COLUMNコラム

【現場日記】キッチン移設工事中!

マンションリフォームで要望が多く、良く頭を悩ませるのが『キッチンの移設』です。
マンションですとマンションの構造や共用配管の位置等によって、移設できる範囲は限られてきます。

特に、二重床構造ではない床がコンクリート直貼りのマンションでは、配管の問題でキッチンの移設が出来ないケースも多々あります。
今回は二重床ではなく、床がコンクリート直貼のお宅でのキッチン移設の事例をご紹介します。

まずは、図面から。

良く見る対面式のキッチンですね。
こちらを、リビングに向かった開放的なアイランドキッチンにされたいという、ご要望を頂きました。

今回、ポイントになってくるのが赤丸部分の『PS(パイプスペース)』と呼ばれるスペースです。

パイプスペースには、1階から最上階まで続いた排水管が配置されています。
こちらの排水管は共用部分となり、1階から最上階までの排水を繋ぐ大切な配管となる為、移設することが出来ません。

また、キッチンの排水はこちらのパイプスペースに繋がり、更に排水をする為には、パイプスペースに向かって排水管が緩やかに傾斜をしていないと排水が流れにくくなり、傾斜が十分でないと詰まりの原因にもなります。

その為、排水の勾配を確保しながらパイプスペースを起点として無理のない範囲での移設の計画が重要になってきます。

ここにキッチンが設置されます。
骨組みが出来て、いよいよ形になってきました。

床も上げてすっかりアイランドキッチンの雰囲気が出てきましたね。
全体で見てみると、キッチンの段差も気になりません。

それよりも、解放感を保ちながら、床の段差を利用して上手く空間を仕切ることが出来ています。

このように工夫や施工方法次第で、キッチンの移設が難しいと思われるマンションの構造でも、キッチンの移設が可能になりますので、是非どのような施工が可能かどうかご相談ください。

岡崎 由佳

ビルディング部 施工管理チーム マネージャー / 一級建築士