COLUMNコラム
- 2023.12.01
- 税金
リノベーションで使えるローンは何がある?減税や補助金など優遇制度も紹介
「リノベーションを考えているけど、どんなローンが使える?」
「住宅ローンとリフォームローン、違いはなんだろう」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
本記事ではリノベーションをする際に使用できるローンから、住宅ローンとリフォームローンの違いについて詳しく解説していきます。
また、リノベーション時に利用できる減税制度についても紹介。
これからリノベーションをお考えの人はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.【確認】ローンの種類3つ
リノベーションでローンを利用する際には、ローンの種類について知っておきましょう。
ローンには、変動型・全期間固定型・固定期間選択型の3種類があります。
変動型 | 年2回、市場の動向に合わせて金利が見直されるタイプ。しかし、家計の負担が急激に増えてしまうことがないよう、月々の返済額が5年間は変わらなく、返済額は前期間の1.25倍までという上限が設定されている場合が多い。 |
全期間固定型 | 借り入れ期間はずっと同じ金利が設定されるタイプ。変動型よりも金利が高めに設定される傾向にある。 |
固定期間選択型 | 3年・5年・10年間などが固定金利に設定されていて、その後改めて固定か変動か選ぶことができるタイプ。最初の固定期間中は、優遇金利が設定されている場合が多い。 |
市場が低金利といわれる昨今は、変動型を選ぶ人も多いですが将来金利が上がる可能性も考慮してどのタイプにするか選ぶようにしましょう。
また、全期間固定型・固定期間選択型では、固定費が変わらないためライフプランの設定が立てやすいメリットのある反面、金利が高く設定されているケースも多く、低金利の恩恵を受けられないデメリットもあります。
3種類の金利それぞれにメリットもあればデメリットもあるため、家計の状態に合わせた金利を選ぶのがポイントです。
2.リノベーションで使用できるローン
リノベーションで使用できるローンは、以下の2つです。
・住宅ローン ・リフォーム(リノベーション)ローン |
ぞれぞれの特徴を順に説明していきます。
(1)住宅ローンについて
住宅ローンとは、住宅を建てる時、購入する時に組むことができるローンです。
逆に言ってしまうと、物件購入と併用してリフォーム・リノベーションローンを組む際にしか住宅ローンは利用できないので注意しておきましょう。
また、住宅ローンでは、自宅や土地の価値に抵当権(担保)を設定するため、借入期間が長いのが特徴。
住宅の購入時に、リノベーション費用まで含めて住宅ローンで借りることで、リノベーションローンに比べて安い金利で大きな額を長期間少しずつ返済することができます。
多くの金融機関が取り扱っている『民間ローン』と、住宅金融支援機構のフラット35や、財形住宅融資や自治体が独自で行っている『公的ローン』の2種類があります。
(2)リフォーム(リノベーション)ローンについて
リフォーム(リノベーション)ローンは、その名の通り所有している住宅のリフォーム・リノベーションをする際に利用できるローンです。
リフォームローンには『無担保型』と『有担保型』があり、一般的には無担保型が多くなっています。
住宅ローンと比較すると借入期間が短く、金利が高めに設定されているのが特徴です。
3.住宅ローン・リフォームローンのメリット・デメリット
住宅ローンとリノベーションローンは借入期間や金利、条件などに違いがあるため、2つのローンでお悩みの際には、メリット・デメリットを比較しておくようにしましょう。
住宅ローンとリノベーションローンのメリット・デメリットはこちらです。
住宅ローン | リフォームローン | |
---|---|---|
メリット | ・返済期間が長く、少しずつ返済できる ・借りられる額が大きい ・リフォームローンに比べて金利を抑えられる | ・住宅ローンに比べ審査が通りやすい ・担保になるものがなくても、融資を受けられる |
デメリット | ・通常2〜3週間、最大1,5ヶ月ほど審査に時間がかかる ・新たに物件購入をしない場合は使用することができない | ・借入られる金額が500~1,000万円までのローンが多い ・借入期間が最長15年まで ・平均金利が年2~4%と高めに設定されている |
住宅ローンとリフォーム(リノベーション)ローンは、借りられる金額に差があるため、担保や返済期間などのメリットデメリットがあります。
住宅購入と一緒にリフォームをお考えの人は、金利の安い住宅ローンで組む、持ち家を工事したい人は、返済期間の短いリフォーム(リノベーション)ローンを検討するのがおすすめです。
4.リノベーションでローンを組むパターン
リノベーションでローンを組む流れは、住宅購入時なのか、持ち家に対しての工事なのか状況によって変わってきます。
ここでは以下の状況下でのリノベーションローンを組むパターンとおすすめのローンを紹介します。
・中古住宅購入時に一緒に住宅ローンを組む ・中古住宅購入後にリフォームローンを組む ・現在契約中の住宅ローンを乗り換えてリノベ費用をプラス ・持ち家のリノベーション費用をリフォームローンで借りる |
順に説明していきます。
(1)中古住宅購入時に一緒に住宅ローンを組む
中古住宅購入時には、リノベーション費用まで合わせて『住宅ローン』で組むことが可能です。
中古住宅の購入を決めた際に、リノベーションプランを考え工事内容に合わせた費用を住宅ローンに組み込むのが一般的なパターンです。
中古住宅の購入と一緒にリノベーションをすることで、金利の低い住宅ローンに一本化でき毎月の返済額を抑えられるメリットがあります。
(2)中古住宅購入後にリフォームローンを組む
中古住宅購入後、住み始めてからリノベーションを検討する場合は、リフォームローンを組むことが可能です。
住宅の新しくしたい部分や変えたい部分を検討して、リノベーションプランを考えリフォームローンの審査をするのが一般的。
住宅購入時に同時にリノベーションプランを考えるとバタバタしてしまうことも多いため、住宅に住んでから時間をかけて考えられるメリットがあります。
また、住んでみて初めて気づく不便さもリノベーションに組み込みながら、じっくりと業者を吟味したり、プランを計画することができます。
(3)現在契約中の住宅ローンを乗り換えてリノベ費用をプラス
すでに所有している持ち家をリノベーションする場合は、現在の住宅ローンの残りを他の金融機関へ借り換える際に、リノベーション費用も含めて借りることも可能です。
リノベ内容と費用を見積もりした後、新たに借り換えたい銀行などに相談して、いくらまで借入られるのかを確認した後、リノベーション契約を進めるのが一般的です。
リノベーション会社によっては、住宅ローンの借り換えなども相談に乗ってくれる場合もありますので、相談してみるのもおすすめ。
住宅ローンの借り換えは、取扱手数料など新たに費用が発生するため一概にお得になるとはいえませんが、借入先の金利によっては長い目で見るとお得になるケースもあります。
手数料などを差し引いた上で、トータルでお得になるのか見極めるようにしましょう。
FINDでは専属のFPが在籍しているため、最適な住宅ローンの提案や、その後のライフプランまで一緒に考えることが可能です。
FINDをご利用の人は無料でFPサービスを受けられますので、まずはご相談くださいね。
(4)持ち家のリノベーション費用をリフォームローンで借りる
新たに住宅の取得がない場合や、住宅ローンが支払い済みの際には持ち家のリノベーション費用をリフォームローンで借りることができます。
流れとしては、持ち家の変えたい部分、新しくしたい箇所を洗い出しリノベーション会社に相談、ローンを通して契約するのが一般的。
リフォームローンだと、金利が高くなってしまうデメリットがあるため毎月の返済額など、注意して資金計画を立てるのがポイント。
リノベーションは予算を決めて、工事したい場所の優先順位を明確にしておくのがおすすめです。
リノベーション見積もりの流れやポイントについては、こちらの記事でさらに詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
5.リノベーションで使用できる減税・補助金制度
リノベーションで利用できる減税制度はこちら。
・住宅ローン控除 ・所得税の減税制度 ・給湯省エネ事業 ・先進的窓リノベ事業 |
順に説明していきます。
(1)住宅ローン控除
住宅ローンを利用してリノベーションをする場合は『住宅ローン減税』を受けることが可能です。
住宅ローンは年末のローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除される制度です。
また、所得税だけでは控除しきれない場合は、住民税からも控除され、差し引かれた分が還付金として返還されるようになっています。
ただし、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準に適合していないと住宅ローン減税を受けられなくなりますので注意しておきましょう。
返済期間が10年を超えるリフォームローンの場合でも、住宅ローン控除の対象となるケースもあるため一度問い合わせてみるのがおすすめです。
【新築住宅の場合】
住宅の性能 | 借入限度額 | 控除期間 | 年間最大控除額 | 期間合計の控除額 |
---|---|---|---|---|
認定長期優良住宅 低炭素住宅 | 5000万円 | 13年間 | 35万円 | 455万円 |
ZEH住宅 | 4500万円 | 13年間 | 31.5万円 | 409.5万円 |
省エネ基準に適合した住宅 | 4000万円 | 13年間 | 28万円 | 364万円 |
その他の一般的な住宅 | 3000万円 | 13年間 | 21万円 | 273万円 |
【中古住宅の場合】
住宅の性能 | 借入限度額 | 控除期間 | 年間最大控除額 | 期間合計の控除額 |
---|---|---|---|---|
認定長期優良住宅 低炭素住宅 ZEH住宅 省エネ基準適合住宅 | 3000万円 | 10年間 | 21万円 | 210万円 |
その他の住宅 | 2000万円 | 10年間 | 14万円 | 140万円 |
より性能の高い住宅を購入することで、大きな控除を受けられる仕組みになっています。
住宅ローン控除について、さらに詳しい情報は公式ページを参考にしてみてください。
(2)所得税の減税制度
リノベーションでは、省エネなどの対象工事を行なった場合に、所得税の控除を受けることが可能です。
所得税の控除の対象となる工事は以下のものがあります。
バリアフリーに関する工事(リノベーション) | 60万円を翌年の所得税から控除 |
耐震・省エネ・三世代同居対応・長期優良工事 | 62.5万円を翌年の所得税から控除 |
上記の所得税控除は、ローンを利用せず全額自己資金で行なった場合も対象になります。
詳しい条件は公式ページを参考にしてみてください。
(3)給湯省エネ事業
リノベーションでは、給湯省エネ事業を利用できる場合もあります。
給湯省エネ事業の対象工事と補助金額は以下の通りです。
家庭用燃料電池(エネファーム) | 15万円/1台 |
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機) | 5万円/1台 |
ヒートポンプ給湯機(エコキュート) | 5万円/1台 |
給湯省エネ事業については、こちらの記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
(4)先進的窓リノベ事業
リノベーションでは先進的窓リノベ事業を利用できる場合もあります。
先進的窓リノベ事業の対象工事と補助金額は以下の通りです。
ガラス交換 | 4,000円〜48,000円(戸建て・低層中層集合住宅) |
内窓設置 | 30,000円〜124,000円(戸建て・低層中層集合住宅) |
外窓交換(カバー工法) | 51,000円〜183,000円(戸建住宅・低層集合住宅) 38,000円〜221,000円(中高層集合住宅) |
外窓交換(はつり工法) | 51,000円〜183,000円(戸建住宅・低層集合住宅) 52,000円〜221,000円(中高層集合住宅) |
その他詳しい条件はこちらの記事で詳しく紹介しています。
その他にも各自治体によってリノベーションで使用できる補助金がある場合もありますので、お住まいの自治体に問い合わせしてみるのがおすすめです。
6.ワンストップ・リノベーションサービスで低金利ローン
「中古住宅購入とリノベーション、一緒にローンを組みたい」とお考えの人は、ワンストップリノベーションサービスを検討するのもおすすめです。
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また、提携先の低金利のローンを長期間返済に設定できるので、住宅ローンを予算に合わせて組むことができます。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者