COLUMNコラム
- 2025.10.05
- 不動産
新築マンション購入で失敗しないための注意点とチェックポイント9選

「新築マンションの購入の時に注意すべきポイントが知りたい」
「中古マンションのリノベとどっちがいい?」
このような疑問やお悩みをお持ちではありませんか?
家の購入は、人生における最も大きな買い物のひとつです。
特に新築マンションは「新品=安心」といったイメージを持たれやすいですが、実際には見落とすと後悔につながるポイントも多く、慎重な判断が求められます。
そこで今回は、新築マンションを購入する際に注目すべき「立地」「建物」「費用」の3つの視点に絞り、後悔しないための9つのチェックポイントをわかりやすくご紹介します。
目次
1.立地に関する3つのチェックポイント

マンションを購入する際、まず注目しなければならないのは「立地」や「周辺エリア」です。
生活の利便性、住環境の快適さ、そして将来的な資産価値という3つの観点を踏まえたうえで、自分たちの暮らしにとって何を優先すべきかを明確にし、バランスよく検討することが大切です。
(1)生活の利便性 | ・日常で必要な施設(スーパー・コンビニなど) ・移動手段(駅・バス停など) ・病院・銀行 |
(2)住環境の質 | ・眺望・日照・風通し ・ご近所トラブル(地域住民の雰囲気など) ・環境的ストレス源(騒音・異臭など) ・子育て・教育環境 ・自然災害リスク |
(3)将来性 | ・売却のしやすさ ・街やエリアの将来性 |
昼と夜では街の雰囲気や印象が変化することもあるため、上記のチェックポイントを確認するために、時間帯を変えて現地を訪れるのもおすすめです。
(1)生活の利便性
暮らしやすいエリアにあるかどうかはマンション選びの基本です。
例えば、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど、日常的によく利用する店舗が徒歩圏内、もしくはすぐ行ける距離にあるかどうかを確認しましょう。
また、病院や郵便局、銀行などの必要な施設が周辺に整っているかも忘れずに確認を。
店舗・施設だけでなく、最寄り駅までの距離や、通勤・通学ルートの利便性、ラッシュアワーの混雑状況なども重要なチェックポイントです。
日常生活に必要な店舗や交通のアクセスが不便な場所にあることは毎日のストレスに直結します。
マンションの周囲の環境も実際に歩いて確認しておきましょう。
(2)住環境の質
安心して長く暮らすためには、住環境の質をしっかり確認しておくことが大切です。
その地域にどんな世代の人が多く住んでいるか(住民層)によって、街の雰囲気や将来性が大きく変わるためです。
まず、落ち着いて安全に暮らせるエリアかどうかを確認しましょう。
日当たり・眺望に加え、周囲に騒音や悪臭の原因となる施設やご近所トラブルになりそうな要因がないか、周辺を実際に歩いてみて、昼夜の雰囲気の違いや人通りなどもチェックしておくと安心です。
また、子育て世代の場合は、公園、保育園・幼稚園、通いやすい小中学校など、子育て・教育環境が整っているかも要確認です。
若い世代やファミリー層が多い地域は活気があり、将来的な発展も見込めまが、高齢化が進んでいる地域では将来的に利便性が低下する可能性もあるため、長期的な視点を持ったエリア選びも重要です。
そして、忘れてはならないのが自然災害のリスクです。
地震や水害、土砂災害のリスクがどの程度あるのか、ハザードマップで事前に確認しておくとより安心して暮らせます。
(3)将来性・売却のしやすさ
ライフスタイルの変化や転勤、家族構成の変化などによって、将来的に売却や住み替えが必要になる可能性もあります。
そのため、購入時には売却のしやすさ=資産価値の保ちやすさにも目を向けておくことが大切です。
具体的には以下のような項目です。
【将来性・売却のしやすさを図るチェックポイント】 ・駅からのアクセスが良いエリア ・若い世代に人気のあるエリア ・スーパーや病院、学校など生活に必要な施設が整っているエリア ・地盤が安定しているエリア ・水場(川や海など)から遠いエリア |
上記のエリアは将来的にも価値が下がりにくく、比較的安定した資産価値を維持しやすい傾向があります。
ただし、近年、今後の発展が期待される再開発エリアに注目が集まっていますが、必ずしも計画通りに進むとは限らないため、事前の十分な情報収集と冷静な判断が求められます。
2.建物に関する3つのチェックポイント

建物そのものも、安全で快適な暮らしを送るために欠かせない確認ポイントです。
外観のデザインやモデルルームなど外側の印象だけで判断せず、建物の構造や設備、管理体制などの見えない部分こそしっかりと確認することが大切です。
(1)建物の構造 | ・構造(構造形式・耐震等級・制震/免震構造の有無など) ・施工会社・設計会社の信頼性 ・共有部分 |
(2)部屋 | ・間取り ・動線 ・設備 ・断熱性・防音性など |
(3)管理体制 | ・管理の方式(委託か自主か、管理人の有無など)と管理会社の評判 ・長期修繕計画の有無 ・防犯(オートロック・防犯カメラなど) |
美しさだけでなく、長く安心して住み続けられる質が備わっているマンションを見極めましょう。
(1)建物の構造
マンション選びで見落とせないのが、安全性や耐久性に直結する建物の構造や設計の質です。
建物の構造形式によって建物の耐久性や耐震性能が異なるため、耐震性の高い構造かどうかを確認しましょう。
・鉄筋コンクリート造(RC造):鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造。 ・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):RC造に加えて鉄骨の骨組みを内部に組み込んだ構造。RC構造よりも強度が高く、耐震性・耐火性・耐久性も高い |
地震への備えがしっかりとされた建物かどうかも、安心して暮らすための重要なチェックポイントです。
建物の耐震等級を確認するだけでなく、地震の揺れを軽減する制震構造や免震構造が採用されているかも見ておくと安心です。
また、マンションの設計・施工を担当した会社の実績や評判もチェックしておきましょう。
信頼できる会社が手がけた物件であれば、建物の品質だけでなく、入居後のアフターサービスの面でも安心できます。
さらに、エントランス、エレベーター、廊下、ゴミ置き場、駐車場・駐輪場など、他の住人と共有するスペースの管理状況も快適な生活を左右するため、事前にしっかり使いやすさについても確認しておきましょう。
(2)部屋
建物の構造だけでなく、住戸の間取りや動線、設備の内容も忘れずにチェックしましょう。
内覧が可能な場合は、実際にそこで生活するイメージを持って細かく確認することが大切です。
新築マンションは完成前から販売が始まり、モデルルームで内覧できることが多いですが、オプションを多く取り入れて豪華に見せている場合も少なくありません。
モデルルームの印象だけで決めてしまうと実際の住まいとのギャップに戸惑うリスクがあるため、標準仕様や契約内容をしっかり確認することが大切です。
(3)管理体制
新築マンションを選ぶ際に意外と見落としがちなのが、管理体制です。
マンションの管理は、専門の管理会社に委託する場合と管理組合を作って管理業務を住民自身が行う場合(自主管理)があります。
管理会社に委託している場合は、常駐の管理人の有無やその会社の実績や評判をチェックしましょう。
自主管理の新築マンションの場合、これからどうやって運営していくかを住民たちで一から作っていかなければならず、発足当初は運営体制や住民の協力体制がまだよくわからないことも少なくありません。
【新しい管理組合で決めるべき内容の例】 ・ゴミの分別や集積場所のルール、掃除当番 ・エレベーターなど共用部分の故障時の対応 ・ペット可否やリフォームの制限などの規約 ・修繕積立金の妥当性、運用・管理などの金銭的な問題 など |
加えて、建物の老朽化に備えた修繕計画がしっかり立てられているか、オートロックや防犯カメラや監視システムなどの防犯設備が整っているかも確認しましょう
共有部分の管理や修繕の手配・計画、セキュリティは、日々の快適な暮らしを支えるだけでなく、将来の資産価値を保つうえでも非常に重要なポイントですので必ず確認しておきましょう。
3.費用に関する2つのチェックポイント

新築マンションは高額な買い物ですが、購入時の費用だけでなく、その後も毎月さまざまな費用が発生します。
(1)イニシャルコスト | 購入時に必要な費用 |
(2)ランニングコスト | 月々にかかる費用 |
購入後、ローンに加えた月々の支払いが負担にならないよう、余裕を持った資金計画を立てて選ぶことが重要です。
(1)イニシャルコスト(購入時に必要な費用)
新築マンションのイニシャルコストには、物件価格に加えて主に次の項目も含まれます。
【購入時にさらに必要となる費用】 ・不動産会社を利用する場合の仲介手数料 ・登記費用や印紙税 ・火災保険料 ・住宅ローンを組む際のローン手数料や保証料 ・引っ越し費用(2回) ・新居用の家具・家電・備品の購入費用 ・マンションの管理費や修繕積立金の前払い分 ・ご近所への挨拶の手土産代など |
上記の費用を考慮して総合的に資金計画を立てることが非常に重要です。
(2)ランニングコスト(月々かかる費用)
一戸建てと異なり、新築マンション購入後は以下の支払いも月々必要となります。
【毎月かかる費用】 ・修繕積立金 ・管理費 ・駐車場代・駐輪場代 ・地域の自治会費 など |
さらに、建物に大きな修繕が必要となった場合の大規模修繕の一時金(特別修繕積立金)、災害復旧費用など、普段の管理費や修繕積立金以外にも急にまとまった費用が必要となることもあります。
マンションに関する費用だけではなく、例えば子育て世代は教育費の増加が見込まれ、シニア世代は介護費用や医療費の負担が重くなることも考えられます。
ライフステージごとの出費の変動や予期せぬ支出に備え、安心して長く住み続けられる物件を選ぶことが大切です。
4.契約に関するチェックポイント

新築マンションの契約時の流れと押さえておきたいポイントをわかりやすくご説明します。
【契約時の流れ】 1.重要事項説明書の確認 2.手付金の準備 3.住宅ローンの手続き 4.引き渡し |
購入を決めた後、契約前に物件や契約内容について詳しく書かれた重要事項説明書が渡されます。
物件や契約内容に関する重要な情報が記されているため、内容をじっくり読み、不明点や不安な点があれば遠慮せずに質問して解消しておきましょう。
売買契約時には、手付金として売主に対して物件価格の5~10%を支払う必要があります。
住宅ローンがまだ正式に下りていないタイミングですので、事前に現金で支払えるよう準備しておくことが大切です。
さらに、売買契約を結んだ後に住宅ローンの本審査が始まるため、契約から引渡しまでの期間内に本審査の申し込みや必要な手続きを完了させる必要があります。
住宅ローンの本審査が無事に通れば金融機関との契約が成立し、決済・引渡しの準備に進みます。
その後、登記費用や住宅ローンの諸費用、火災保険料、残代金の支払いなどが発生するため事前に資金計画をしっかり立てておくことが重要です。
契約に関する手続きや準備には確認すべき点が多いため、専門家や担当者ともしっかり相談・確認しながら慎重に進めていきましょう。
5.中古マンションのリノベーションもおすすめ

近年、新築マンションの価格が高騰しており、予算内で条件に合う物件を見つけるのが難しくなっています。
そのため、条件に合うエリアで中古マンションを購入し、自分好みにリノベーションして暮らすという選択肢を選ぶ人も増えています。
(1)中古マンションリノベのメリット
中古マンションリノベの最大のメリットは、新築より価格を抑えつつ、人気エリアで自分好みに自由に間取りやデザインをカスタマイズした住まいを手に入れられることです。
なぜなら、中古マンションは新築に比べて物件価格が抑えられており、さらに都心部や駅近など、新築では選択肢が限られる人気エリアでも探しやすいからです。
加えて、内装や間取りを自由に設計できるため、コストを抑えながら妥協の少ない理想の住まいを実現できます。
また、管理組合の運営実績やコミュニティの成熟度も事前に把握でき、安心して暮らせる物件を探しやすいのも中古マンションの魅力です。
中古マンションリノベは環境負荷を減らすエコな選択としても注目されています。
(2)中古マンションリノベの注意点
中古マンションリノベは魅力が多い一方、中古ならではの注意点もあります。
まず、マンションの耐震性能や構造形式(RC造、SRC造など)が現行の耐震基準を満たしているかの確認と、外壁のひび割れや鉄筋のさびなど劣化の状態の確認をしましょう。
安心して今後も暮らせる状態かどうか正確に状態を把握するために、建築士や住宅診断士(インスペクター)などの専門家に建物の耐震性能や劣化状況を調査してもらうと安心です。
また、過去の修繕や今後の修繕計画について管理組合に確認し、適切にメンテナンスされているかのチェックも必要です。
上記のポイントをしっかり押さえて進める中古マンションリノベは、安心して暮らせる住まいを選ぶための賢い選択のひとつです。
中古マンションリノベについてさらに具体的に知りたい方は次の記事をご覧ください。
▸3LDKマンションのリノベーション費用相場は?費用を抑えるコツも紹介
▸新築とリノベーション、費用はどっちが安い?徹底比較で違いを解説
マンション購入・リノベーションのことならFINDへ
新築マンションの購入では、事前の知識と入念なチェックがその後の暮らしの満足度を大きく高める重要なポイントです。
今回解説した9つの条件を完璧に満たす物件を見つけるのは難しいため、何を優先し、重視するかをしっかり家族と話し合うことが後悔しない選択につながります。
また、信頼できる不動産会社や建築会社など専門家のアドバイスを積極的に活用するのも賢い方法です。
FINDは神奈川県川崎市に本社を置き、リノベーションやリフォームはもちろん、不動産の売買仲介や空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで幅広く対応している会社です。
リノベーションの魅力を最大限に引き出すためには専門的な知識と豊富な経験がとても大切です。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者