化を楽しめる素材を採用することで、インダストリアルが本来持つ「味わいとしての経年変化」や「素材のリアルな佇まい」を自然に感じられる仕上がりとなっています。
風通しの良い開放的な間取りとインダストリアルらしいラフさを活かした素材感により、居心地の良さと個性的なデザイン性を両立させた唯一無二の空間となりました。
(出典:FIND )
インダストリアル調のリノベーションもFINDにおまかせを
無骨さと素材感を生かしながら機能美を追求するインダストリアルは、リノベーションとの相性も良く、高い人気を誇るデザインスタイルです。
神奈川県川崎市に本社を置く【FIND】は、リノベーションやリフォームはもちろん、不動産の売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで幅広く対応しています。
居心地の良さとデザイン性を両立させるため、経験豊富なスタッフが一人ひとりのライフスタイルや要望に寄り添って快適な空間プランをご提案いたします。
インダストリアルテイストのリノベーション事例も豊富に取り揃えており、素材感や構造美を活かした個性的な住まいづくりをサポートします。
お客様の理想の住まい・空間を実現するため、リノベーションやリフォームのご相談もぜひお待ちしております。
ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者
