COLUMNコラム

古い家のリノベーション費用相場やメリット・注意点・補助金を徹底解説

「古い家のリフォーム・リノベーションにかかる費用はどのくらい?」
「古い家をリフォーム・リノベーションする時の注意点は補助金はある?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

一戸建ての木造住宅は、平均寿命が約65年といわれており、定期的にメンテナンスを行い、丁寧に住み続けることで、長く快適に暮らすことができます。

しかし、経年劣化や老朽化、家族構成やライフスタイルの変化によって、生活に不便さや不満を感じる場面が増えてくることもあるかと思います。

そこで、本記事では、「新築に建て替えるか、それともリノベーションか」で悩んでいる人に向けて、古い家のリノベーションについて、費用相場やメリット・注意点をわかりやすく解説します。

あわせて参考になる古い家のリノベーション実例3選も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


目次

1.古い家のリノベーションの5つのメリット

まずは、新築への建て替えと比較しながら、古い家をリノベーションすることで得られる主なメリットを5つ紹介します。

【古い家をリノベーションする5つのメリット】
・コストを抑えて住みやすい家を作ることができる
・慣れ親しんだ家に住み続けられる
・税金対策になる
・国・自治体の補助金を受けられる
・環境負荷を軽減できる

(1)コストを抑えて住みやすい家を作ることができる

リノベーションの内容や規模、家の状態によって様々ですが、一般的に古い家は既存の構造を活かして工事をするため、建て替え(新築)するよりもコストを抑えたリノベーションが可能です。

【費用相場】
・リノベーション:800〜1,600万円
・建て替え:1,800〜4,500万円 

建て替えの場合は建築中に住む仮住まいが必要となりますが、部分的なリノベーションであれば工事中も仮住まいを探す必要なくそのまま生活でき、引っ越し費用なども抑えられるのもメリットです。

費用についてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
新築とリノベーション、費用はどっちが安い?徹底比較で違いを解説

(2)慣れ親しんだ家に住み続けられる

実家などを譲り受けてリノベーションする場合は、思い出の詰まった家にそのまま住めるというメリットもあります。

古い家ならではの風合いや趣を楽しみながら、最新の設備で住み心地の良い家にすることが可能です。

さらに、再建築不可物件で建て替えが不可能な住宅でも、条件さえ整えばリノベーションにより住居として甦らせることもできます

(3)税金対策になる

古い家はリノベーションを実施することで暮らしやすい家に再生できるだけでなく、耐震化・断熱化等を伴うリノベーションによって固定資産税・所得税・贈与税の優遇を活用しやすくなります

たとえば、親や祖父母の家など古い家を相続した際、建て替えると建物の評価額が一気に上がってしまいますが、小規模なリノベーションであれば評価額に大きな変化はないため、固定資産税が変わらないことが多いです

さらに耐震リフォームなど対象の工事を行うことで翌年度の固定資産税が軽減されるケースもあります。

また、リフォーム促進税制・住宅ローン減税など所得税の減税、直系尊属からのリフォーム資金をもらった場合の贈与税の非課税措置などが受けられます。

特に令和8年12月31日まで親族の資金援助の非課税枠が拡大されているので、家族で賢く制度を活かす計画でさらに税金の負担を軽減することが可能です。

(出典:国土交通省 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

リノベーションに関する固定資産税について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
リノベーションで固定資産税は上がる?変わらない・下がる場合も紹介

リノベーションに関する贈与税についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
リフォーム資金に贈与税はかかる?非課税枠やケース別の課税有無を解説

(4)国・自治体の補助金を受けられる

古い家の構造に手を加えて断熱工事や耐震補強を行うと国や自治体などから補助金が受けられるというメリットもあります。

2025年にリノベーションで活用できる主な補助金・助成金の一覧を見てみましょう。

まず、国から受けられるリノベーションの補助金には以下のものがあります。

事業名補助上限概要
子育てグリーン住宅支援事業(住宅省エネ2025キャンペーン)・Sタイプ(3項目):最大60万円/戸
・Aタイプ(2項目):最大40万円/戸
すべての世帯を対象に、省エネ改修などの支援をする補助金事業で、子育て世帯や若者夫婦世帯への優遇もある
先進的窓リノベ2025事業(住宅省エネ2025キャンペーン)・最大200万円/戸
・費用の約半額補助
住宅に行う開口部(窓)の断熱性能を向上するリフォーム・リノベーションに対して支援する補助金事業
給湯省エネ2025事業(住宅省エネ2025キャンペーン)・種類により6~20万円/台+撤去費用加算ありエコキュート、ハイブリッド給湯器、エネファームなど高効率給湯器を設置した場合に利用できる補助金事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業・最大210万円断熱・耐震・劣化対策・バリアフリー化など住宅の性能を強化するリフォーム

お住まいの自治体でも古い家のリノベーション時に利用できる補助金を設けているところも多くあります。

国の補助金と併用可能なものも多いのでお住まいの自治体のHPを必ずご確認ください。

国の補助金『住宅省エネ2025キャンペーン』についてさらに知りたい方は次の記事もご覧ください。
住宅省エネ2025キャンペーンとは?補助金額や条件を詳しく解説

(5)環境負荷を軽減できる

リノベーションは既存住宅の構造や資材を活かすため、環境負荷を軽減できるのもメリットです。

実際、建て替え(新築)と比べるとリノベーションでCO2排出量を75%、廃棄物を96%削減できるという結果も出ています。

限られた資源を大切に再活用しつつ環境破壊も防ぐことができるリノベーションはサステナブルで優れた選択肢です。

(出典:PR TIMES

2.古い家をリノベーションする場合の5つの注意点

古い家をリノベーションする際は、古い家ならではの問題が発生するおそれがあります。

トラブルを未然に防ぎ、問題がある場合はスムーズに対処できるように次の5つのポイントをチェックしておきましょう。

・住宅の状態を確認・診断しておく
・地盤調査をしておく
・断熱性能を確認しておく
・間取りの制約の有無を確認しておく
・名義を確認する

(1)住宅・地盤の状態を確認・診断しておく

古い家のリノベーションをする前に、シロアリ・雨漏り・腐食などによる柱や床、基礎の構造の老朽化・トラブルなどがないかを必ずチェックしましょう。

特に土台部分に問題があり追加工事が必要になれば、予算オーバー・工期の延長は避けられなくなるため事前の下地チェックは必須です。

専門家による住宅診断(ホームインスペクション)を行っておくとともに、もしもに備えて予算を多めに用意しておくようにしましょう。

また、古い家は建物の耐震性チェックも必須です。

古い家の耐震性を確認するために行う「耐震診断」にも費用がかかりますが、補助金(助成金)制度を用意している自治体も多いため、事前にお住いの自治体で補助金制度があるかも確認しておくのがおすすめです。

なお、診断の結果、大掛かりな工事が必要となる場合は建て替えの方が安くなるケースもあるため、事前に相談をすることをおすすめします。

リノベーション時の耐震補強については次の記事もご覧ください。
リノベーションで耐震補強!費用相場や工事をする際のポイントを解説

(2)地盤調査をしておく

建物自体に問題はなくても地盤に問題がある場合、沈下や傾きのおそれがあるため、長期的な安心・安全のために地盤調査も行うことをおすすめします。

地盤調査なしにリノベーションを行うと、建物の重みに地盤が耐えられなくなるおそれがあるだけでなく、地震や大雨などの際に家に深刻なトラブルが発生するリスクも高くなります。

古い家が建っていても地盤調査は可能(専門家によるスウェーデン式サウンディングなど)であるため専門家に相談しましょう。

地盤調査にも費用が掛かりますが、自治体の耐震診断・補強工事の補助制度に関連して調査費用も助成対象になる場合もあるのでその点も事前に確認しましょう。

もし地盤に問題があるとわかった場合、リノベーションでは建物の下の部分の地盤改良はできないため、安全のために建て替えをした方が良いでしょう。

(3)断熱性能もチェック

古い家は断熱性能が低い家が多く、現代の基準に適合する断熱・気密性能がないものが多いため、家の断熱性能もチェックしておきましょう。

断熱性能が低い古い家はリノベーション時に断熱工事も取り入れるのがおすすめです。

断熱工事は補助金が出ることも多く、他のリノベーションと同時に行うことでさらにコスト・工事期間を削減できます。

断熱リノベーションについては次の記事をご覧ください。
断熱リノベーションの費用や補助金、コストを抑えるコツを解説

(4)間取りの制約の有無を確認する

古い家は間取りの変更に制約があるケースもあるため、事前に間取りの自由度について確認しましょう。

建物の工法や構造によっても異なりますが、耐震性などの問題で希望の間取り・デザインが取り入れられないこともあります。

理想の住まいを実現するには部分的なリノベーションではなく骨組みを活かしたスケルトンリノベなど全解体型リノベが必要になる場合もあるため、事前に希望を伝え可能かどうかを確認しておきましょう。

(5)名義を確認する

実家をリノベーションする場合、建物の名義の確認も必要です。

たとえば、名義が親で、子が費用を出してリノベーションをした場合、子から親への贈与とみなされ贈与税がかかることがあります。

贈与税を回避するには、次の方法があります。

【贈与税対策】
・名義を支払う人に変えておく
・贈与税のかからない110万円以下の範囲でリノベーションを行う
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置や相続時精算課税制度を利用する

リノベーション時の費用に関する贈与税についてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
リフォーム資金に贈与税はかかる?非課税枠やパターン別に解説

3.古い家をリノベーションした実例3選

最後に、FINDが手掛けた築年数30年以上の古い家をスタイリッシュにリノベーションした3ケースを紹介します。

・築60年|海外アパルトマンのような雰囲気と心地よさを実現した住まい
・築47年|ヴィンテージの味わい深さを残したリノベーション
・築42年|猫と共に過ごす、海外ライクなすまい

(1)築60年|海外アパルトマンのような雰囲気と心地よさを実現した住まい

築60年の中古の戸建て住宅をリノベーションした実例です。

「昭和レトロな物件を自分たちの好みの空間にしたい」というご夫婦のご希望に合わせ、物件のビンテージ感は活かしつつ間取りを生活スタイルに合わせて変更

古き良き佇まいと、選び抜かれた海外デザイナーズ家具やアンティークアイテムが絶妙に調和し、人も猫も心地よく過ごせる“癒しのリビング”へと生まれ変わりました。

60年という家の歴史に、ご夫婦と愛猫が穏やかに時を刻む新しい時間が重なる温かな住まいになっています。

築年数60年
面積81㎡
区分・間取り・家族構成2LDK+店舗 /ご夫婦+猫
内容全面リノベーション

(出典:FIND

(2)築47年|ヴィンテージの味わい深さを残したリノベーション

次は1970年代に建てられた築年数46年のヴィンテージマンションをリノベーションしたケースです。

内見で一目惚れしたヴィンテージマンションならではのレトロな味わいや遊び心がある箇所はそのまま活かし、キッチンや浴室を自分たち好みに大幅にリノベーション

空間を広く感じさせるガラス張りの壁や愛犬との暮らしを便利・快適にする玄関収納などところどころに工夫を施しているのがポイントです。

「居心地がよく、家で過ごす時間を飽きること無く楽しんでいます」と日々の暮らしをゆったりと楽しめるお気に入りの空間を実現したリノベーションです。

築年数46年
面積70㎡
区分・間取り・家族構成MS/1LDK / ご夫婦+犬1匹
内容全面リノベーション

(出典:FIND

(3)築42年|猫と共に過ごす、海外ライクなすまい

最後のケースは築42年のマンションを、愛猫と自分の好きなものに囲まれた住まいをイメージをもとにリノベーションしたケースです。

リビングを寝室と一体化した間取りへと変更し、猫と共に快適に過ごせる広々とした空間に。

機能的なL字型のキッチンもつなげることでさらに開放感のあるレイアウトとなっています。

海外ライクな壁紙や設備を厳選することでさらに個性が光るおしゃれなリノベーションを実現しました。

築年数42年
面積65㎡
区分・間取り・家族構成1SLDK
内容全面リノベーション

(出典:FIND

古い家のリノベーションならFINDにお任せください!

歴史や趣を持つ古い家は、リノベーションをすることで現代に即した快適な住まいに蘇らせることができます。

ただし、古い家ならではの注意点やチェック項目もあるので事前の確認は念入りに行いましょう

FINDは神奈川県川崎市に本社を構える、リノベーション、リフォーム、不動産売買仲介、空間デザイン、ファイナンシャルプランニング、ホームインスペクションまで行うリノベーション会社です。

今回紹介したリノベーション以外の実例も公式サイトに多数掲載していますので、気になった方はこちらから覗いてみてくださいね。

また、FINDのリノベーションでは、プランナー、設計士、不動産のプロ、FPがチームになって理想の住まい造りのお手伝いを行わせていただきます。

経験豊富なプロがチームとなって理想どおりの家作りを行っていくため、古い家のリノベーションも安心してお任せください。

海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者