COLUMNコラム
- 2026.08.10
- マンションリノベーション
マンションのサッシ交換はできる?費用相場や注意点をわかりやすく解説
「マンションのサッシは交換できるの?」
「サッシ交換にはどのくらい費用がかかるのだろう?」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
窓やサッシは住まいの断熱性や防音性、結露対策などにも大きく影響するため、「もっと快適な住まいにしたい」と考えてサッシ交換を検討する方も多くいらっしゃいます。
しかし、マンションの場合、サッシは共用部分に該当することが多く、個人で交換できるか悩んでいる方が少なくないのが現状です。
そこで、この記事では、マンションのサッシ交換ができる条件や工法、費用相場、利用できる補助金制度、そして工事で失敗しないためのポイントまで、初めて検討する方にも分かりやすく解説します。
事前に知っておくべきポイントを押さえておけば、スムーズで後悔のないサッシ交換ができますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
1.マンションのサッシ交換はできる?まず知っておきたいポイント
「マンションのサッシは簡単には交換できない」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
戸建て住宅とは異なり、マンションには管理規約や共用部分に関するルールがあるため、個人の判断で自由に工事を行うことはできません。
しかし近年では、製品や施工方法の進歩により、一定の条件を満たせば住戸ごとにサッシ交換ができるケースも増えています。
まずは、マンションでサッシ交換を検討する際に押さえておきたい、基礎知識を見ていきましょう。
(1)マンションのサッシは原則として共用部分
マンションのサッシは、一般的に共用部分として管理されています。
共用部分とは、マンションの所有者が個別に所有する専有部分ではなく、建物全体で維持・管理していく部分のことです。
サッシは室内側から見ると専有部分のように感じられますが、建物の外観を統一するとともに、防火性能や安全性を維持する重要な役割を担っています。
そのため、住戸ごとの判断で自由に変更できるものではなく、マンション全体の資産価値や安全性を維持するための共用部分として区分されています。
(2)交換には管理規約や管理組合の承認が必要
マンションのサッシ交換を行う場合は、事前に管理規約の確認と管理組合への相談が必要です。
前述のとおり、サッシは共用部分として扱われることが多いため、住戸の所有者が希望していても、建物全体のルールに沿って工事を進めなければいけません。
管理規約には、工事の申請方法や使用できるサッシの仕様・施工上の注意点など、共用部分の改修に関するルールや必要な手続きが定められています。
また、工事内容によっては管理組合への申請や承認が必要です。
これらの確認を行わずに工事を進めると、手続きのやり直しや工事内容の変更が必要になる可能性もあるため、計画段階で管理組合や管理会社へ相談しておきましょう。
なお、施工会社によっては管理組合への提出書類作成などをサポートしてくれる場合もあるため、専門業者へ早めに相談しておくと安心です。
(3)近年はマンションでもサッシ交換できるケースが増えている
管理規約の確認や管理組合への申請・承認が必要になるケースは多いものの、近年は施工方法や製品の進化により、マンションでも住戸ごとのサッシ交換を検討しやすくなっています。
その理由の一つが、既存のサッシ枠を残したまま新しいサッシを取り付ける「カバー工法」の普及です。
従来のように既存のサッシ枠を撤去する大掛かりな工事をしなくてもよいケースが増え、工期や施工時の負担を抑えられるようになりました。
LIXILをはじめとする大手メーカーから、防火認定を取得したカバー工法対応のサッシも登場しており、こうした製品の普及により、以前と比べてサッシ交換を検討しやすい環境が整ってきています。
2.マンションのサッシ交換にはどのような工法がある?
現在、代表的なサッシ交換の方法は、「カバー工法」と「はつり工法」の2種類です。
どちらを採用するかによって、工事期間や費用、住まいへの影響が変わるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリット、どのようなケースに向いているのかを紹介します。
(1)カバー工法
カバー工法とは、既存のサッシ枠を撤去せず、その上から新しいサッシを取り付ける施工方法です。
メリットは、既存の壁や外壁を大きく壊す必要がないため、解体や補修の工程が少なく、工期や費用を抑えられる点です。
また、騒音や粉じんの発生も比較的少ないため、住みながら工事を進めやすく、マンションのように周囲への配慮が必要な建物にも適しています。
一方で、既存の枠の内側に新しいサッシを設置するため、窓の開口部分がわずかに小さくなる場合があります。
また、サッシ枠の劣化や歪みが大きいなど、建物の状態によっては対応できないケースもあります。
近年では、防火性能が求められるマンションにも対応したカバー工法用のサッシが登場しており、以前と比べてサッシ交換の選択肢は広がっています。
(2)はつり工法
はつり工法とは、既存のサッシ枠を建物から取り外し、新しいサッシへ交換する施工方法です。
サッシ周辺の壁や仕上げ材も一緒に撤去・補修する必要があるため、カバー工法と比べて大掛かりな工事になります。
メリットは、既存の枠を撤去して交換するため、窓のサイズを維持しやすく、新築時に近い仕上がりを目指せる点です。
また、サッシを根本から交換できるため、建物の状態に合わせた施工がしやすく、サッシ本来の断熱性や気密性を確保しやすいことも特徴です。
一方で、前述のとおり解体や補修の工程が必要になるため、工期は長くなりやすく、費用も高くなる傾向があります。
さらに、騒音や振動が発生しやすいため、共用部分の養生や資材搬入など、マンションならではの配慮も欠かせません。
建物の状況によっては、はつり工法が適しているケースもあるため、現地調査を踏まえて最適な施工方法を判断することが重要です。
3.マンションのサッシ交換・窓交換の費用相場
サッシ交換にかかる費用は、施工内容や条件などのさまざまな要素によって変わりますが、おおよその費用相場を知っておくと、工事の見積もりを比較する際の判断材料になります。
ここでは、工法別の費用目安と、見積もり時に確認しておきたい追加費用について詳しくご紹介します。
(1)カバー工法の費用相場
カバー工法を採用する場合、費用の目安は標準的な仕様で1か所あたり15〜30万円程度です。
既存のサッシ枠をそのまま利用するため、解体や補修の工程を最小限に抑えられることが特徴です。
ただし、実際の費用は窓の大きさや設置するサッシ・ガラスの性能によって変動します。
例えば、断熱性能の高いLow-E複層ガラスや防音性能に優れたガラスを採用する場合は、標準仕様より費用が高くなることがあります。
(2)はつり工法の費用相場
はつり工法によるサッシ交換の費用は、1か所あたり30〜80万円程度が目安です。
既存のサッシ枠を撤去するため、サッシ本体の交換だけでなく、周辺の壁や内外装の補修が必要になることが多く、カバー工法よりも施工費用は高くなる傾向があります。
また、サッシ周辺の壁や下地の劣化、想定より補修範囲が広がるなど、既存の状態によっては追加工事が発生するケースも。
そのため、費用だけで判断するのではなく、現地調査をもとに工事内容や見積もりの内訳を確認しておくことが重要です。
(3)工事費以外にかかる費用
サッシ交換では、サッシ本体の価格や施工費に加えて、建物の条件や選ぶ仕様によって追加費用が発生する場合があります。
主な追加費用の発生ケースと詳細は以下のとおりです。
・ガラス・サッシの性能をアップグレードする
Low-E複層ガラスや防音ガラスなどへ変更する場合は、製品の性能やグレードに応じてサッシ本体の費用が高くなります。
・足場やゴンドラなどの仮設設備が必要
高層階での作業や外側からの施工が必要な場合など、工事内容によっては仮設設備の設置費用が別途見積もりに加算されることがあります。
・防火仕様のサッシが指定されている
防火地域に位置するマンションなど、法令や規約で防火設備の設置が求められる場合は防火仕様のサッシを選ぶ必要があり、通常仕様よりも費用が膨らみがちです。
・工事に伴う各種諸経費がかかる
共用部分の保護に必要な養生費や資材の搬入費のほか、管理組合への申請書類作成・手続き代行に伴う費用などが加算されるケースもあります。
見積もりを確認する際は、提示された総額だけでなく「どのような費用が含まれているか」まで内訳を丁寧にチェックしておくことが重要です。追加費用の発生条件を事前に把握しておくことで、予想外の予算オーバーを防ぐことができるでしょう。
4.マンションのサッシ交換で利用できる補助金制度
マンションのサッシ交換は、断熱性の向上を目的としたリフォームとして、補助金の対象になる場合があります。
特に、省エネ性能を高める窓リフォームを支援する国の制度では、一定の条件を満たすことで工事費の負担を軽減できる可能性があります。
ここでは、マンションのサッシ交換で活用できる代表的な補助金制度と、利用する際の注意点について解説します。
(1)国の補助金制度
マンションのサッシ交換では、一定の条件を満たすことで国の補助金制度を利用できる場合があります。
国では、住宅の省エネ性能向上を目的として、窓やサッシの断熱改修を支援する制度を実施しています。
代表的な制度の一つが「先進的窓リノベ事業」です。一定の断熱性能を満たすサッシやガラスへの交換など、対象となるリフォームを行うことで補助金を受けられる場合があります。
ただし、対象となる製品の性能や施工方法には条件があるため、工事を計画する段階で確認しておくことが重要です。
補助金の利用を検討している場合は、対象製品の選定や申請手続きに対応したリフォーム会社へ相談すると、スムーズに進めやすくなります。
(2)自治体の補助金制度
国の制度だけでなく、お住まいの地域によっては自治体独自の補助金や助成制度を利用できる場合があります。
例えば、窓の断熱改修を対象とした助成金や、省エネリフォーム全般を支援する制度などがあり、対象となる工事や条件は自治体によって様々です。
また、制度によっては国の補助金と併用できるケースもあるため、利用できる制度がないか事前に確認しておきましょう。
最新の情報は自治体の公式ホームページや窓口で確認できるほか、地域での施工実績が豊富なリフォーム会社に相談することで、活用できる制度についてアドバイスを受けられることもあります。
(3)年度によって制度が変わるため最新情報を確認する
補助金制度は、毎年同じ内容で実施されるとは限りません。
制度自体が年度ごとに内容が見直されることも珍しくないため、過去の情報を参考にするだけではなく、必ず最新の募集要項を確認しましょう。
また、制度によって申請できる期間や手続きの流れは異なります。
特に、工事の着工前までに申請が必要など、申請のタイミングに条件が設けられている場合もあるため、事前に制度内容を確認しておくことが大切です。
さらに、補助金には予算上限が設けられているケースが多く、受付期間内であっても予算に達し次第、受付が終了することがあります。
サッシ交換で補助金の利用を検討する場合は、工事内容の検討と並行して制度を確認し、余裕を持って準備を進めることが重要です。
補助金についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
▸【2026年最新版】リフォーム補助金徹底解説!対象条件と申請方法のポイント
5.マンションのサッシ交換で失敗しないためのポイント
マンションのサッシ交換には、戸建て住宅とは異なる確認事項があります。
事前準備が不十分なまま進めてしまうと、工事の延期や追加費用など思わぬトラブルに発展するおそれがあります。
安心してリフォームを進めるためにも、事前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
| (1)管理規約を事前に確認する (2)工事の可否や条件を事前に管理組合に確認する (3)マンションでの施工実績が豊富な会社へ依頼する (4)サッシ交換が難しい場合は「内窓(二重窓)」で性能向上を図る |
(1)管理規約を事前に確認する
サッシ交換を検討し始めたら、まずは管理規約を確認しましょう。
マンションでは、サッシを共用部分として管理しているケースが一般的であり、交換工事に関する条件や手続きが規約に定められていることがあります。
また、建物の景観や安全性を維持するため、使用できる製品や施工方法に制限が設けられていることも珍しくありません。
工事の計画を立ててから規約に適合しないことが判明すると、工事内容の見直しや手続きのやり直しが必要になる可能性もあります。
スムーズに工事を進めるためにも、計画初期の段階で工事の可否やルールを確認しておきましょう。
(2)工事の可否や条件を事前に管理組合に確認する
管理規約を確認した後は、管理組合や管理会社へ工事内容を相談しましょう。
マンションによっては、工事申請書の提出や理事会での承認が必要となるケースがあります。
さらに、工事を行える曜日や時間帯、共用廊下の使用方法、資材搬入のルールなどの細かな決まりが設けられていることも珍しくありません。
事前に工事内容を共有しておくことで、必要な手続きを把握しやすくなるだけでなく、近隣住戸への配慮や周知もしやすくなります。
(3)マンション施工実績が豊富な会社へ依頼する
マンションのサッシ交換では、単に窓を取り替える技術だけでなく、マンション特有のルールや施工条件への対応力が求められます。
そのため、依頼先を選ぶ際は、マンションリフォームの経験が豊富な施工会社を選ぶことが重要です。
マンションのリフォームでは、防火性能を満たす製品の選定や管理規約に沿った申請手続き、共用部分への配慮など、戸建て住宅とは異なる対応が必要です。
施工実績が豊富な会社であれば、建物の状況に応じた施工法やサッシを提案できるだけでなく、管理組合との調整や工事中の養生なども含めてスムーズに対応してもらえるでしょう。
費用だけで判断するのではなく、マンションでの施工経験や対応実績を確認し、安心して任せられる会社を選ぶことが大切です。
(4)サッシ交換が難しい場合は「内窓(二重窓)」で性能向上を目指す
マンションの規約や建物の条件によってサッシ交換が難しい場合は、内窓を設置する方法も検討できます。
内窓とは、既存の窓の室内側にもうひとつ新しい窓を取り付けるリフォーム方法です。
外側のサッシを変更する必要がないため、サッシ交換と比べて共用部分への影響を抑えられ、断熱性や防音性の向上が期待できます。
また、窓が二重になることで外気の影響を受けにくくなり、冬の冷え込みや夏の暑さの軽減、結露対策にもつながります。
ただし、内窓の設置であっても、マンションによっては管理規約に基づく申請や確認が必要となる場合があるため、事前に管理規約を確認し、必要に応じて管理組合や管理会社へ相談しましょう。
また、サッシ交換と内窓では施工方法や得られる効果が異なるため、現在の窓の状態や改善したい内容に合わせて、最適な方法を選ぶとよいでしょう。
6.よくある質問
最後に、サッシ交換を検討している方からよく寄せられる質問について解説します。
Q1:マンションのサッシは自由に交換できますか?
A. 原則として、マンションのサッシを所有者の判断だけで交換することはできません。
サッシは建物の外観や防火性能に関わるため、共用部分として管理されているのが一般的です。
そのため、交換を行う際は、管理規約を確認したうえで、必要に応じて管理組合への申請や承認手続きを進める必要があります。
Q2:サッシ交換と内窓(二重窓)の設置はどちらがおすすめですか?
A. 改善したい悩みやマンションの条件によって異なります。
サッシ交換は、古くなったサッシを新しいものへ交換するため、隙間風や劣化、断熱性能の不足などを根本的に改善したい場合に適しています。
一方、内窓(二重窓)は既存の窓の室内側に新しい窓を設置する方法ですので、マンションの規約などでサッシ交換が難しい場合でも採用しやすく、断熱性や防音性の向上、結露対策にも十分な効果が期待できます。
どちらが適しているかは、窓の状態やマンションの条件、求める性能によって異なるため、施工会社に相談しながら最適な方法を選びましょう。
Q3:サッシ交換の工事期間はどれくらいかかりますか?
A. カバー工法であれば、窓1か所あたり半日〜1日程度が目安です。
一方、既存のサッシ枠を撤去するはつり工法では、解体や補修作業が必要になるため、カバー工法よりも工期が長くなる傾向があります。
また、マンションでは実際の工事日数だけでなく、管理組合への申請や工事日程の調整など、着工前の準備期間も考慮する必要があります。
工事期間は工法や交換する窓の数、建物の状況によって異なるため、施工会社による現地調査を受けたうえで、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
マンションのサッシ交換もFINDにご相談ください。
マンションのサッシ交換は、共用部分に関わる工事であるため、戸建て住宅のように自由に交換できるわけではありません。
しかし、近年では、防火対応のカバー工法用サッシなどの普及により、建物の条件や管理規約を満たせば、住戸ごとに交換できるケースも増えています。
一方で、管理規約の確認や管理組合への申請、防火性能への対応など、マンションならではの確認事項もあるため、マンションでの施工実績が豊富な会社へ相談しながら進めることが大切です。
FINDは、神奈川県川崎市に本社を構え、リノベーション・リフォーム・不動産売買仲介・空間デザイン・ホームインスペクションまで幅広く手がけるリノベーション会社です。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者
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