COLUMNコラム

Design & Accent ~ タイル編 壁と床の演出 ~

タイルの語源はラテン語のテグラ『tegula』と言われており、モノを覆うという意味です。
壁と床を覆う素材として魅力的な建築資材の一つです。

高温で焼成するため、防水性、耐熱性、耐火性に優れており、
変色や変質などの劣化が少なく、とてもお手入れしやすい優秀な素材です。

タイルの分類は粘土などの原料と吸水性によって、
磁器質(I類)、せっ器質(II類)、陶器質(III類)に分けられます。

選ぶタイルによって役割や表情も様々。
大きさや形も種類が多いため、張り方や目地色にこだわればバリエーションは無限です。
簡単に誰でも自分らしい空間をつくれることから人気のアイテムです。


では、どんなタイルがあるか見てみましょう。

キッチン背面のタイルは磁器質タイルを採用。
二丁掛けを縦⻑に張ることで印象が変わり、
目地を通すことでさらにスッキリとした清潔感をもたらします。

洗面台の立ち上がりに使用したのは白い磁器質タイル。
柔らかな表情を見せるタイルは自然な光を優しく反射しています。
ライトグレーの馬目地も主張しすぎることなく落ち着いた印象をもたらします。

キッチンのアクセントタイルはラグジュアリーな印象を演出するために
ツヤありの磁器質タイルを選択。
眠り目地にすることで、縦⻑のタイルがつながるように見え、美しい仕上がりになりました。

正方形で75mm角と小さなサイズがかわいい印象のキッチン。
明るい印象になるようにとキッチンと合わせて白色をセレクトし、
ライトグレーの目地がアクセントになります。

同じ白タイルを選んだ空間ではありますが、
どの施工事例もタイルのサイズ、質感、張り方、目地の色が違うため、
演出する空間の雰囲気も変化しています。
お住まいのアクセントにお気に入りのデザインを見つけてみませんか。

笠原 圭一郎

ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト