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中古戸建物件の購入前に知っておきたい、構造の見極め方

中古戸建物件の購入前に知っておきたい、構造の見極め方

中古戸建住宅の購入を検討する人が増えています。新築に比べると建物のコストがかなり抑えられるため、家族のライフスタイルに合う間取りにリノベーションしたりとメリットが豊富だからです。ですが、中古戸建住宅は、構造面の問題がわかりにくいというリスクもあります。
そこで、今回は中古戸建住宅の構造の見極め方を解説します。

(この記事のポイント)
◎5つのポイントに絞って中古戸建物件の構造をチェック
◎新・旧耐震基準では耐震性能に関して大きな差がある
◎購入前にホームインスペクション(住宅診断)を実施して安全性を確認

中古戸建物件の購入前に確認したい5つのポイント

新築よりリーズナブルとはいえ、中古戸建物件の購入には大きな費用が必要です。

住宅ローンを組むなど、苦労してようやく手に入れたマイホーム。しかし、引っ越したあとで雨漏りする箇所がみつかった、結露がすごい、どこからともなく寒風が吹き込んでくる。こうした事態が生じても、購入時の売買契約の内容によっては「そちらで対応してください」といわれるケースがあります。

そうなるとリフォーム費用まで必要になり、こんなことなら新築にすればよかったと後悔することになりかねません。
こうしたリスクを回避するために、物件の構造を事前にチェックしましょう。ポイントは以下の5点です。
 ①どんな構造?
 ②築年数は?
 ③シロアリ被害は?
 ④ひび割れはある?
 ⑤契約内容は?

では、一つひとつみていきましょう。

新耐震基準に基づいて建てられた住宅のほうが安全性は高い

耐震性や間取り変更ができるかどうかなど、構造は住まいの将来に大きく影響します。戸建住宅の構造には、木造軸組(在来)工法、2×4(ツーバイフォー)、鉄骨造など多くの種類があります。
リノベーションの自由度が高いのは木造軸組工法ですが、築年数や老朽化の進行によっては耐震補強工事が必要になります。2×4は高耐久性が特徴ですが、面で構造を支えるため、壁を安易に壊したり取り外したりすることができず、間取りの大幅な変更は難しくなります。鉄骨造は壁面と上下階の天井面が鉄骨で組まれており、鉄骨を外すような工事は難易度が高くて通常の住宅会社では請け負えません。
こうして考えると、リノベーションを計画して購入する場合は木造軸組がねらい目ということになります。
 
築年数をチェックするポイントは「耐震基準」です。1981年6月1日以前の住宅は「旧耐震基準」、以降の住宅は「新耐震基準」に基づいて建てられています。前者は震度5以上の大きな地震が発生した場合に損傷もしくは倒壊などの可能性が否定できず、購入後には耐震性の補強が必要になるとされています。
一方で、後者は震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準が設定されています。耐震性能に限定すれば、「新耐震基準」に基づいて建てられた住宅のほうが安心というわけです。

シロアリの有無には床下のチェックが必須です。キッチンに床下収納庫があればそこを覗き、なければ和室の畳を上げて床下の状態を観察します。
土台や基礎に土で固められた道のようなものがあると、それは蟻道といってシロアリが土で作ったトンネルである可能性があります。
蟻道がない場合は、コンクリートの上の土台をドライバーなどで刺してみましょう。ドライバーの先端がすっと入るようなら、その土台は腐っている可能性があります。また、床下がカビ臭くないか、土が湿っていないか、風の通りはどうかなども確認したほうがよいでしょう。
外壁のひび割れは目視で確認します。モルタルなどを使った湿式方式の壁は、細かなひび割れができる可能性があります。この状態を放っておくと壁内に水が入り込み、構造材を傷めるケースがあるので要注意です。

内装も忘れずにチェックしましょう。ビニールクロスが裂けていたり、壁の端や角に大きな隙間あったりすると、建物自体が変形している可能性があります。

FINDならホームインスペクションをオーダーできる

最後の関門は契約内容の確認です。

冒頭で述べたようなトラブルが発生した場合の対応内容や期間などをしっかり確認して契約書に記載してもらい、期間内に瑕疵を発見した場合にはリフォーム費用を請求できるようにしましょう。
そして、もっとも大事な点は、瑕疵があった場合の対応をあいまいにするような住宅会社を選ばないことです。
その点、FINDでは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場、あるいは専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめてアドバイスを行うホームインスペクション(住宅診断)を実施しています。

戸建て住宅であれば、基礎や外壁などのひび割れ、建物の傾き、床下の水漏れ、シロアリの被害、屋根裏の雨漏り、換気扇など設備の動作確認などを行います。

ここまでしっかり検査すれば、中古戸建物件を安心して購入できます。また、構造の強度を確認できれば、リノベーションを行ってライフスタイルに合致する住まいに一新することも可能です。
中古戸建住宅の場合、希望を満たす物件であってもすぐ飛びつかず、一歩ずつ手順を踏んで理想の住まいに近づけていくことが大切です。

不動産グループ

資金計画、FPサービスを得意とするFINDの不動産プランナー。リノベーション向きの物件や、不動産の売却、有効活用方法など、様々な切り口から不動産に関する情報をお伝えします。