COLUMNコラム
- 2025.05.01
- リノベーションのお金
住宅省エネ2025キャンペーンとは?補助金額や条件を詳しく解説

「住宅省エネ2025キャンペーンとは?」
「対象者の条件がよく分からない」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
国が推進するこのキャンペーンは、省エネ性能の高い住宅リフォームを対象に、補助金を受け取ることができる制度です。
しかし、補助の対象となる工事や申請のタイミング、金額の上限など、知っておきたいポイントがいくつかあります。
この記事では、キャンペーンの内容をわかりやすく整理しながら、活用のコツまで丁寧に解説します。
目次
1.住宅省エネ2025キャンペーンとは?

住宅省エネ2024キャンペーンは「住宅省エネ化を支援する4つの補助事業の総称」のことを指しています。
家庭の省エネを強力に推進するため、さまざまな補助金制度が用意されています。
4つの補助事業は以下の通りです。
事業名 | 補助上限 | 概要 |
子育てグリーン住宅支援事業 | ・新築:160万円 ・リフォーム:60万円 | すべての世帯を対象に、省エネ改修などの支援をする補助金事業で、子育て世帯や若者夫婦世帯への優遇もある |
先進的窓リノベ2025事業 | ・リフォーム:200万円 | 住宅に行う開口部(窓)の断熱性能を向上するリフォーム・リノベーションに対して支援する補助金事業 |
給湯省エネ2025事業 | ・新築:20万円 ・リフォーム:20万円 ※1~2台まで補助 | 新築や中古住宅に、高効率給湯器を設置した場合に利用できる補助金事業 |
賃貸集合給湯省エネ2025事業 | ・リフォーム:10万円 | 対象となる既存賃貸集合住宅の給油器を、省エネ型給湯器に変更した場合に利用できる補助金事業 |
※出典:「住宅省エネ2025キャンペーン」を基に加工して作成。
以下では、上記4つの補助事業の条件、補助金額をそれぞれ詳しく解説していきます。
2.住宅省エネ2025キャンペーン:子育てグリーン住宅支援事業とは

子育てグリーン住宅支援事業は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯などに対して省エネ住宅の実現を支援する補助金事業です。
子育てグリーン住宅支援事業の対象世帯は、補助対象住宅の種類によって異なり、GX志向型住宅ではすべての世帯が対象になるのに対して、長期優良住宅とZEH水準住宅は「子育て世帯」または「若者夫婦世帯」が対象となります。
子育てグリーン住宅支援事業の条件、補助金額は以下の通りです。
【注文住宅・新築分譲住宅・賃貸住宅の条件・補助金額】
補助対象者 | 注文住宅・新築文分譲住宅・賃貸住宅購入の子育て世帯((申請時点かつ令和6年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯))、若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが令和6年4月1日時点で39歳以下の世帯) |
補助上限 | ・GX志向型住宅:1戸あたり160万円 ・長期優良住宅:1戸につき80万円 ・ZEH水準住宅:1住戸につき40万円 GX志向型住宅や長期優良住宅、ZEH水準住宅の詳しい条件は、新築住宅の省エネ性能から確認できます。 ・GX志向型住宅:1戸あたり160万円 ・長期優良住宅:1戸につき80万円 ・ZEH水準住宅:1住戸につき40万円 GX志向型住宅や長期優良住宅、ZEH水準住宅の詳しい条件は、新築住宅の省エネ性能から確認できます。 |
対象工事の着手期間 | 2024年11月22日以降に対象工事に着手したもの |
交付申請期間 | 申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金の申請者 | ・注文住宅:建築事業者(予め「グリーン住宅支援事業者」としての登録が必要)が申請 ・新築分譲住宅:販売事業者(予め「グリーン住宅支援事業者」としての登録が必要)が申請 ・賃貸住宅:グリーン住宅支援事業者 |
【リフォームの条件・補助金額】
補助対象者 | 対象リフォーム工事の発注者 |
補助上限 | ・Sタイプ:上限60万円/戸 ・Aタイプ:上限40万円/戸 ※Sタイプは必須工事①〜③すべてのカテゴリーを実施するもので、Aタイプはそのうち2つのカテゴリーを実施する場合を指します。 【必須工事】 ①開口部の断熱改修 ②躯体の断熱改修 ③エコ住宅設備の設置 |
対象工事の着手期間 | 2024年11月22日以降に対象工事に着手したもの ※基礎工事より後の工程の工事 |
交付申請期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金の申請者 | 工事施工業者(予め「グリーン住宅支援事業者」としての登録が必要)が申請 |
それぞれ詳しい条件が定められているため、申請をお考えの人は子育てグリーン住宅支援事業で再度確認しておくようにしましょう。
3.住宅省エネ2025キャンペーン:先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2024事業は、既存住宅の窓を断熱性のあるものに改修を行うことで、省エネ化を促すための事業です。
予算は1,350億円となっていて、予算上限に達するまでか2025年12月31日までキャンペーンが継続されます。
住宅の建て方、設置する窓の性能と大きさ、設置方法に応じて一戸あたり5万円から最大200万円までを補助してもらうことができます。
また、補助金の受け取り方法は、工事代金にそのまま当てる方法か、現金で受け取る方法を選ぶことができますので、利用される人はどちらの方法で受け取りたいのかを工事業者に伝えておくようにしましょう。
先進的窓リノベ2025事業の条件、補助金額は以下の通りです。
補助対象者 | 窓や開口部を断熱性のあるものに工事をする人 |
補助対象工事 | ・ガラス交換 ・内窓設置 ・外窓交換 ・ドア交換 |
補助上限 | 一戸あたり200万円 |
対象工事の着手期間 | 2024年11月22日以降に対象工事に着手したもの |
交付申請期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金の申請者 | 施工業者(工事請負業者) |
さらに詳しい条件などは、先進的窓リノベ2025事業を確認してみてください。
4.住宅省エネ2025キャンペーン:給湯省エネ2025事業

給湯省エネ2025事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給油器を、高効率給湯器にするための導入支援を行う事業です。
給油省エネ2025事業では、基本の設置補助額の他に性能加算額や撤去加算額があり、それぞれの工事を行うことでさらに補助金を受け取ることができます。
また、給湯省エネ2025事業では、給油器の購入だけではなく、リース利用も補助の対象です。
給湯省エネ2025事業の条件、補助金額は以下の通りです。
補助対象者 | 高効率給湯器の導入を行う人 |
基本の設置補助額 | ・ヒートポンプ給湯機:6万円/台 ・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式:8万円/台 ・家庭用燃料電池:16万円/台 ※戸建住宅はいずれか2台まで、共同住宅等はいずれか1台まで |
対象工事の着手期間 | 2024年11月22日以降 |
交付申請期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金の申請者 | 補助事業者 |
詳しい条件などは、補助金の交付申請(購入・工事タイプ)を確認してみてください。
5.住宅省エネ2025キャンペーン:賃貸集合給湯省エネ2025事業

賃貸集合給湯省エネ2025事業は、賃貸集合住宅のオーナー等が従来型給湯器を、補助対象である小型の省エネ型給湯器に交換する際に利用できる事業です。
設置する給湯器の追い焚き機能の有無によって、5万円から最大7万円の補助金を1住戸1台まで受け取ることができます。
また、省エネ給油器はリフォーム工事だけでなく、リース利用の場合でも対象となります。
賃貸集合給湯省エネ2025事業の条件、補助金額は以下の通りです。
補助対象者 | 賃貸集合住宅のオーナー 給湯器の設置工事(リース利用)の発注者など |
対象となる既存賃貸集合住宅 | ・人の居住の用に供するために賃貸借契約を締結し、貸し出される住宅 ・1棟に2戸以上の賃貸住戸を有する建物 ・建築から1年以上が経過しているまたは、いずれかの住戸で人が居住した実績がある建物 |
補助額 | 5万円〜7万円 ※いずれか1住戸1台まで |
対象工事の着手期間 | 2024年11月22日以降 |
交付申請期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金の申請者 | 補助事業者 |
さらに詳しい条件は、対象要件の詳細|賃貸集合給湯省エネ2025事業【公式】に記載されていますので、確認してみてください。
6.住宅省エネ2025キャンペーンの申請方法

住宅省エネ2025キャンペーンの補助金申請の流れは以下のとおりです。
1.見積もり・契約 2.工事の実施・完了 3.事業者による補助金の交付申請手続き 4.補助金の還元 |
住宅省エネ2025キャンペーンの補助金申請は、事業者登録している建築事業者・工事施工者に見積もりを依頼し、工事後に事業者が専用サイトで申請します。
必要書類は消費者が協力して提出し、承認されると補助金が事業者経由で消費者に還元されます。
7.住宅省エネ2025キャンペーンの注意点

ここでは住宅省エネ2025キャンペーンの5つの注意点について解説します。
・住宅省エネ2025キャンペーンの注意点 ・他の補助金制度との併用制限 ・工事完了時期と申請期間の把握 ・必要書類の準備と工事写真の撮影 ・予算上限に達した場合の申請受付 |
(1)施工業者の登録状況の確認
補助金申請は、リフォーム工事を担当する施工業者が行います。
そのため、施工業者が「住宅省エネ2025キャンペーン」に登録済みであることが必須であり、未登録の場合は新たに登録手続きを行うことが求められます。
(2)他の補助金制度との併用制限
住宅省エネ2025キャンペーン内の複数の補助金も、対象工事が重複しなければワンストップ申請が可能です。
たとえば、断熱工事と高効率給湯器の設置といった異なる工事内容であれば、それぞれの補助金制度を組み合わせて申請することができます。
(3)工事完了時期と申請期間の把握
補助金は工事完了後に申請するため、2025年12月の申請期限までに工事が終わっている必要があります。
工事の規模によっては半年以上かかることもあるため、早めの準備と着工が大切です。
(4)必要書類の準備と工事写真の撮影
申請には必要書類を準備する必要があり、共通して必要な書類は以下の通りです。
・各事業の2025事共同働事業実施規約 ・工事請負契約書(原契約) |
その他にも、事業ごとに工事前後の写真などの追加書類が必要な場合もあるため、詳しくは公式ページをご確認ください。
また、不備があると申請が遅れるため、早めに準備し、不明点は施工業者に相談するのがおすすめです。
(5)予算上限に達した場合の申請受付
住宅省エネキャンペーンでは、申請額が予算上限に達すると受付が終了します。
2024年は上限に達した事業はありませんでしたが、上限に近づいた事業もあったため、早めの準備と着工が重要です。
公式サイトで申請額の進捗が随時更新されるので、こまめに確認すると安心です。
8.住宅省エネ2025キャンペーンに関するよくある質問
ここでは住宅省エネ2025キャンペーンに関するよくある以下の6つの質問についてまとめています。
・誰が申請手続きを行いますか? ・契約した事業者は、必ず各事業の申請手続きを行ってくれますか? ・ワンストップ申請とはなんですか? ・交付申請に費用はかかりますか? ・交付された補助金は課税対象になりますか? ・工事請負契約を注文書と注文請書や電子契約で締結した場合も対象になりますか? |
(1)誰が申請手続きを行いますか?
住宅省エネ2025キャンペーンは、工事を担当した施行業者が行います。
一般消費者が自ら申請を行うことはできず、消費者は事業者を通じて補助金の交付を受け取ります。
(2)契約した事業者は、必ず各事業の申請手続きを行ってくれますか?
住宅省エネ2025キャンペーンの申請手続きを行うことは義務ではないため、事業者が必ず申請手続きを行ってくれるとは限りません。
申請手続きに関しては、担当事業者とよく相談するようにしましょう。
(3)ワンストップ申請とはなんですか?
ワンストップ申請とは、住宅省エネ2025キャンペーンで複数の補助制度を一括で申請できる仕組みです。
たとえば、断熱窓の交換や高効率給湯器の設置などをまとめて行う場合でも、個別に申請する必要はありません。
(4)交付申請に費用はかかりますか?
基本的に交付申請費用を要することはありません。
ただし、申請にあたって必要な書類や写真の準備にかかる手数料、申請手続きを行う事業者への手数料などの費用が、別途必要になる可能性があります。
(5)交付された補助金は課税対象になりますか?
住宅省エネ2025キャンペーンの補助金は、原則「一時所得」として課税対象ですが、「国庫補助金等」に該当するため、所定の手続きを行えば非課税とできる場合があります。
住宅ローン減税と併用する場合は、補助金分を取得費用から差し引く必要があります。
法人の場合は収入扱いですが「圧縮記帳」で課税所得を減らせる可能性があります。
詳しくは税務署や税理士に相談しましょう。
(6)工事請負契約を注文書と注文請書や電子契約で締結した場合も対象になりますか?
はい、工事請負契約を「注文書と注文請書」や「電子契約」で締結した場合も、補助金の対象になります。
ただし、補助金の申請に必要な「契約者の氏名」「契約日」「工事内容」などの情報が、契約書類にきちんと記載されていることが条件です。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者