COLUMNコラム

ミッドセンチュリーとは?特徴やデザイン事例、取り入れ方を解説

「おしゃれなミッドセンチュリー風に家をデザインしたい」
「ミッドセンチュリー風ってそもそもどんなデザイン?」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

シンプルながらモダンなミッドセンチュリーデザインは、今なお日本をはじめ世界中で愛されているデザイン様式の一つです。

近年では中古マンションや戸建てを購入して自分らしく住まいを整えるリノベーションの広がりとともに、ミッドセンチュリー風を取り入れるケースも増えています。

そこで本記事では、ミッドセンチュリーについて、その歴史やデザイン様式の特徴、さらにミッドセンチュリー風にリノベーションするポイントまで詳しく解説します。


目次

1.ミッドセンチュリーとは

直線と曲線の美しいバランス、温もりのある木素材と当時最先端だった新素材の融合・・・ミッドセンチュリーが作り出した絶妙なデザインは、70年以上経った今も古さを感じさせず、高い人気を誇っています。

まずはその誕生の歴史と背景をみていきましょう。

(1) ミッドセンチュリー・ミッドセンチュリーモダンとは

「ミッドセンチュリー(Midcentury)」とは、直訳すると「世紀(century)の真ん中(middle)」を意味し、1940年~60年代、特に第二次世界大戦後の戦後復興期にアメリカを中心に広がったデザインムーブメント、またはその時代区分を指す言葉です。

この時期、戦後の住宅需要の増加や工業技術の発展を背景に、「より多くの人に、質の高いデザインを届ける」という理念が広がり、機能性と美しさを兼ね備えた家具や建築が次々と生み出されていきました。

その中でも、とりわけ家具やインテリアの分野で確立されたスタイルを「ミッドセンチュリーモダン」と呼びます。

ミッドセンチュリーミッドセンチュリーモダン
定義・1940〜60年代という時代区分
・この時代に生まれた文化・デザイン全般を指す場合もある
・この時代に生まれたデザイン様式
・特に家具やインテリアを指すことが多い

ミッドセンチュリーデザインは、「シンプルだけど温かい」「機能的だけど遊び心がある」のがポイント

大量生産を前提としながらも、美しさを損なわず、シンプルで機能的、そして曲線美を取り入れた革新的なデザインから大きな人気を集めました。

ちなみに、ミッドセンチュリーとミッドセンチュリーモダンはほぼ同義に使われることも多く、現在では「ミッドセンチュリーモダン」のスタイルを「ミッドセンチュリー」と略して呼ぶことが一般的です。

そのため、本記事でも以下「ミッドセンチュリー」として解説していきます。

(2)ミッドセンチュリーを代表するデザイナー

ミッドセンチュリーに誕生した家具やインテリアは今もなお根強い人気を誇っています。

その背景には、「暮らしをより豊かにする道具」として家具やインテリアを設計したデザイナーたちの存在があります。

【ミッドセンチュリーを代表するデザイナー】
・チャールズ&レイ・イームズ
・ジョージ・ネルソン 
・エーロ・サーリネン 
・(北欧ミッドセンチュリーを代表する)ハンス・J・ウェグナー など

中でも、Herman Miller社から発表されたチャールズ&レイ・イームズによるイームズ シェルチェアやラウンジチェア&オットマン、ジョージ・ネルソンのネルソンベンチなどはミッドセンチュリーを象徴する存在です。

ミッドセンチュリーのヴィンテージ家具が今なお市場で高く評価されているのも、その品質の高さの証といえるでしょう。

(3)ミッドセンチュリーが今も人気の理由

誕生から半世紀以上が経った今もなおミッドセンチュリーの人気が高いのは、一過性のレトロブームではなく、時代を超えて評価され続ける確かな魅力があるからです。

【人気の理由】
・デザイン・機能が完成されている
・長く使い続けられる
・現代インテリアとの相性が良い

ミッドセンチュリーは、無駄を削ぎ落としたシンプルな構成でありながら、細部まで計算された美しさと機能性、合理性を高いレベルで備えたデザインが魅力です。

また、ヴィンテージ感がありながらも古さを感じさせないため、現代の間取りや最新設備と組み合わせても違和感がありません

ミッドセンチュリーを取り入れるだけで住まい全体を洗練された印象へと引き上げてくれるため、リノベーションにおいても高い人気を誇っています。

2.ミッドセンチュリーデザインの特徴

完成度の高さにより、時代を経ても色褪せることのないミッドセンチュリー。

その魅力は、単なる見た目の美しさだけではなく、背景にある技術革新や思想に支えられています

ここでは、ミッドセンチュリーデザインの核となる3つの特徴を見ていきましょう。

【ミッドセンチュリーの特徴】
・新素材の活用とシンプルで曲線的フォルム
・使う人を意識した有機的デザイン
・ポップで自由なカラーリング

(1)新素材の活用とシンプルで曲線的フォルム

ミッドセンチュリーの大きな特徴として、新素材と加工技術を積極的に取り入れた革新的なデザインが挙げられます。

ミッドセンチュリー以前は、素材や加工技術の制約から家具やインテリアは直線的なデザインと重厚で装飾的な意匠をつけたものが多く、フォルムそのものよりも彫刻や装飾によって美しさを補う傾向がありました。

しかし、第二次世界大戦後の技術革新をきっかけに、新素材の開発と加工技術が進んだことで、これまで実現が難しかった自由度の高い造形が可能になりました。

【ミッドセンチュリーに誕生した新素材】
・プライウッド(成型合板)
・FRP(繊維強化プラスチック)
・スチール
・アルミニウム
・樹脂 など

これにより、曲線を用いた流麗なデザイン・フォルムの実現が可能となり、これまでのように装飾に頼らず、フォルムそのものの美しさで魅せる完成度の高いデザインが次々に誕生しました。

特に、直線と曲線をバランスよく組み合わせたシンプルな造形は、視覚的にも軽やかで圧迫感が少なく、さまざまな住まいに取り入れやすいという特徴があります。

また、当時から素材や構造にこだわって作られているため、耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば世代を超えて使い続けることができるのも大きな特徴です。

(2)使う人を意識した有機的デザイン

ミッドセンチュリーは、見た目の美しさだけでなく、使いやすさやフィット感など使う人を中心にデザインする思想が組み込まれている点も大きな特徴です。

たとえば、背中をやさしく包み込む滑らかな背もたれや、身体のラインに沿って設計された座面、疲れにくいアームの高さや角度など、ミッドセンチュリーの家具は美しさと実用性を両立した有機的デザインとなっています。

さらに、これらのデザインは単に身体にフィット・調和するだけでなく、空間に柔らかさや温かみを与え、居心地の良い雰囲気を演出する役割も果たします。

暮らしに寄り添う有機的デザインならではの心地よさが、ミッドセンチュリーが時代や世代を超えて愛され続ける大きな理由と言えるでしょう。

(3)ポップで自由なカラーリング

ミッドセンチュリーは、鮮やかで自由な色使いを盛り込んだデザインも大きな特徴です。

当時流行していたポップアートやミニマルアートのムーブメントの影響を受け、ターコイズブルー、マスタードイエロー、オレンジなど遊び心のある色彩表現が取り入れられています。

ポップなカラーは部屋を明るく彩るだけでなく、木素材の温かみと組み合わせることで空間に個性を生み出し、ミッドセンチュリーならではの軽やかで楽しい雰囲気を演出。

お部屋にいる時間がより心地よくリラックスできるものとなり、暮らしそのものを豊かにしてくれます。

3.北欧デザイン・インダストリアルとの共通点と違い

ミッドセンチュリーと同様に人気が高いデザイン様式に、北欧デザインとインダストリアルデザインがあります。

それぞれのデザインとの共通点と独自の特徴を整理してみましょう。

共通点 違い
北欧デザイン・シンプル
・機能性重視
・温かみ
・シックな色使い
・自然素材の多用
インダストリアルデザイン・シンプル
・無駄を省き、機能性重視
・ヴィンテージ感や工業的な雰囲気を演出
・直線的なフォルム
・クールで無骨な素材

(1)北欧デザインとは

北欧デザインは、ミッドセンチュリーと同様にシンプルで丸みのあるやわらかなテイストを持つデザイン様式です。

しかし、ミッドセンチュリーとは異なり、木材やウール、リネンなど自然素材を組み込んだぬくもりや温かみのあるナチュラルテイストの傾向がより強いのが特徴です。

また、ホワイトやグレー、ベージュ、ブラックなどシンプルで落ち着いた色合いが多い点がミッドセンチュリーとの大きな違いといえます。

同系統のミッドセンチュリーとの相性が良いため、組み合わせることでさらに空間に柔らかさや温かみをプラスしながら統一感のあるコーディネートを実現できます。

(2)インダストリアルデザインとは

インダストリアルデザインとは、インダストリアル(工業)の名の通り、金属・コンクリート・配管を取り入れた工業的で無骨なデザインが特徴のデザイン様式です。

ミッドセンチュリーと同じくシンプルさをベースとしていますが、素材感が際立つため直線的でクールな印象が強く、ミッドセンチュリーとは対照的な要素を持つデザインといえます。

といっても相性が悪いわけではなく、センス良く組み合わせることで空間にメリハリを出し、より個性的で印象的なインテリアを演出することも可能です。

インダストリアルデザインについて更に詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
インダストリアルな部屋とは?実例や作り方のポイントを解説

4.ミッドセンチュリー風にリノベーションする3つのポイント

リノベーションでミッドセンチュリーを住まいに取り入れるには、このデザインの特徴を理解しつつ、空間全体で統一感を持たせることが大切です。

ここでは、具体的に押さえておきたいポイントをご紹介します。

【ミッドセンチュリー風にリノベするポイント】
・モダンで曲線の多いデザインにする
・ポップなカラーをアクセントとして使う
・他のテイストと組み合わせる

(1)モダンで曲線の多いデザインにする

ミッドセンチュリー風の空間づくりでまず意識したいのは、椅子やテーブル、照明といった主要な家具・インテリアに曲線的でモダンなデザインを取り入れることです。

たとえば以下のような部屋全体に軽やかさとリズムを与える家具・インテリアがおすすめです。

【ミッドセンチュリー風に演出する家具やインテリア】
・背もたれや座面、アームが丸みを帯びたチェア
・脚のラインが流れるようなテーブル
・丸みのある収納家具やキャビネット
・球体や楕円形のフォルムを取り入れた照明
・曲線的な間仕切りやカウンター

空間全体のトーンを揃えつつ、曲線的でモダンなデザインを取り入れることで空間に柔らかさが生まれ、洗練されつつも温かみのあるミッドセンチュリーならではの雰囲気を簡単に演出できます。

家具・インテリア選びに加えて、照明計画にも目を向けることが大切です。

球体や楕円形などの有機的なフォルムのペンダントライトやフロアランプを選ぶことで、ミッドセンチュリーらしい柔らかな陰影が生まれ、空間全体の完成度が一段と高まります。

照明計画について更に詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
住まいの照明計画とは?プランの立て方と成功のコツ、事例を解説

(2)ポップなカラーをアクセントとして使う

ミッドセンチュリー風のリノベーションでは、どんな色を使うかも重要なポイントです。

【ミッドセンチュリー風に演出するカラー】
・ベースカラー:シンプルなアイボリー寄りのホワイトやベージュ、グレージュ
・アクセントカラー:オレンジ、オリーブグリーン、ターコイズ、マスタードなど
・木製の家具・インテリア:中間〜濃いブラウンのウォールナット系

フォルムだけでなく、色の組み合わせによって空間の印象は大きく変わります。

まずは壁や床などのベースを明るくニュートラルな色味でまとめ、空間全体に統一感を持たせたうえで、ウォールナット系の家具やポップなカラーを取り入れることでリズムと個性をプラスします。

この時、ポップな色を多用しすぎるのではなく、1〜2色に絞ってポイント使いすることが洗練されたミッドセンチュリー空間に仕上げるコツです。

「ベースはシンプルに、アクセントは大胆に」このメリハリが、ミッドセンチュリーらしい軽やかで楽しい雰囲気を生み出します。

(3)他のテイストと組み合わせる

ミッドセンチュリーのテイストだけでも十分に洗練された空間をつくることができますが、さらに個性や奥行きを持たせたい場合は、他のデザインテイストと組み合わせるのも効果的です。

ミッドセンチュリーと相性が良いのが、似た系統の北欧デザインや対照的な対比するインダストリアルデザインです。

【組み合わせ例】
・ミッドセンチュリーの曲線的なチェア × 北欧風のリネン素材のラグやカーテン
・ウォールナットのダイニングテーブル × 北欧風のファブリックチェア
・ミッドセンチュリーのソファ × インダストリアル風のコンクリート調の壁
・ポップなアクセントチェア × ブラックフレームの照明

異なる要素をバランスよくミックスすることで、より自分らしいリノベーション空間に仕上げることができます。

5.ミッドセンチュリーを取り入れたFINDのリノベーション事例

最後にFINDで手掛けたおしゃれなミッドセンチュリー風リノベーションの成功事例を紹介します。

・自分たちらしく暮らす。ミッドセンチュリーテイストのやさしい住まい
・暮らしにゆとりを持った贅沢な空間
・キッチンに暮らす、好きなことを楽しむ住まい

(1)自分たちらしく暮らす。ミッドセンチュリーテイストのやさしい住まい

築41年の中古マンション(2LDK 約57㎡)を、住まい手のライフスタイルに合わせてミッドセンチュリー風の1LDKへとリノベーションした事例です。

もともと広さを感じつつも家具の配置に余白が欲しかったというご要望に応え、落ち着いた濃い色味のフローリングと柔らかな素材感で温かみのある空間に統一しました。

アーチ型の開口や木の素材を取り入れたデザインは、ミッドセンチュリーらしい曲線美とナチュラルな風合いを演出しつつ、全体のバランスをやさしく整えています。

さらに、天井をすっきり魅せるライティングレールや北欧ブランドの家具をセレクトするなど細部にまでこだわりを散りばめています。

居心地の良さとデザイン性を両立した、ミッドセンチュリーの豊かな表情を持つ住まいが完成しました。

(出典:FIND  )

(2)暮らしにゆとりを持った贅沢な空間

築17年・3LDKの中古マンション(約80㎡)を、家族4人の暮らしに合わせて ミッドセンチュリー風の上質でゆとりある空間へリノベーションした事例です。

全体的にグレージュの内装をベースに、落ち着いたウォールナット調の床や、柔らかな質感の建材で温かみを持たせつつ、曲線を取り入れた家具や造作でミッドセンチュリーらしい優雅な表情を演出しています。

空間にはグリーンとイエローのアクセントカラーや落ち着いた佇まいに仕上げるダウンライトを効果的に配置。

家族の暮らしに豊かさを添えるミッドセンチュリーの住まいが完成しました。

(出典:FIND  )

(3)キッチンに暮らす、好きなことを楽しむ住まい

築37年・1LDKのマンション(約56㎡)を、料理好きな住まい手のライフスタイルに寄り添いながら、ミッドセンチュリーをベースにインダストリアルを取り入れた空間へリノベーションした事例です。

LDKの中心には広いアイランドキッチンを造作し、キッチン背面の開口にはグリーンやビタミンカラーをアクセントに取り入れ、ミッドセンチュリーらしい遊び心ある色味を添えています。

異なるテイストをセンス良く融合させ、個性とオリジナリティあふれる、魅力的で居心地の良い空間に仕上げました。

(出典:FIND  )

ミッドセンチュリー調のリノベーションもFINDにおまかせを

大量生産を前提としながらも造形美を追求したミッドセンチュリーは、リノベーションとの相性も良く、人気の高いデザイン様式です。

神奈川県川崎市に本社を置く【FIND】は、リノベーションやリフォームはもちろん、不動産の売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで幅広く対応しています。

居心地がよく、快適でおしゃれな住まいを実現するために、経験豊富なスタッフが一人ひとりのライフスタイルやご希望に寄り添い、最適なプランをご提案いたします。

人気の高いミッドセンチュリー風のリノベーションについての事例も豊富です。

お客様の理想の住まいづくりを全力でサポートいたしますので、リノベーションやリフォームのご相談もぜひお待ちしております。

海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者