COLUMNコラム

リノベーションに必要な期間は?住宅タイプ別の解説と注意点

「もっとオシャレな部屋にしたい」「ライフスタイルが変わって暮らしにくい……」「家族が増えたから窮屈に感じる」など、人それぞれ住まいに関する悩みを抱えています。そうした状況を変えたいときは、思い切って住宅リノベーションを検討してはいかがでしょうか。

リノベーションはリフォーム・建て替えに比べて工事期間が短く、比較的費用も抑えられるのが魅力です。そこで今回は、一般的なリノベーションにかかる期間をマンション・一戸建て住宅別でご紹介します。部分リノベーションにおける工期の目安、注意点なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。


目次

【住宅タイプ別】リノベーションにかかる期間の目安

ここでは、リノベーションにかかる期間を住宅タイプ別でご紹介します。マンションと一戸建て住宅、各タイプにおける設計・工事期間の目安は次の通りです。

マンションのリノベーションに必要な期間

マンションリフォーム・マンションリノベーションの場合、設計・工事ともに2カ月程度の期間を要します。あくまでも目安ですが、計4カ月程度でリノベーションできる計算です。

依頼者へのヒアリングから始まるのは、マンション・一戸建てどちらも同じです。店頭窓口などで「どのような空間にしたいのか?」をヒアリングした後、プランナー・設計担当者らが現地調査に向かいます。

次に、調査結果をもとに現況図を作成し、設計プランおよび見積もりを提出します。複数回にわたって打ち合わせを行い、間取りや予算、内装などの仕様を確定させます。

その後、リフォーム会社・リノベーション会社との間でリノベーション工事の請負契約を結びます。着工~完工まで2カ月程度かかるため、その間は仮住まいで暮らすことになります。リノベーション中の仮住まいには、週単位で入居できる「ウイークリーマンション」などが重宝するでしょう。

着工後、床やクロスを剝がす解体工事からスタートします。木工事・電気配線工事・各種設備の交換作業を済ませ、一通り下準備が終わった後、内装工事を開始します。問題なければ2カ月程度で完工しますが、追加工事が発生した場合、工期が伸びるかもしれません。最後に仕上げ、クリーニングを終えてリノベーション完了です。

戸建てのリノベーションに必要な期間

一戸建ての場合、設計作業に2カ月程度、工事作業に3~4カ月の期間がかかります。計5~6カ月はリノベーションに必要と考えましょう。

マンションリノベーションとの違いは、設計作業で構造確認が発生することです。リノベーションは建築基準法において「大規模の修繕・大規模の模様替え」とされており、同法律に定義された“第1号建物”から“第3号建物”は、着工前に建築確認申請が必要とされます。

一方、「木造2階以下かつ500㎡以下の建築物」である“第4号建物”は、特例により建築確認申請が不要です。したがって構造確認を行い、建築確認申請が必要な否か判断するのが一般的です。
※増築などは確認申請が必要なケースもありますので、専門家に確認しましょう。

工事作業では、外壁や屋根などの外装工事、サッシ交換を行います。マンションリノベーションに比べて工数が増えるため、必然的に工期も長くなります。

部分リノベーションにかかる期間の目安

住まい全体を工事するフルリノベーションに対し、特定の箇所に限定して行う工事を「部分リノベーション」といいます。ここでは、部分リノベーションにかかる期間の目安について、キッチンやトイレなどの箇所別で解説します。

キッチンのリノベーション

キッチンの部分リノベーションは2パターンあります。

1.同じ場所で設備のみ交換する
2.キッチンそのものを違う場所に移動させる

システムキッチンなどの設備交換は1~3日、キッチン自体の場所移動を含むリノベーションは4~6日が目安です。基本的な流れとしては、解体工事により既設キッチンを撤去します。その後、各種配管工事や電気工事を行い、新しいキッチンを設置します。

キッチンの場所移動については、比較的規模の大きい内装工事をともなうのが一般的です。単に設備を交換するだけでなく、床材や壁・天井のクロスなどの補修、間仕切りの撤去・設置などを行います。そのため、設備交換に比べて工期は長くなります。

トイレのリノベーション

トイレの部分リノベーションは、大きく分けて3パターンあります。

1.既設の洋式便器を撤去し、新しい洋式便器に交換する
2.既設の和式便器を撤去し、新しい洋式便器に交換する
3.便器交換から内装工事まで、トイレ全体をリノベーションする

洋式便器の交換は1日程度で、追加工事が発生しない限り、当日中に完工するケースが大半です。一方、和式便器から洋式便器に交換する場合は、コンクリートタイルの段差を撤去したり、給排水管の移設工事をともなったりします。現況に左右されるものの、完工までの目安は1~3日となります。

これはトイレ全体をリノベーションする場合も同様です。床材やクロスの張り替え、便器の交換なども含めて1~3日で完工します。ただし、トイレの場所を変更したり、大規模な配管移設工事をともなったりする場合は、この限りではありません。

お風呂のリノベーション

キッチンやトイレ同様、お風呂のリノベーションも3パターンに分かれます。

1.既設のユニットバスを新しいユニットバスに交換する
2.在来工法をユニットバスに変更する
3.洗面台などの水周りを含め、浴室周辺をリノベーションする

ユニットバスを新しく交換する場合、2~3日が工期の目安です。主な作業内容は、既設のユニットバスの撤去と交換、各種配管工事となります。なお、お風呂場全体のリノベーションは内装工事を含めても、1~3日で完工します。

在来工法からユニットバスに変更する場合は、上記に木工事などが追加されます。工数が増える分、工期も3~4日に伸びると覚えておきましょう。

居室のリノベーション

居室とは、玄関やトイレ、お風呂などを除く部屋の総称です。リノベーションパターンは次の4つとなります。

1.床材を張り替える
2.天井の高さを変更する
3.間仕切り壁を設置して部屋を増やす
4.間仕切り壁を撤去して部屋をまとめる

床材の張り替えは、既設の床材の種類や範囲により工期が変動します。大まかな工期の目安は2~7日で、畳の張り替えやフローリングの「重ね張り」、床暖房の設置など、リノベーション内容により工期が変わります。

天井の高さを変更し、部屋の圧迫感を軽減するリノベーションを「天井リノベーション」 といいます。大がかりな内装工事をともなうため、天井リノベーションの工期は4~10日の日数がかかります。

間仕切り壁を増設・撤去し、部屋を増やしたりまとめたりするリノベーションもあります。一般的に壁の増設工事は4~7日、撤去工事は5~10日が工期の目安です。

リノベーションをする際の注意点

住宅リノベーションにはさまざまな下準備が必要なほか、注意すべきポイントもいくつかあります。ここでは、リノベーション全般の注意点について解説します。

事前の計画は綿密に立てる

専門業者にリノベーションを相談すると、ヒアリング内容や現状図から設計プランを提案してもらえます。同時にリノベーション費用の目安も提示されますが、見積金額を鵜呑みにするのは避けましょう。施工中に追加工事などが発生すると、当初の見積金額よりも割高になるおそれがあります。そうした事態を回避するにも、打ち合わせ時点でご自身やご家族の要望を漏れなく伝えるよう意識しましょう。

リノベーション内容によっては、工期の長期化が考えられます。とりわけ正月やお盆は業者側も休みに入るため、すべての工程が中断されます。「長期休暇のせいで借り暮らしが長引いた……」とならないよう、綿密にリノベーション計画を立てるのがおすすめです。

予定外の工事が必要になることがある

基礎や土台、配管設備などの状態は、事前に目視できない箇所は解体工事を行わなければわかりません。その場合、追加工事で不具合箇所を修繕するのが一般的です。追加工事には別途費用がかかるため、結果的にリノベーション費用も割高となるでしょう。

マンションは管理組合から承認をもらう必要がある

マンションリノベーションの場合、施工には当該物件の管理組合の承認が必要です。着工の2週間~1カ月前までに申請するのが一般的で、申請内容は管理組合側の理事会において承認されます。なお、承認までに時間がかかるケースがあるため、余裕をもって申請することが大切です。

「リノベーション工事の期間を把握して、余裕あるスケジュールを組もう」

住宅リノベーションは、工事内容によって完成までの期間に幅が生じます。目安ではあるものの、マンションは4カ月程度、一戸建て住宅は5~6カ月の期間を要するため、余裕のあるリノベーション計画を立てましょう。

なお、FINDでは物件探しや関連手続きの代行申請、設計・施工まで一括サポートする「ワンストップリノベーションサービス」を提供しております。本サービスについて詳しく知りたい方は、ぜひ一度当社にお問い合わせください。

笠原 圭一郎

ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト