COLUMNコラム
- 2025.05.20
- 空間デザイン
【View of FIND vol.6】工事過程をクローズアップ~O邸前編

「View of FIND」とは?
リノベーションについて、FINDデザイナーの意見、考えをつづるコラムです。
普段どのような視点で設計を行っているか、ご紹介します。
目次
はじめに
今回は工事前と工事後だけでなく、
工事の過程も見比べながらリノベーションのプロセスをたどります。
工事中の写真とあわせて、新築とは違う、リノベーションならではのポイントを
前編、後編の2回にわたって解説。
前編ではリビングダイニング空間をご紹介します。
Before

After

水まわりと居室の間取りはそのまま、和室の間仕切り壁を取り払い
リビングダイニングを拡張しました。
工事前後の様子

和室の袖壁を撤去し、リビングダイニングに取り込みました。

和室を取り込んだことでキッチンからの景色も大きく変わりました。
ここからは設計士ならではのこだわったポイントをご紹介していきます。
1.間接照明
マンションには、建物の構造体の一部である「躯体梁」が
室内の天井部に見えていることがあります。
この梁はマンションを支える部材のため、
リノベーションで撤去することはできません。

和室をリビングダイニングに取り込むために、
まずは天井を解体します。
リビングダイニングと和室の間の梁と、和室の壁際の梁は、躯体梁のため撤去できません。
今回は和室にあった梁を活かして間接照明を仕込み、
奥行き感をプラスしました。
2.腰壁

間接照明を設けた梁の奥行に合わせて、腰壁を造作しました。
上下のラインを揃え、笠木には見付の薄い素材を選定し、すっきりとした空間を演出します。
腰壁を設けることで、壁面にコンセントの設置が可能に。
飾り棚スペースも確保され、お部屋の使い勝手が良くなりました。
3.2連のアーチ開口

アーチ開口ができるまでの流れを見ていきます。
写真は解体前、押入れと床の間の解体後、アーチ開口のための下地の組立て、そして2連アーチの完成後の様子です。

アーチの高さや幅は事前に実測を行った後、図面上で検討を重ねました。
躯体梁を避けながら、一方はWICとして、他方は絵を飾る空間として、
使い勝手と美しさを両立させたプロポーションを探ります。

今回は工事中の写真を見比べながらリノベーションの過程をご紹介しました。
リノベーションは新築と異なり、今あるお気に入りの空間を残した設計も可能です。
次回はキッチンと水まわりを詳しく解説します。
施工事例はこちらからご覧いただけます。
FINDの設計士が手掛ける自邸
物件探しやリノベーションでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者