COLUMNコラム

リフォームの建築確認申請をわかりやすく解説!変更点と実例も紹介

「リフォームを考えているけれど、どの工事で建築確認申請が必要になるのか知りたい」
「必要な場合の手続きや費用、工期がどうなるのか把握しておきたい」

こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

2025年の法改正により、従来は申請不要だった工事でも建築確認申請が必要になるケースが増えました。

そのため、リフォームを計画する際には、どんな工事が対象になるのか、手続きや費用、工期への影響はどうなるのかを整理しておくことが重要です。

本記事では、建築確認申請の基本と2025年の改正の内容の解説と合わせて、リフォームへの影響や具体例を紹介していきます。


目次

1.建築確認申請とは?リフォームとの関係性

建築確認申請とは、建築物が関係法令に適合しているかを、工事着工前に行政機関や指定確認検査機関が確認する手続きです。

リフォームにおいても、増築や構造に関わる改修、用途変更などを行う場合には、建築確認申請が必要となることがあります。

特に、2025年の関係法令改正により、構造や規模に関わるリフォームを中心に、これまで申請不要とされていたリフォーム工事でも建築確認申請が求められるケースが増加しています。

そのため、リフォームであっても、建築確認申請が必要かどうかを事前に確認することが重要です。

次に、具体的に変更の内容とリフォームへの影響を見てみましょう。

2.2025年4月1日から建築確認申請の内容が変更

建築基準法および建築物省エネ法(省エネ基準関連)の改正により、2025年4月1日以降、建築確認申請の対象範囲をはじめ、以下の点が変更されました。

(1)建築確認申請の変更点

まず、今回の改正により、どの部分が変更になったのかを確認しておきましょう。

2025年4月1日以降それ以前
建築確認申請の対象範囲4号特例縮小により建築確認申請が必要となるケースが増加4号特例により申請不要なケースが多かった
省エネ基準の適合性原則すべての建築物で省エネ基準への適合が義務化
リフォームの場合は「一定規模以上の増改築部分」や「用途変更」などが対象
任意
提出図書4号特例の縮小により、構造・省エネに関する図書の提出が求められるケースが増加。

特に、新2号建築物では、以下の図書の提出が原則必要となる。
・構造関係図書(構造計算書、構造伏図、構造詳細図、構造仕様書、地盤調査報告書 等)
・省エネ関係図書(省エネ計算書、仕様基準チェックシート、断熱仕様書、設備仕様書 等)
⇒意匠図と構造・省エネの整合性が厳密に確認される
4号特例により、構造関係図書や省エネ計算関係書類の提出が免除されるケースが多かった
手数料構造・省エネ審査の追加等により、実質的に増加するケースが多い
確認済証構造・省エネを含め関係法令への適合性を確認したことを示す証明4号特例の場合、意匠中心の形式確認となるケースが多かった

(2)改正により特例の適用外となる建物が増加

今回の改正による施主側への最も大きな影響は、特例の適用外となる建物が増え、従来の4号特例による簡易な手続きで済む建物が大幅に減少したことです。

【4号特例】
主に小規模な建築物(多くは木造戸建住宅)について、建築確認申請時の構造審査など一部の審査を省略できる特例のこと(建築基準法第6条第1項第4号に基づく特例)。

今回、この4号特例の対象範囲が見直され、建築物は新2号建築物と新3号建築物に整理されました。

その結果、従来の4号特例による簡易な手続きが適用される建物(木造平屋・200㎡以下などの新3号建築物)を除き、原則として通常の確認審査が必要となりました。

2025年4月1日以降それ以前(4号特例)
【新2号建築物】
・木造2階建て
・平屋でも延べ面積200㎡超
(ほとんどの一般的な戸建て住宅
⇒4号特例は適用されず、構造審査・図書提出等を含む通常の建築確認手続きが必要に。
・木造で2階建て以下延べ面積500㎡以下
・高さ13m以下・軒高9m以下
・特殊建築物でないもの
【新3号建築物】
・平屋で延べ面積200㎡以下の木造建物
特殊建築物ではない
⇒一部の審査省略が認められる。

特例の適用外となる建物が増えた結果、リフォームを行う施主側にも費用や手続き面での負担が増加するケースが多くなっています。

3.4号特例の縮小はリフォームにも影響大

今回の改正で、リフォームでも構造や増築・用途変更を伴う工事では建築確認申請が必要となるケースが増えています。

これは、施工前に建物が関係法令に沿ってチェックされることを意味しており、法令上の安全性の確認につながるだけでなく、工事が適切に進められることを確認できるため、安心して任せられるというメリットもあります。

しかし、その一方で以下のような施主側で確認や調整が必要になる場合もあります

【大きな変更点】
・リフォームでも建築確認申請が必要となるケースが増加
・申請手続きに伴う費用負担が増加
・工期が長くなる

(1)リフォームでも建築確認申請が必要となるケースが増加

2025年の法改正により、リフォーム工事でも建築確認申請が必要となるケースが増えています。

特に、壁の撤去や耐力壁の移動、階段や屋根の形を変える工事など建物の構造に関わる工事や、部屋の増築、用途変更など建物の安全性や強度に影響するリフォームでは申請が求められることになります。

これは、近年、リフォームの件数が増える中、小規模な工事でも建物の安全性が十分に確認されないまま行われ、トラブルになるケースが増えたことが背景にあります。

そのため、行政は事故や不適合を未然に防ぐことを目的として、施工前に建物の法令適合を確認する手続きを義務化しました。

今回の改正により、施主にとっては手続き等が増えて少し面倒と感じるかもしれません。

しかし、リフォームでも建物の安全性がしっかり確認されるようになったことで、安心して工事を任せられる点から前向きに評価できる改正といってよいでしょう。

(2)申請手続きに伴う費用負担が増加

今回の法改正により、施主の費用負担が以前より高くなるケースがあります。

建築確認申請を行う際には、設計士や専門家に図面や書類を作成してもらう費用が必要となるほか、行政への手数料も発生します。

構造計算書や省エネ関連の書類、仕様書などの作成が求められる場合は、専門家の作業が増えるため費用も高くなる傾向にあります。

そのため、これまでは建築確認申請が不要でほとんど費用がかからなかった小規模な工事でも、新たに書類作成や申請手数料など追加費用が発生することがあります。

工事を依頼する前に、どの工事で申請が必要か、費用はどのくらいかかるかを施工業者や設計士にしっかり確認しておくことが重要です。

(3)工期が長くなる

建築確認申請が必要になる工事が増えたことで、リフォームの工期が長くなることがあります。

申請に必要な図面や書類の準備や行政や検査機関による提出書類の審査が含まれるため、工事開始までに一定の時間が必要です。

特に、構造を変える工事や増築など安全性に直結する作業では慎重な審査が行われることから、通常よりも工期が延びるケースがあります。

そのため、リフォームを計画する際には、実際の工事期間だけでなく、建築確認申請にかかる期間もあらかじめ見込んで余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。

4.建築確認申請が必要となるリフォーム具体例

リフォームの内容・規模によっては、建築確認申請が必要になる場合があります。

代表的なリフォーム工事ごとに建築確認申請の要否を解説するので、自分が計画しているリフォームで申請が必要かどうかを事前にご確認ください。

【リフォームの具体例】
・内装の変更・間取り変更
・構造変更
・水回りの変更
・外壁・塗装

小規模な内装リフォームや設備の更新工事、延べ床面積200㎡以下の平屋木造住宅(3号建築物)の大規模改修では、建築確認申請が不要となるケースが多くあります。

しかし、それ以外の建物の場合、工事の内容によっては申請が必要になることがあります。

(1)内装の変更・間取り変更

建物の構造に影響しない軽微な内装変更は、原則として建築確認申請は不要です。

しかし、耐力壁の移動や大きな間取り変更など、建物の安全性や強度に影響する工事では、事前に建築確認申請が求められるケースが多いです。

リフォーム内容建築確認申請の必要の有無
床・天井・壁の内装材の交換原則申請不要(構造変更がない場合)
建具やドア床の段差解消など小規模な工事原則申請不要(構造変更がない場合)
間仕切り壁の新設・撤去建築確認申請が必要になるケースあり(建物の構造や耐力壁に関わる場合)

(2)構造変更

建物の骨組みや耐力に関わるリフォームなど建物の構造に関わるリフォームでは、安全性を確保するため建築確認申請が必要になるケースが多くあります

リフォーム内容建築確認申請の必要の有無
階段の移設建築確認申請が必要な場合あり
耐力壁の撤去・移設建築確認申請が必要
小屋裏やロフトの増設建築確認申請が必要(耐力壁・柱に影響する場合)
窓や扉など大きな開口部の設置や拡張建築確認申請が必要(耐力壁・柱に影響する場合)
柱の移動や新設建築確認申請が必要な場合あり
梁の切断や新設建築確認申請が必要
増築・屋根の形状変更建築確認申請が必要
耐震補強工事建築確認申請が必要

(3)水回りの変更

水回りの工事(キッチンや浴室、トイレなど)も建物の構造や用途に影響する場合は、建築確認申請が必要になることがあります。

リフォーム内容建築確認申請の必要の有無
キッチン交換・移設・設備の交換のみの場合は不要
・建築確認申請が必要な場合あり(配管や床下の構造に影響する場合)
洗面所や脱衣所の増築・移設建築確認申請が必要(排水や床・壁の構造に大きく手を加える場合)
浴室・トイレの増設建築確認申請が必要(建物の床や壁に手を加える場合)
屋外トイレ・浴室の新設建築確認申請が必要(建物の用途・構造に影響する場合)
配管・給排水のみの交換小規模の場合は不要な場合あり

(4)外壁・塗装

外壁や屋根の工事は耐久性に関わる部分ですが、構造や耐力に影響するかどうかで建築確認申請が必要かどうかが異なります

リフォーム内容建築確認申請の必要の有無
屋根の葺き替え原則申請不要(構造に関わらない場合)
外壁塗装原則申請不要(構造に関わらない場合)
外壁の大規模改修や補強工事建築確認申請が必要
窓の増設・交換建築確認申請が必要な場合あり(耐力壁に影響する場合)

リフォーム・リノベーションもFINDにご相談ください。

今回の建築基準法の改正は、リフォームにおける建物の安全性や法令遵守をしっかり確保するための、前向きな変更といえます。

ただし、手続きや費用が増えるケースも多いため、「この工事は建築確認申請が必要か」「必要な場合、どれくらいの費用・時間がかかるか」を事前に業者に確認しておくことが大切です。

リフォームやリノベーションをお考えの際、建築確認申請が必要かどうか気になるという時はFINDにお気軽にご相談ください。

FINDは神奈川県川崎市に本社を構える、リノベーション、リフォーム、不動産売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで行うリノベーション会社です。

快適な住まいをリフォームやリノベーションで実現するためには、法令も含めた専門的な知識と豊富な経験が不可欠です。

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海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者