COLUMNコラム

【View of FIND vol.5】FINDのPLAN術を紐解く-後編-

「View of FIND」とは?

リノベーションについて、FINDデザイナーの意見、考えをつづるコラムです。
普段どのような視点で設計を行っているか、ご紹介します。


目次

「条件」を味方にするプロセス

前編では、PLAN STORY37で紹介したG様邸を取り上げ、物件の条件を踏まえたプランができるまでのプロセスを紹介しました。

今回は、2つの事例を取り上げ、さらにFINDのプラン術を解説していきます。

ベンチ下に排水スペースを設けキッチンをセットバック

前回ご紹介した「PS(パイプスペース)」は覚えていますでしょうか?

PSとは、マンション共有の排水スペースのことです。
自由に場所を指定できないためPSの位置をふまえたプランの検討が必要です。今回はPSという条件を活かして実現したプランを紹介します。

図面

ダイニングの奥行がやや狭かった状態から、キッチンをセットバックすることで広々としたスペースを確保しました。

BEFORE

キッチンの手前にPSがあります。

AFTER

キッチンを戸境側に向きを変えセットバックすることで、
広々としたダイニングスペースを確保できました。
では、排水経路はどのように確保したでしょうか。

PSとキッチンの間にベンチを設けベンチ下で排水ルートを確保。植物を飾れるスペースになりました。
カウンターを設けることで、リビングダイニングを向きながら作業できます。

施工事例はこちらからご覧いただけます。

細部までこだわり抜いたリノベーション

連続アーチですっきりとした広々リビングダイニングに

次に紹介するのは、奥行の異なる収納スペースを整え、
使い勝手とデザインを両立させたO様邸を紹介いたします。

図面

今回、水まわりの位置は移動せず、和室を取り込み、広々としたリビングダイニングとしました。元々押入だったスペースはWICに。

押入を取り払い既存の壁位置をそのまま使う場合、段差のある壁面ができてしまいます。
既存の壁位置を生かすことで予算も抑えられるというメリットもありますが、なるべく壁はそろえたいですよね。

BEFORE

和室には、奥行の深い収納と奥行の浅い収納が並んでいます。浅い収納スペースは収納したいものが納まらず、使い勝手に悩んでいました。
一方、旧和室の押入は布団などを入れられるように奥行が80cm以上あり、少し使いにくいと感じる人も多いと思います。広々としたリビングをすっきりとした印象にするためにどのようなプランを行ったでしょうか。

AFTER

奥行の異なる収納スペースは2連アーチで連続性を持たせすっきりとした印象に。
FINDの設計士の自邸、「美術館のような雰囲気を取り入れたい」という思いも一緒に叶えました。

既存では押入だったスペースをWICに。お持ちの洋服が十分に入る使い勝手の良い収納になりました。
向かって右側の奥行の浅い収納は絵画を飾れるディスプレイスペースに。アートが映えるように天井にはダウンライトを設けました。

マンションのリノベーションには多くの条件があります。
FINDの設計チームでは、使い勝手とデザインを両立させながら、
お客様のご要望を取り入れることを心がけています。

施工事例はこちらからご覧いただけます。

FINDの設計士が手掛ける自邸

物件探しやリノベーションでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者